StudentZone の開設

アナログ・デバイセズでインターンとして働いた技術系学生の体験談

私はアナログ・デバイセズでインターンとしてミックスドシグナル回路の設計に携わりました。この時の経験はとても啓発的なものでした。豊富な知識を持った人々に囲まれて過ごしたので、日常会話であれミーティングであれ、誰かと言葉を交わす機会の全てが学びの場となったのです。最も素晴らしかった点は、学校で学んだ理論を毎日実践に移せたことでした。アナログ・デバイセズでは、洗練された回路設計ツールやシミュレータを使用する機会に恵まれました。おそらくこの点が大学や大学院との最大の違いだと思います。私は回路設計が大好きなので、そうしたツールを使用することによって非常に奥深くまで回路を解析できることを知り、本当に感動しています。このような経験により、先端プロセス・ノードを対象とした回路設計に関する知識を吸収し、自分の実力を強化することができたと考えています。

また、アナログ・デバイセズは数多くの有用なリソースを提供しています。インターンを始めたばかりの頃には、「ライブラリ」が大いに役立ちました。特に「アナログ・ダイアログ」は、ミックスドシグナル設計の多様なトピックに関する設計者の見解を知りたいと思う人にとっては情報の宝庫です。そして、このアナログ・ダイアログに新たに追加された「StudentZone」は、私のように最新の知識を吸収したいと考えている駆け出しの回路設計技術者にとっては、非常に有用なリソースとなります。私は電子工学の修士号取得を目指す学生ですが、この分野で仕事を始める時にスムーズに移行できるように、業界の進歩に沿った知識を身につけたいと考えています。そうした最新の情報を吸収するうえで、StudentZone は大いに役立つはずです。

Shanthosh Selvarajan、アナログ・デバイセズ
2016年夏季 技術系インターン

StudentZone の開設

アナログ・ダイアログの新たなコンテンツであるStudentZone の第 1 回目にようこそ。StudentZone は、電子工学を専攻する現役の学生や最近卒業したばかりの卒業生の中でも、特にアナログ回路に関心を持つ方を対象にしたコラムです。

アナログ・ダイアログが初めて発行されたのは約50年前のことです。当時、電子工学を専攻する学生は、専門科目を受講する前に、DC/AC回路の解析に関する基本的な講座を少なくとも4科目ほど受講する必要がありました。そのうえで、電子回路、電源システム、電気機械、通信、そしてもしかすると論理回路(PC、マイクロプロセッサ、DSP が存在しなかった時代の話です)といった専門科目を学んでいたのです。その頃は、FORTRAN によるプログラミングの講座がおそらく 1 つか 2 つあり、パンチ・カードを使用してプログラムをメインフレームに入力するといったことが行われていたはずです。コンピュータ科学の講座はまだ存在しませんでした。回路の解析は、紙と鉛筆と計算尺を使って手作業で行われていました。実用的な電卓が登場したのは 1970年代初頭のことです。

現在、電子工学の最新のカリキュラムには、マイクロプロセッサ、DSP、IC全般、ロボット工学、ワイヤレス通信など、非常に多くのトピックが含まれています。一方、DC/AC 回路の解析について学習する機会はせいぜい 1 つか 2 つの基礎的な講座に限られています。このような状況にあることから、大学を卒業した時には、マイクロプロセッサやDSPには精通しているものの、A/Dコンバータ(ADC)、D/Aコンバータ(DAC)、オペアンプ、シグナル・コンディショニング回路などを使用する線形回路に対しては尻込みしてしまうという人もいるようです。 

このような状況で皆さんのお役に立つのがアナログ・デバイセズです。シグナル・コンディショニング用の線形回路やミックスドシグナル回路に関する豊富な経験と analog.com/jp にある数千ものコンポーネントによって、皆さんのお力になれるような取り組みを行っています。

以下に挙げるのは、そうした支援の例です。

  1. 技術書籍、チュートリアル、技術記事、アプリケーション・ノート、ウェブキャスト、オンライン・リソースを無償で提供します。これらにより、研究、調査プロジェクト、設計を支援します。
  2. アナログ・デバイセズのコミュニティ・サイトであるEngineerZone®に無償でアクセスできます。これは、アナログ・デバイセズ製品のユーザー同士が技術的な疑問に素早く回答して助け合えるようにすることを目指したサイトです。会員からの質問に答えられるように、アナログ・デバイセズの技術サポート・エンジニアも参加しています。
  3. 教室内外でのハンズオン学習に使用できるように、アクティブ・ラーニング・モジュール「ADALM1000」やアナログ・パーツ・キット「ADALP2000」を手頃な価格で提供しています。
  4. ブレークアウト・ボード、評価用ボード、FPGA対応の開発用プラットフォームを使用して、回路の試作、プロジェクトの推進、コードの開発を簡単に行えるようにします。
  5. 電子工学の基礎講座(実験を含む)をオンラインで提供します。
  6. アナログ回路に関連するプロジェクトのアイデアを提供します。
  7. 自分の設計に適した製品を見つけるためにセレクション・ガイドとパラメータ検索を活用する方法をお伝えします。

「あなた専用」に整理された情報

今後数ヵ月をかけて、上記のような支援についてさらに詳しく解説していく予定です。必要な情報を見逃すことのないように、まずは「myAnalog」のアカウントを設定してEngineerZone に登録してください。登録は簡単です。 

myAnalog のアカウントを設定すれば、アナログ・デバイセズから定期的に受信する情報の種類を選択できます。技術情報誌であるアナログ・ダイアログをはじめ、エレクトロニクス関連のさまざまなニュースレターに登録することが可能です。それらについては、学生や就業中の技術者の方々から、非常に有益なリソースだという感想をいただいています。

analog.com/jp のほとんどのページでは、右上隅にmyAnalog のアイコンが配置されています。それをクリックすることで、myAnalog に登録することができます。

図1. myAnalog の登録ページ

図1. myAnalog の登録ページ

EngineerZone への登録は簡単です。まずmyAnalog に登録するために、「join EngineerZone(myAnalogへ登録)」をクリックします。続いて、EngineerZone で使用するユーザー名を入力し、自分のプロフィールを表示します。登録が完了したら、ディスカッションに参加したり、質問をしたりといった形で、アナログ・デバイセズ内外の技術者と交流することができます。

図2 . EngineerZoneのログイン・ページ

図2 . EngineerZoneのログイン・ページ

わずかな情報入力で、より多くの情報を取得可能

入力していただくのは、名前、メール・アドレス、所属する企業/ 大学の名前、住所のみです。これらの情報は、プライバシーを最大限に尊重して取り扱うことをお約束します。また、希望のものとは異なる情報が送付されることはありません。

コミュニティに参加する

学生向けのコラムで取り上げてほしいトピックや何か疑問に感じていることはありませんか。あるいは、共有したい意見やアイデアはありませんか。EngineerZone に新たに開設した StudentZone は、そうしたご意見、ご要望をうかがうためのフォーラムです。お寄せいただいた内容は、できる限り取り上げていくつもりです。

最新情報の把握

myAnalog と EngineerZone に加え、お好みのSNSでアナログ・デバイセズをフォローすることにより、いつでも最新の情報を得ることができます。 

過去からの挑戦状

問題が出題されていなければ、真の技術情報誌とは言えません。ここで紹介するのは、1961年に電子工学の講座で実際に出題された問題です。講座名は「EE-201:Electrical Engineering Circuits」で、ノースカロライナ州立大学のWayland P. Seagraves教授が担当していました。この問題は、制限時間が50分の試験で出題された計5問のうちの1つです。その試験は、講義でループ方程式を学んだ直後に行われました。皆さんは果たして解答できるでしょうか。なお、電卓は使わないでください。何しろ1961年の問題だったのですから。

図3. 問題:この回路は理想的な要素だけで構成されていると仮定します。R1の両端の電圧を求めなさい。

図3. 問題:この回路は理想的な要素だけで構成されていると仮定します。R1の両端の電圧を求めなさい。

正解は EngineerZone の StudentZone で確認できます。ぜひ EngineerZone に登録してください。正解を確認するついでにサイト全体をご覧になり、電子工学のプロを目指すあなたのご要望をお聞かせください。

それではまた次回お目にかかりましょう。
Walt Kester

Walt Kester

Walt Kester

Walt Kester は、アナログ・デバイセズのコーポレート・スタッフ・アプリケーション・エンジニアです。長年にわたるアナログ・デバイセズでの業務の中で、高速ADC、DAC、SHA、オペアンプ、アナログ・マルチプレクサの設計/開発/アプリケーション・サポートに従事してきました。多数の論文や記事の執筆に加え、アナログ・デバイセズの国際的な技術セミナー・シリーズ向けに11冊のアプリケーション・ブックの編集/制作も手掛けました。それらの中では、オペアンプ、データ変換、電源管理、センサー向けのシグナル・コンディショニング、ミックスドシグナル回路、実用的なアナログ設計手法などを取り上げています。最新の著書である「Data Conversion Handbook(データ変換ハンドブック)」(発行:Newnes社)では、データ変換について約1000ページにわたり包括的に解説しています。ノースカロライナ州立大学で電気工学学士号、デューク大学で電気工学修士号を取得しています。