DC結合されたビデオアンプ/フィルタへのビデオ信号をレベルシフトする方法

要約

このアプリケーションノートでは、-0.3V~0.7Vのビデオ信号を0~1Vにレベルシフトする手法について解説します。

マキシムでは、アナログビデオ信号のフィルタリングと増幅のためのチップを提供しています。これらのチップの多くは、ビデオディジタル/アナログコンバータ(DAC)の出力に接続するように設計されています。

これらのビデオアンプ/フィルタのビデオ性能の特性を調べるため、カラーバーなどの標準ビデオテスト信号が印加されます。ほとんどのビデオテストパターンジェネレータが出力するビデオテスト信号は-0.3V~0.7Vの範囲ですが、マキシム製チップの多くは0~1Vのビデオ信号に対応しています。図1に示す簡単な回路によって、ビデオテストジェネレータの出力をレベルシフトし、生成される信号を0~1Vの範囲にすることができます。

この回路は、利得-1の初段アンプと、それに続く利得-2の第2段アンプで構成されています。したがって、全体での利得は+2になります。第2段アンプの非反転入力に接続されたポテンショメータのワイパ位置を移動することによって、出力DCレベルを調節することができます。

図1のレベルシフト回路の入力終端抵抗は、約75Ωのままです。これは、グランドへの100Ωの抵抗と、反転アンプの300Ωの入力抵抗との並列合成抵抗が75Ωであるためです。

図1. レベルシフタの実装

図1. レベルシフタの実装

図2に、標準NTSCコンポジットテストビデオ信号(Tektronix 1910ディジタルジェネレータで生成したカラーバー信号)と、それにDCオフセットを加えたものを示します。

図2. コンポジットカラーバーテストビデオ信号

図2. コンポジットカラーバーテストビデオ信号

図3に、輝度(Y)とクロマ(C)両方のコンポーネントSビデオ信号(Quantum Data 802 BTビデオテストジェネレータで生成したカラーバー)と、それにオフセット電圧を加えてレベルシフトしたテスト信号を示します。

図3. Sビデオカラーバーテストビデオ信号

図3. Sビデオカラーバーテストビデオ信号

図4に、1080iフォーマットのテスト信号(Quantum Data 802 BTビデオテストジェネレータで生成したもの)と、それにオフセット電圧を加えてレベルシフトしたテスト信号を示します。

図4. 1080iフォーマットのテストビデオ信号

図4. 1080iフォーマットのテストビデオ信号