システム性胜を改善し、蚭蚈を簡玠化する最新のDACずDACバッファ

倚くの制埡システムの䞭栞にある D/A コンバヌタDACは、システムの性胜ず粟床を決定するうえで重芁な圹割を果たしたす。この蚘事では、高粟床の新しい 16 ビット DAC に着目し、トランスの性胜に匹敵する高速盞補電流出力 DAC の出力をバッファリングするためのアむデアをいく぀かご玹介したす。

オンチップのリファレンスの粟床が向䞊

過酷な環境で皌働する電子システムは、粟床ず安定性を維持し぀぀、極端に高い枩床や極端に䜎い枩床に耐えなければならないこずがありたす。そうしたシステムの䞭には、分解胜が最高 16 ビットの DAC を耇数個䜿甚しなければならないものもありたす。DAC では、出力電圧の粟床は、最終的にはリファレンス電圧の粟床によっお決たりたす。そのため、埓来は、枩床が倉化しおも高い性胜を維持しなければならない堎合には、DAC が内蔵するリファレンスではなく、高粟床のリファレンス IC を別途甚意しおいたした。しかし、高粟床のクワッド DAC ファミリヌが新たに登堎したこずから、その状況に倉化が蚪れるかもしれたせん。それらの IC は、枩床ドリフトが小さく、システム甚のリファレンスずしおも十分に利甚可胜な電圧リファレンス回路を内蔵しおいるからです。

電圧リファレンスでは、負荷の倉動、電源電圧のばら぀き、枩床の倉化に䟝存するこずなく、出力電圧を䞀定に保぀必芁がありたす。残念ながら、スタンドアロン型で性胜の高い電圧リファレンスは、サむズが倧きく、高䟡で、倚くの電力を消費したす。䞀方、オンチップのリファレンスは、倚くの堎合、性胜が䞍十分です。

埓来、システム蚭蚈者は、高粟床の DAC ず倖郚リファレンスを組み合わせるか、性胜の䜎いオンチップのリファレンスで我慢するかずいう遞択を匷いられおいたした。そしお、倚くの堎合、高粟床の DAC ず倖郚リファレンスの組み合わせを遞択せざるを埗たせんでした。オンチップのリファレンスは、枩床に察する性胜の倉動が倧きく、最倧 TC枩床係数の仕様を満たさないこずが倚いからです。そのため、蚭蚈者はシステムのリファレンスずしおオンチップのリファレンスを䜿甚するこずはなかったのです。

しかし、「AD5686R」であれば、このような状況を䞀倉させられる可胜性がありたす。同 IC は、nanoDAC+TM シリヌズのクワッド補品です。分解胜は 16 ビットで、電圧出力に察応したす。2.5 V 出力のリファレンス回路を内蔵しおおり、その枩床ドリフトは最倧で 5 ppm/℃代衚倀は 2 ppm/℃です。この性胜は、スタンドアロン型のリファレンスず同等のレベルです。そのため、システムのリファレンスを、このオンチップのリファレンスに眮き換えるこずができたす。そうすれば、実装面積、コスト、消費電力が䜎枛されたす。5 ppm/℃ ずいうドリフトの最倧倀を䜿えば、誀差を正確に算出するこずができたす。AD5686R のオンチップ・リファレンスは、図 1 や図 2 のような性胜を瀺したす。図 1 は、5 ぀のサンプル・ロットから抜出した数癟個の補品の枩床係数を散垃図ずしお瀺したものです。図 2 は、9 個のデバむスを察象ずし、-40℃  105℃における出力電圧を枬定した結果です。

Figure 1
図 1. AD5686R の枩床係数。
5 ぀のサンプル・ロットを察象ずしお枬定した結果です
Figure 2
図 2. AD5686R のリファレンス電圧。
9 個のサンプルを䜿甚しお枩床䟝存性を枬定した結果です

方法: 通垞、電圧リファレンスの枩床係数TCは、ボックス法によっお求めたす。これは、定められた枩床範囲における最倧の電圧倉化を評䟡するずいうものです。TC の単䜍は ppm/℃ であり、次匏で求められたす。

Equation A

各倉数の意味は以䞋のずおりです。

VREFmax : この枩床範囲内で蚈枬されたリファレンス出力の最倧倀
VREFmin : この枩床範囲内で蚈枬されたリファレンス出力の最小倀
VREFnom : リファレンス出力電圧の公称倀
TempRange : 仕様で芏定された枩床範囲単䜍は℃

枩床係数は、補造時に補品を熱したり、出力電圧をトリミングしたりするこずによっお䜎枛されたす。それにより、枩床に察する歪みが抑えられるこずを保蚌したす。正確なマッチングを実珟するこずにより、抵抗倀の差がリファレンスの性胜に圱響しないこずを保蚌するずいうこずです。結果ずしお、±2 LSBずいう高い積分非盎線性INLが実珟されおいたす。

AD5686R/AD5685R/AD5684R の抂芁

nanoDAC+ ファミリヌには、AD5686R 以倖にも、「AD5685R」や「AD5684R」がありたす。いずれも、消費電力が少なく、バッファ付きの電圧出力に察応するクワッド補品です。分解胜は、AD5685R が 14 ビット、AD5684R が 12 ビットです。nanoDAC+ ファミリヌの補品は、粟床が高く小型で䜿いやすい DAC に察するニヌズの高たりを受けお開発されたした。これらの補品は、デフォルトでむネヌブルになる 2.5 V出力のリファレンスを内蔵しおおり、その枩床ドリフトはわずか 2 ppm/℃ です。各 DAC のフルスケヌル出力は、ゲむン蚭定甚のピンを䜿っお 2.5 Vゲむンは 1たたは 5 Vゲむンは 2に蚭定できたす。2.7V  5.5 Vの単電源で動䜜し、最倧ゲむン誀差は 0.1 %、最倧オフセット誀差は 2 mV で、単調性も保蚌されおいたす。パッケヌゞは 3 mm × 3 mm の LFCSP たたは TSSOPです。4 kV の ESD 耐性は、各補品の堅牢性を象城する特性です。DAC に察する入力は、1.8 V の SPISerial Peripheral Interface互換むンタヌフェヌスを介しおプログラムされたす。たた、各補品はパワヌオン・リセット回路を内蔵しおいたす。これにより、DAC がパワヌアップする際、有効な曞き蟌みが行われるたで、出力電圧は 0 V に維持されたす。リセット・ピンを䜿えば、非同期でリセットをかけるこずも可胜です。オンチップのリファレンス回路が生成する電圧は、リファレンス出力ピンから出力されたす。その出力を、システムの倖郚リファレンスずしお䜿うこずができたす。さらに、デむゞヌチェヌン機胜を䜿えば、システムのチャンネル数を増やすこずが可胜です。なお、nanoDAC+ ファミリヌには、倖郚リファレンスを䜿甚するタむプの補品ずしお「AD5686」、「AD5685」、「AD5684」も甚意されおいたす。これらをリファレンス内蔵品ず䜵甚すれば、1 ぀のリファレンスを党くのチャンネルで共有できたす。぀たり、図 3 のようにマルチチャンネル・システムを構成できるずいうこずです。そうすれば、コストを最小限に抑えられたす。

Figure 3
図 3 . AD5686RずAD5686で構成したシステムの䞀郚。
各DACはBlackfin DSP によっお制埡したす

䜎ノむズ、高速セトリング、盎線性改善を実珟する
電圧スむッチング型 16 ビット DAC

抵抗ラダヌ乗算型 D/A コンバヌタは、およそ 40 幎前に発売されお䞀䞖を颚靡した 10 ビット CMOS「AD7520」をベヌスにしたものです。圓初は、反転オペアンプずずもに䜿甚し、アンプの加算点IOUTAを郜合の良い仮想グラりンドにするこずができたした図 4。

Figure 4
図 4 . CMOS 乗算型 D/A コンバヌタのアヌキテクチャ

しかし、オペアンプを電圧バッファずしお䜿甚するこずで、いく぀か制限はありたすが、非反転電圧出力を提䟛する電圧スむッチング型構成ずするこずもできたす図5。この堎合、リファレンス電圧VINが IOUT に印加され、出力電圧VOUTは VREF から取り出せたす。この目的のために最適化された 12 ビットデバむスがほどなく発売されたした。 

Figure 5
図 5 . 乗算型 D/A コンバヌタ
電圧スむッチング・モヌド

珟圚たでの経緯: 単電源システムが䞀般的になるに぀れお、蚭蚈者は、消費電力を抑制しながら、もっず高い電圧で実珟する性胜レベルを維持するずいう課題に盎面しおいたす。このモヌドで䜿甚できる 16 ビットたでの高分解胜を持぀デバむスのニヌズが高たっおいたす。

乗算型 D/A コンバヌタを電圧スむッチング・モヌドで䜿甚する堎合の明らかな利点は、信号反転がないため、正のリファレンス電圧で正の出力電圧が埗られるこずにありたす。しかし、このモヌドで R - 2 R ラダヌ・アヌキテクチャを䜿甚する堎合、匱点もありたす。R-2R ラダヌず盎列に䜿甚するN チャンネル・スむッチの非盎線性抵抗によっお、同じDAC をカレント・ステアリング型モヌドで䜿甚する堎合に比べお、積分非盎線性INLが悪くなりたす。

電圧スむッチングの長所を生かしながら乗算型 D/A コンバヌタの制限を克服するために、「AD5541A」図 6などの新しい高分解胜 DAC が開発されたした。郚分的にセグメント化された R-2R ラダヌ・ネットワヌクず盞補型スむッチにより、AD5541A は、11.8 nV/√Hz のノむズ、1 ÎŒs のセトリング時間に加えお、-40℃  125℃の仕様芏定された枩床範囲の党域で調敎なしに 16 ビットで ±1LSB の粟床を実珟したす。

Figure 6
図 6 . AD5541A のアヌキテクチャ

性胜の特長

セトリング時間: 図 7 ず図 8 は、電圧モヌドでの乗算型 D/A コンバヌタず AD5541A ずのセトリング時間を比范しおいたす。出力の容量性負荷を最小限に抑えた堎合、AD5541A のセトリング時間はおよそ 1 ÎŒs です。

Figure 7
図 7 .  乗算型 D/A コンバヌタのセトリング時間
Figure 8
図 8 . AD5541A のセトリング時間

ノむズ・スペクトル密床: 衚 1 は、AD5541A ず乗算型D/A コンバヌタのノむズ・スペクトル密床を比范しおいたす。AD5541A は、10kHz で若干良奜な性胜を瀺し、1kHzではるかに優れた性胜を瀺したす。

衚 1. AD5541A ず乗算型 D/A コンバヌタのノむズ・スペクトル密床
DAC
NSD @ 10 kHz (nV/√Hz)
NSD @ 1 kHz (nV/√Hz)
AD5541A
12 12
MDAC
30 140

積分非盎線性INL: 積分非盎線性は、ゲむン誀差ずオフセット誀差を陀去した埌の DAC の実際の出力の理想的な出力に察する最倧偏差を衚したす。R-2R ネットワヌクず盎列に䜿甚するスむッチは、INL に圱響を䞎えるこずがありたす。乗算型 D/A コンバヌタは、䞀般に NMOS スむッチを䜿甚したす。電圧スむッチング・モヌドで䜿甚する堎合、NMOS スむッチの゜ヌスをリファレンス電圧に接続し、ドレむンをラダヌに接続し、内郚ロゞックでゲヌトを駆動したす図 9。

Figure 9
図 9. 乗算型 D/A コンバヌタのスむッチ

NMOS デバむスに電流が流れるには、VGS が閟倀電圧VTを䞊回る必芁がありたす。電圧スむッチング・モヌドでは、VGS  VLOGIC - VIN が VT  0.7V を䞊回る必芁がありたす。

乗算型 D/A コンバヌタの R-2R ラダヌは、電流を各脚に均䞀に分割するように蚭蚈されおいたす。そのためには、各脚の䞊郚から芋お、グラりンドに察する党抵抗を党く同じにする必芁がありたす。このため、各スむッチのサむズをそのオン抵抗に比䟋するように、スむッチのスケヌリングを行いたす。脚の抵抗が倉化した堎合、その脚を流れる電流も倉化しお盎線性誀差が発生したす。VINは、スむッチをシャットオフするほど倧きくするこずはできたせんが、スむッチ抵抗を䜎く抑えるだけの倧きさは必芁です。VIN の倉化は VGS に圱響を䞎えるため、次匏に瀺すように、オン抵抗に非盎線性の倉化が生じたす。

Equation B

オン抵抗がこのように倉化するず、電流のバランスが倱われ、盎線性に悪圱響を䞎えたす。したがっお、乗算型D/A コンバヌタの電源電圧を倧幅に枛らすこずはできたせん。逆に、リファレンス電圧が 1 V 以䞊 AGND を䞊回らないようにすれば盎線性を維持できたす。5 V 電源の堎合、図 10 ず図 11 に瀺すように、1.25 V リファレンスから 2.5 V リファレンスに移動するず盎線性の劣化が始たりたす。図 12 に瀺すように、電源電圧が 3 V たで䜎䞋するず、盎線性は完党に倱われたす。

Figure 10
図 10 . IOUT 乗算型 D/A コンバヌタの INL
反転モヌド、VDD  5 V、VREF  1.25V
Figure 11
図 11 .  IOUT 乗算型 D/A コンバヌタの INL
反転モヌド、VDD  5 V 、VREF  2.5V 
Figure 12
図 12 . 乗算型 D/A コンバヌタの INL
反転モヌド、VDD  3V、VREF  2.5V 

この圱響を最小限に抑えるために、図 13 に瀺すように、AD5541A は盞補型 NMOS/PMOS スむッチを䜿甚したす。これにより、スむッチの合蚈オン抵抗は、NMOS スむッチず PMOS スむッチの抵抗が䞊列に寄䞎したす。前述のように、NMOS スむッチのゲヌト電圧は内郚ロゞックによっお制埡されおいたす。内郚生成された電圧 VGNは、NMOS ず PMOS のオン抵抗がバランスするように最適なゲヌト電圧を蚭定したす。スむッチはコヌドに応じたサむズになるため、オン抵抗もコヌドに応じお倉化したす。このように、電流をスケヌリングしお粟床を維持したす。リファレンス入力から芋たむンピヌダンスはコヌドずずもに倉化するため、リファレンス入力は䜎むンピヌダンス源から駆動する必芁がありたす。

Figure 13
図 13 . 盞補型 NMOS/PMOS スむッチ

図 14 ず図 15 は、5 V リファレンスず 2.5 V リファレンスによる AD5541A の INL 性胜を瀺したす。

Figure 14
図 14. AD5541A の INL
VDD  5.5 V、VREF  5 V
Figure 15
図 15 . AD5541A の INL
VDD  5.5V、VREF  2.5V 

図 16 ず図 17 から、広範囲のリファレンス電圧ず電源電圧においお盎線性がほずんど倉化しないこずがわかりたす。DNL の特性も INL の特性ず䌌おいたす。AD5541Aの盎線性は、枩床ず電源電圧に察しお芏定されおいたす。察応できるリファレンス電圧の範囲は、2.5 V から電源電圧たでになりたす。

Figure 16
図 16. AD5541A の INL ず電源電圧の関係
Figure 17
図 17. AD5541A の INL ずリファレンス電圧の関係

AD5541Aの詳现

シリアル入力、単電源、電圧出力の nanoDAC+ D/A コンバヌタ「AD5541A 」は、±0.5 LSBtypの積分および埮分非盎線性で 16 ビットの分解胜を提䟛したす。このデバむスは、電圧スむッチング・モヌドで乗算型 D/Aコンバヌタを䜿甚するアプリケヌションに最適です。広範囲の枩床ず電源電圧で高い性胜を発揮し、優れた盎線性を実珟し、高粟床の DC 性胜ず高速セトリングが芁求される 3 V  5 V のシステムに䜿甚できたす。2 V から電源電圧たでの倖郚リファレンス電圧を䜿甚すれば、バッファなしの電圧出力で 60 kΩ 負荷を 0 V から VREF たで駆動できたす。このデバむスは、1/2 LSBたで 1 ÎŒs のセトリング時間、11.8 nV/√Hz のノむズ、䜎グリッチを特長ずし、医甚、航空宇宙甚、通信甚、工業甚の倚皮倚様なアプリケヌションに最適です。䜎消費電力で SPI 互換の 3 線匏シリアル・むンタヌフェヌスは、最倧 50 MHzでクロック駆動するこずができたす。2.7 V  5.5 V の単電源で動䜜する AD5541A の消費電流は、わずか 125ÎŒA です。8 ピンず 10 ピンの LFCSP および 10 ピンのMSOP パッケヌゞを採甚し、-40℃  125℃で仕様芏定され、1000 個受泚時の単䟡は 6.25 ドルからです米囜における販売䟡栌。

高速電流出力 DAC バッファ

高速電流出力 DAC の盞補出力をシングル゚ンド電圧出力に倉換する堎合、トランスを遞択するこずが䞀番ず考えられおいたすが、これはノむズや消費電力を増加させないためです。トランスは、高呚波信号での動䜜は良いのですが、蚈枬甚および医甚アプリケヌションの倚くで求められる䜎呚波信号を凊理するこずができたせん。これらのアプリケヌションは、盞補電流をシングル゚ンド電圧に倉換するために、䜎消費電力、䜎歪み、䜎ノむズの高速アンプを必芁ずしたす。ここでご玹介する 3 ぀の回路は、DAC からの盞補出力電流を受け入れ、シングル゚ンド出力電圧を提䟛するものです。このうち最埌の2 ぀の回路の歪みを、トランスを䜿甚する゜リュヌションず比范したす。

ディファレンス・アンプ : 最初の回路図 18では、差動シングル゚ンド・アンプ「AD8129」ず「AD8130 」図 19を䜿甚しおいたす。これらのアンプは、高呚波数できわめお高い同盞陀去を特城ずしおいたす。AD8129は 10 以䞊のゲむンで安定しおいるのに察し、AD8130 はナニティ・ゲむンで安定したす。これらのゲむンはナヌザ調敎可胜であり、2 本の抵抗RF ず RGの比によっお蚭定できたす。ゲむン蚭定にかかわらず、AD8129 ずAD8130の 1 番ピンず 8 番ピンには非垞に高い入力むンピヌダンスを持ちたす。リファレンス電圧VREF、4 番ピンを䜿甚すれば、差動入力電圧ず同じゲむンによっお乗算されたバむアス電圧を蚭定するこずができたす。

Figure 1
図 18 . AD8129 / AD8130 ディファレンス・アンプ
Figure 2
図 19 . AD8129 / AD8130 を䜿甚する DAC バッファ

匏 1 ず匏 2 は、アンプの出力電圧ず DAC の盞補出力電流の関係を瀺しおいたす。終端抵抗RTによっお電流電圧倉換を実行し、RF ず RG の比でゲむンが決定したす。匏 2 で VREF は 0 に蚭定しおいたす。

Equation 1
(1)
Equation 2
(2)

図 19 では、この回路に高速、䜎消費電力、14 ビットのクワッド DAC を䜿甚し、盞補電流出力段で速床を高め、䜎消費電力 DAC の歪みを䜎枛したす。

図 20、2 皮類の電源電圧倀においお RF  2 kΩ、RG 221 Ω、RT  100 Ω、VO  8 V p-p の DAC ず AD8129を甚いた堎合のこの回路のスプリアスフリヌ・ダむナミック・レンゞSFDRず呚波数の関係を瀺しおいたす。ここで AD8129 を遞択したのは、出力信号が倧きく、G 10 で安定しおおり、AD8130 に比べお高いゲむン垯域幅積があるためです。SFDR は、いずれの堎合も 10 MHzたでは䞀般に 55 dB よりも䜎く、䜎電源電圧においおは玄 3 dB 以䞊も改善したす。

Figure 3
図 20 . DAC ず AD8129 の歪みVO  8 Vp-p

ナニティ・ゲむンでのオペアンプ : 2 番目の回路図 21は、2 本の RT 抵抗ず高速アンプを䜿甚したす。このアンプは、RT を介しお、盞補電流I1 ず I2をシングル゚ンド出力電圧VOに倉換するだけです。この簡単な回路では、アンプをゲむン・ブロックずしお䜿甚する信号増幅はできたせん。

Figure 4
図 21. オペアンプを䜿甚する簡単な差動シングル゚ンド・コンバヌタ

匏 3 は、VO ず DAC 出力電流の関係を瀺しおいたす。歪みデヌタは、RT ず 5 pF のコンデンサを䞊列に接続しお枬定されたした。

Equation 3
(3)

この回路の性胜を実蚌するため、RT  125 Ωおよび安定性ずロヌパス・フィルタ凊理のために CT  CF  5pF を RT ず䞊列接続で、DAC ずオペアンプADA4857 および ADA4817  をペアにしたした。シングルのADA4857-1 ずデュアルの ADA4857-2 は、䜎歪み、䜎ノむズ、高スルヌレヌトの特性を備えた、ナニティゲむン安定な高速電圧垰還型アンプです。この回路は、超音波、ATE、アクティブ・フィルタ、ADC ドラむバなど、さたざたなアプリケヌションに最適な゜リュヌションであり、850 MHz の垯域幅、2800 V/ÎŒs のスルヌレヌト、0.1% たで 10 ns のセトリング時間を特長ずし、しかも 5 mAの無信号時消費電流で動䜜したす。広い電源電圧範囲5V  10 Vを持぀ ADA4857-1 ず ADA4857-2 は、広いダむナミック・レンゞ、高粟床、高速性、䜎消費電力を必芁ずするシステムに最適です。

シングルの ADA4817-1 ずデュアルの ADA4817-2 FastFET™ アンプは、FET 入力を備えた、ナニティ・ゲむン安定で超高速の電圧垰還型オペアンプです。これらのアンプは、アナログ・デバむセズ独自の超高速盞補型バむポヌラXFCBプロセスで開発されおおり、超䜎ノむズ4 nV/√Hz および 2.5 fA/√Hzずきわめお高い入力むンピヌダンスを実珟したす。1.3 pF の入力容量、2mV の最倧オフセット電圧、䜎消費電力19 mA、広い-3 dB 垯域幅1050 MHzを備えおいるため、デヌタ・アクむゞションのフロント゚ンド、フォトダむオヌド・プリアンプ、その他のワむドバンド・トランスむンピヌダンス・アプリケヌションに最適です。5 V  10 V の電源電圧範囲で単電源たたは䞡電源で動䜜可胜であり、アクティブ・フィルタリング、ADC 駆動、DAC バッファリングなど、さたざたなアプリケヌションで動䜜するように蚭蚈されおいたす。

図 22 は、VO  500 mV p-p での呚波数に察する歪みをトランスを䜿甚する回路ず比范しおいたす。高呚波数ではアンプのゲむンの枛少により、トランスはアンプよりも歪みが小さいのですが、䜎呚波数では歪みがアンプより悪化したす。ここでは、限られたレンゞでほが 90 dBの SFDR を達成でき、10 MHz たで 70 dB 未満です。

Figure 5
図 22 . DAC 、ADA4857、ADA4817 の歪み
VO  500 mV p-p 、RL  1kΩ

ゲむンのあるオペアンプ:  3 番目の回路図 23も同じ高速オペアンプを䜿甚したすが、アンプを DAC から切り離す抵抗ネットワヌクが組み蟌たれおいるため、ゲむン蚭定が可胜であり、2 ぀のリファレンス電圧VREF1 ずVREF2のどちらかを䜿甚しお出力バむアス電圧を調敎できる柔軟性がありたす。

Figure 6
図 23 . ゲむンずバむアス機胜による差動 シングル゚ンド

匏 4 は、VREF1  VREF2  0 での DAC 出力電流ずアンプ出力電圧の関係を衚しおいたす。DAC から芋おアンプ・ネットワヌクの入力むンピヌダンスをマッチングさせるには、アンプの特性を考慮に入れお 2 本の終端抵抗RT1 ずRT2を個別に蚭定する必芁がありたす。

Equation 4
(4)

図 24 は、この構成でのアンプの歪みずトランス回路の歪みを比范したものです。RT1  143 Ω、RT2  200 Ω、RF RG  499 Ω、CF  5 pF安定性ず高呚波フィルタリングのため、RL  1 kΩです。ここで、ADA4817 の性胜は、高呚波数においおトランスの性胜に匹敵し、最倧 70 MHz たで -70 dBc を䞋回る優れた SFDR を維持したす。いずれのオペアンプも、トランスに比べお優れた䜎呚波忠実床を維持したす。

Figure 7
図 24 . DAC、ADA4817、ADA4857 の歪み
VO  500 mV p-p

この蚘事では、䜎歪み、䜎ノむズの高速アンプを DACバッファずしお䜿甚するこずによっお埗られるいく぀かの利点を、トランスを䜿甚した堎合の性胜ず比范しお瀺したした。たた、2 ぀の異なるアンプ・アヌキテクチャを䜿甚しお 3 皮類のアプリケヌション回路を比范し、DACず AD8129、ADA4857-1/ADA4857-2、ADA4817-1/ADA4817-2 の各アンプによる枬定デヌタを瀺したした。このデヌタは、1 MHz 未満の呚波数においおアンプがトランスを䞊回り、最倧 80 MHz たでトランスの性胜にほが䞀臎するこずを瀺しおいたす。消費電力ず歪みのトレヌドオフを考慮する時、アンプは重芁な遞択肢ずなりたす。

著者

Padraic-OReilly

Padraic O’Reilly

Padraic O'Reillyは、アナログ・デバむセズのアプリケヌション・゚ンゞニアです。䜎消費電力、高粟床のADC/DACを䜿甚するシグナル・チェヌンのテスト蚈枬を担圓。異なる技術をベヌスずする耇数皮の補品を組み合わせおシグナル・チェヌンを構成するこずに粟通しおいたす。マむクロ波に察応するRFシステムPLL、レヌダヌ、無線レシヌバヌなどず高粟床のミックスド・シグナル・コンバヌタ・システムDAC、ADC、ASICなどの䞡方に関する専門知識を有しおおり、蚈枬、アプリケヌションに関連する様々な業務に携わっおきたした。リムリック倧孊で電子工孊の孊士号を取埗しおいたす。

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Charly El-Khoury

Charly El-Khouryは、高速アンプ・グルヌプのアプリケヌション・゚ンゞニアです。2006幎に米囜のりヌスタヌ・ポリテクニック・むンスティテュヌトWPIでECEの修士号を取埗し、同倧を卒業しお以来アナログデバむセズに勀務しおいたす。