DS2784ハイサイドnFETプロテクタのチャージャ逆接続保護回路

要約

DS2784ハイサイドnFETプロテクタは、チャージャ逆接続の保護回路を備えていません。そのため、チャージャが逆の極に接続されると、DC FETがフォルト状態の発生時もオンに維持される可能性があります。このアプリケーションノートは、チャージャの逆接続の発生時にDC FETがオフ状態になるように使用可能な外付け回路について説明します。

DS2784は、チャージャの逆接続から保護する回路は備えていません。チャージャの逆接続の発生時、DC FETがフォルト状態時もオンに維持される可能性があるため、バッテリが完全に消耗します。電流プロセス制限のため、この問題への内部ソリューションはこれまで存在していません。このアプリケーションノートは、チャージャの逆接続の発生時にDC FETがオフ状態になるように保証するために使用可能な外付け回路について詳述します。

DS2784は、ハイサイド、nチャネルFET (nFET)を使用し、フォルト状態の発生時にバッテリを切断します。チャージャが逆の極に接続されると、DS2784は、PK+上に-5Vを認識します。これが、DC FETのソースに-5Vを設定します。プロテクタは、オフ状態にしようとする場合、ゲートを0Vに駆動します。これは、DC FET上の+5Vゲート-ソース電圧をそのまま維持するため、DC FETはオン状態になります。

この問題へのソリューションは、コモンドレインnFETを使用し、チャージャの逆接続の発生時にDC FETのゲートをソースに短絡することです。これらのFETは、PK+とPK-の電位差が-5Vとなるとオン状態になるように設定されます。これは本質的にDC FETのゲートをソースに短絡(図1)するため、DC FETをオフ状態にします。

Figure 1. Common-drain nFETs short the DC FET's gate.

図1. コモンドレインnFETによるDC FETのゲートの短絡

通常動作状態時にDS2784が正しく機能することができるには、コモンドレインnFETが使用される必要があります。DC端子は、弱いドライバを備え、1µAのワーストケース電流を持っています。DCゲートパスへの接続はすべて、最小リークを持つ必要があります。そうでないと、チャージポンプが破壊されて、保護FETがオフ状態になる原因となります。同様に、PK+パスのリークによって、ICは、チャージャに接続されない限り、過電流状態からリカバリしない原因となります。ICは、過電流状態の除去を検出するために、ハイに強制されたPK+を探します。これは、10µAのワーストケース電流を持つPLS上のわずかな電流ソースによって達成されます。