AD1819B

AD1819Bは、AC'97マザーボードおよびPCIカードの設計において優れた価格／性能を提供します。また、Phat Stereo™ 3Dスピーカー・エンハンスメント、プロ級品質、92dBのS/N比を提供します。この値は代表的なデスクトップの構成の4倍、また今日のポータブルPCの16倍優れています。

ホームシアター構成
5.1chスピーカー対応のホームシアターの場合、デイジーチェーンTDMモードでは1本のACLinkバスに最大3個のコーデックをサポートします。

DC'97設計の簡素化
1Hz分解能で7～48kHzのサンプル・レートをサポートします。ハードウェア・ボリューム・コントロールを内蔵しています。

次のようなクライアントに最適なメインストリーム・コーデックAD1819B：

• 5.1chスピーカーを設計・開発している、あるいはコントローラのサンプル・レート変換ブロックを簡素化してコスト削減を図りたいDC'97オーディオ・ソリューション・ベンダー
• プロ級品質のオーディオとPhat Stereo™ 3Dスピーカー・エンハンスメントでAC'97準拠のシステムを差別化したいPCシステムOEM企業、VAR（付加価値再販業者）およびインテグレータ
• DC'97コントローラとの相互運用性を備えた、最低価格、最高品質のAC'97コーデックを必要とする、OEMマザーボード／サウンドカード・メーカー

技術
データ・ダイレクト・スクランブリング：D²S（Data Directed Scrambling）は、プロ級品質のオーディオをマスマーケットのコンスーマ向け家電製品やマルチメディアPCに提供する新しいオーバーサンプリング技術です。

AD1819BはD²Sを使って、S/N比90dB以上の品質で.WAV、MIDI、AC-3、およびPCMオーディオ・ストリームを再生します。D²Sを使用すれば、人間の耳に心地よいピュア・スペクトルの「ホワイト」ノイズ・フロアを維持できます。また、PCマザーボード上やPCエンクロージャ内のノイズ源に対するノイズ耐性を高めることもできます。PCサウンド・コーデック内の従来のΣΔコンバータは、グロス・オーバーサンプリングおよび高次ノイズ・シェーパーと組み合わせた1ビットD/Aコンバータ（すなわち、スイッチ）を使用して、80＋dBの忠実度を達成します。1ビット構造は、固有直線性を提供するため、D/Aブロックにおけるコンポーネントのミスマッチによって生じる歪み／ノイズの発生を回避できます。高次の変調器は量子化ノイズのスペクトルをコントロールして、それを人間の聴覚応答を上回る周波数にします。フィルタ処理を終えると、1ビットD/AコンバータからCD品質の16ビット性能が得られます。

1ビット設計には欠点もあります。その1つは、高次ノイズ・シェーパーによって人間の耳に不快な擬似「アイドル・トーン」が発生するという点です。「カラー」ノイズ源によって、低S/N比で全体的にホワイトノイズ・フロアが優勢なデバイスのサウンドよりも、16ビット・サウンド・コーデックのサウンドの質が低下する可能性があります。2つ目は、1ビット設計がシステム・ノイズやマスター・クロックのジッタの影響を受けやすいという点です。時間軸のサンプリング精度によって、D/A変換プロセスの全体的な品質が決まります。

D²Sは、従来の1ビット技法の代わりにマルチビットD/A構造を使用して、ΣΔ設計の従来の欠点を克服しています。D²Sプロセスでは、D/A変換プロセスにおけるコンポーネントのミスマッチによって生じるノイズや歪みのスペクトル特性を実際に整形します。このような不要な信号成分は、量子化ノイズと共に、人間の聴覚応答を上回る周波数にされ、フィルタ処理が施されます。

AD1819Bは、4ビットのD/A構造とD²Sを使ってマザーボードとPCエンクロージャ内のノイズ耐性を強化し、アイドル・トーンをデバイスの量子化ノイズ・フロア以下に抑えます。これによって、DVD映画、ドルビー・デジタル（AC-3）トラック、スタジオ品質のMIDIミュージック・シンセサイザなど、さまざまなソースから聴覚的に心地よいプロ級品質のPCサウンド・トラックを提供できます。