分周器を分周する方法と使いこなす方法:実用的な抵抗分圧器を簡単に実現
要約
このアーティクルでは、標準的な1%抵抗を用いて抵抗分圧器を設計するための単純なスプレッドシートを紹介します。このスプレッドシートの使用方法について説明し、スプレッドシートファイルをダウンロードするためのリンクを紹介します。
抵抗分圧器は、電子工学の入門コースで必ず教えられる基本的な回路です。しかし、標準部品から値を選択することは、それほど簡単なことではありません。抵抗キットを前に計算機をたたいて値を入力したことのある方なら、このアプリケーションノートを役立てていただけることと思います。
問題は、標準の抵抗キットにすべての値が含まれているわけではないということです。このアプリケーションノートでは、1%抵抗のテーブルを記載した小さなスプレッドシートを実際に示し、利用可能な2つの抵抗を使用して、必要な比率が簡単に得られるようにしています。
標準的な1%抵抗の値は、10進数の96分の1ごとに、対数的に等間隔になっています。図1は、四捨五入して3桁の有効数字にした、1%抵抗の値のスプレッドシートのテーブルを示しています。セルB5の式は10^((B$4+$A5)/96)で、この式がB5からG20までコピーされています。黄色で強調表示された値は、抵抗キットで一般的に利用可能なものです。これらの強調表示された黄色の値によって、4分の1の値よりも若干大きな値が標準キットに含まれていることが目で見てわかります。
図2は、抵抗分圧器のための標準的なアプリケーションを示しています。これは、4MHzのステップダウンコンバータMAX8560など、電圧レギュレータのための外部フィードバックです。分圧器の比率R2/(R1+R2)は、レギュレータの出力電圧を設定します。MAX8560は、FB端において0.6Vのフィードバックスレッショルドが設定されています。この例では、1.5Vの出力が望まれます。
R1とR2の値を計算するには、レギュレータの所望の出力電圧(分周器の上部の電圧)をセルB3に、レギュレータのフィードバックスレッショルド(分周器の中間点の電圧)をセルC3に入力します。次に、セルD3のスプレッドシートの式は96*LOG(B3/C3-1)であり、この例では、+16.9ステップの値が返されます。この結果は、R2とR1を分離する1%抵抗値のステップ数です。したがって、R2 = 100kΩ(セルB5)を使用すると、リストの下方向に+17ステップだけ移動してR1 = 150kΩ (セルC6)に達することになります。両方の抵抗が黄色に強調表示されているため(つまり一般的に利用可能)、これは良好な選択といえます。
スプレッドシートのテーブルをざっと見るだけで、R2 = 110kΩがこの例では良い選択とはいえないことがわかります。R1=165kΩは一般的に利用可能でないためです。ここで、一般的に利用可能な適切な抵抗値を網羅したリストを直ちに特定することができます。つまり、1.00:1.50、1.21:1.82、1.62:2.43、1.82:2.74、2.00:3.01、2.21:3.32、3.32:4.99、および4.99:7.50です。
ステップ数D3が負の数であれば、R1はR2より小さくなり、値のリストで逆方向に移動することになります。どちらの方向でも、リストの9.76から1.00に折り返す可能性があり、これは、抵抗の次の10進数に移動することになります。
図1のスプレッドシートは、Resistor ValuesにてMicrosoft Excel形式でダウンロード可能です。また、Pocket PCの場合には、Pocket Resistor ValuesでもPocket Excel形式で入手可能です。これは、Pocket PC画面に合うようにフォーマットされています。レギュレータフィードバック以外の目的で抵抗分圧器を使用する場合には、セルB2とC2の名前をそれぞれ「Vtop」と「Vmid」に変更することもできます。