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よくある質問(FAQ)

ドライビングMiss ADC
ADC入力の扱いには「手を焼く」と聞かされていますが、苦労するのはどういう点でしょうか?

それほど心配する必要はありません。確かにADC入力には扱いづらい面もありますが、手なずける方法はあります。それには適切なドライバが必要となります。

ADCドライバが必要な理由は主に三点あります。まず、ほとんどの信号源はシングルエンドですが、高速ADCの多くは差動入力段を備えているため、ドライバで入力信号をシングルエンドから差動へ変換する必要があります。二点目として、多くのADCは入出力電荷スパイクが発生しやすいスイッチド・キャパシタ入力段を備えているため、ドライバはADC入力から信号源をバッファリングする必要があります。三点目としては、ADCのフルスケール入力範囲に適合できるよう、小さな信号の増幅やレベル・シフトを行うことがよくあります。この処理もドライバが行います

差動シグナリングでは、システムのノイズや歪みを低減することができます。差動システムは共用グラウンドがないため、信号のグラウンド結合は起こりません。同相ノイズにも強く、同相信号として現れる偶数次の歪成分も除去されます。同位相・逆位相と振幅の信号を持つ平衡シグナリングを行えば、システムのほかの部品に影響を及ぼす放射妨害も低減できます。さらに、差動システムは任意の電源において2倍の信号振幅を達成し、ダイナミック・レンジを倍増するとともに優れたS/N比を実現します。

ADCドライバの役割は、信号源からの信号をADCに転送し、必要に応じてそれを調整して性能を最適化するとともに、歪み、ノイズ、およびセトリング時間誤差の発生を最小限に抑えることにあります。

ご使用のシステムでは、その制約条件の範囲内でアンプの性能とADC性能を適合させることが求められるはずです。ADCドライバを選択する際には、ノイズ、歪み、セトリング時間など多くの点を考慮する必要があります。

たとえば、広帯域DC結合アプリケーションにおけるドライバや内蔵フィルタのピークtoピーク出力ノイズについては、ADCの有効ビット数のLSBが1以下になるようにしてください。

通信システムのような周波数領域ベースのアプリケーションの場合、高調波歪みは非常に重要です。最良の結果を得るために、ADCの有効ビット数のLSBを1以下もしくは同等に抑える必要があります。

ビデオ・システム、その他の時間領域ベースのシステムや多重化システムでは、セトリング時間が重要です。セトリング誤差もLSBで表すことができます。一般にドライバは指定時間内で1LSB以下にセトリングする必要があります。高分解能システムでは、セトリング時間を測定するのが難しい場合もあります。

個々のアプリケーションによって仕様が異なりますので、推奨ドライバについてはADCのデータシートを確認することが最良の方法と言えます。


 

 


 

その他の関連情報

Analog Dialogue:
高速差動ADCドライバの「交通規則」
オンチップ抵抗器付きデュアル・ディファレンス・アンプによる高精度ADCドライバの実装

製品ページ:
ADA4932-1/ADA4932-2:差動A/Dコンバータ・ドライバ、低消費電力
ADA4940-1/ADA4940-2:ADC ドライバ用アンプ、超低消費電力、低ひずみ性能
ADA4950-1/ADA4950-2:差動ADCドライバ、低消費電力、ゲイン設定可能

アプリケーション・ノート:
AN-1026: 高速差動ADCドライバの設計についての考察

技術記事:
Using Op Amps with Data Converters (pdf)
Interfacing to Data Converters (pdf)
MT-075: Differential Drivers for High Speed ADCs Overview
MT-074: Differential Drivers for Precision ADCs (pdf)