アナログ・デバイセズが自動車キャビン内のオーディオデータ伝送向けに開発したシリアル伝送技術であるA2B（Digital Audio Bus）が、ローランド株式会社が本年７月に発表したBOSSブランドのギターおよびベースギター向けディバイデッド・ピックアップとギター/ベース・シンセサイザー間を接続する新たなデータ伝送技術として採用されました。A2Bがシンセサイザーに採用されたのはこれが最初の事例となります。またA2Bを使った「デジタル・シリアルGK」は、ローランド史上初のデジタル接続を実現したギター・シンセサイザーとなります。
A2Bは、リアルタイムオーディオ、MIDI、SPI、I2C、GPIO、電源をツイストペア・ケーブルで伝送できる広帯域幅の双方向デジタル・オーディオ・バスです。A2Bは、複数のマイクやスピーカー、モジュールをデイジーチェーン接続することで、音質を維持したまま、ケーブルの束を解消することができます。その特長から、車載用途にとどまらず、楽器やAV機器などへの応用が始まっています。
ローランドは1977年に世界初のギター・シンセサイザー「GR-500」を発表して以来、ギター/ベース・シンセサイザーのパイオニアとして数々の先進的な製品を生み出してきました。今回発表されたディバイデッド・ピックアップ「GK-5」および「GK-5B」において、従来の「アナログ・13ピン」ケーブルに代えて、新たにA2Bを用いた「デジタル・シリアルGK」方式が採用されました。この新しい「デジタル・シリアルGK」方式では接続端子のサイズが従来の約半分と大幅に小型化されたことで、より様々なタイプのギターへの取り付けが可能になりました。また、アナログからデジタルになったことでより安定した伝送が実現されています。ギター・シンセサイザー「GM-800」は、デジタル・シリアルGK方式の入力端子1系統に加えて出力端子も1系統備えており、複数の対応機器を A2Bの特長を活かしデイジーチェーン接続することでより演奏の幅が広がります。
今回のローランドでの採用により、A2Bは音響市場でのさらなる採用が期待されています。
ローランド株式会社のプレスリリース：https://www.roland.com/jp/news/1038/
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