プレス・リリース

グローバルな半導体企業であるアナログ・デバイセズ（以下、ADI）は本日、世界をリードするグリーンテクノロジー企業であるEnvision Groupの子会社、Envision Energyが同社の新世代のスマート風力タービンにADIのマイクロマシン・システム（MEMS）センサー技術を採用したと発表しました。この協業の最初の目標は、風車の振動や傾きなどのリアルタイム監視を強化し、風車をより安全に運転・設計するための情報を提供することで、新たなレベルの風車の安全性を実現することなどです。最先端のMEMSセンサーが提供する新機能を活用することで、リアルタイム監視のためのインテリジェンスがシステム先端部分に加わり、グリーンエネルギー革命のさらなる進展につながります。

最も成熟した再生可能エネルギーの1つである風力発電は近年、中国で急成長を遂げています。中国の国家能源局（National Energy Administration）によると、2022年末時点の同国の風力発電の累積設置容量は約3億7,000万キロワットと世界最大となっています。風力発電の規模拡大に伴い、風力タービンのコンポーネントは急速な進化を遂げています。タワーバレル（風車の柱）の高さ、ブレードの長さ、エンジンルームの重さは、風力発電システムの安全かつ信頼性の高い運用に大きな課題をもたらします。

その課題の中でもタワーバレルは、風力発電タービンの安全性と信頼性を確保するための監視が必要な風車の主要コンポーネントの1つです。タワーバレルは地面から風車部分の発電機やブレードにまで伸びています。安全性を確保し、タワーの倒壊やその他の深刻な事故を防止するため、Envision EnergyはADIと協力して、スマート風力タービンの中核制御に予知保全技術を導入しています。これにより、ADIの高精度な慣性計測ユニット（IMU）と低ノイズ・低ドリフトの加速度計をタワーバレルのさまざまな箇所に配置し、タワーバレルのリアルタイムでの監視が実現できました。タワーバレルの状態を監視により得られた情報は、危険防止対策の通知に使用されます。

Envision Energyのインテリジェント制御部門ディレクターであるハイペン・チェン（Haipeng Chen）氏は次のように述べています。
｢将来的には、風力発電と蓄電が世界の大きなエネルギー源になるでしょう。その目標に向かって前進していきますが、価値を作りこむプロセスでは、安全性が第一の要素であることに変わりはありません。ADIとの協業により、ADIの予知保全用の高精度・高信頼性MEMSセンサーを当社の風力タービンに装備できることを嬉しく思います。私たちは今後もタワーバレルの安全性を高め、ブレード径とタワーバレルの高さの新たなスタンダードを確立し、業界をリードし続けます。｣

ADIのMEMSテクノロジー・グループ・アジア・ディレクターのニール・ザオ（Neil Zhao）氏は、次のように述べています。
｢ADIには、MEMSセンサーの分野で数十年の実績があります。今回のEnvision Energyとの協業により、スマート分散型風力タービン・システムをさらに推進できることを期待しています。｣

Envisionについて

Envision Groupは、世界をリードするグリーンテクノロジー企業です。｢持続可能な未来のために課題を解決する｣ことをミッションとし、Envision Energyを通じてスマート風力タービン、蓄電システム、グリーン水素ソリューション、Envision AESCを通じてAIoT搭載バッテリー、Envision Digitalを通じて世界最大のAIoTオペレーティング・システムの、設計・販売・運営を行っています。また、Envision-Sequoia Capital Net Zero Fundを運用し、Envision Racing Formula Eチームを所有しています。Envisionは2019年、テクノロジー誌｢MITテクノロジーレビュー｣が選ぶ｢2019年世界で最もスマートな企業50｣のトップ10にランクされたほか、2021年にフォーチュン誌の｢世界を変える企業｣リストで世界第2位に、2022年には｢2022年フォーブス中国の最優秀雇用主｣のトップ10にランクインしました。Envisionは、イノベーション・パワーハウスとして、中国、米国、ドイツ、デンマーク、シンガポール、日本などに置いたR&Dおよびエンジニアリングセンターのグローバルネットワークを活用し、世界のグリーンテクノロジーの開発をリードしています。詳細については、こちらをご覧ください：www.envision-group.com