LTspice IV: .stepコマンドを使用して解析を繰り返し実行するには

LTspice IVで特定のパラメータの値を変えることで回路を検討するには、2つの方法があります。それぞれの値を手作業で入力して、その都度、回路をシミュレーションして応答を確認する方法と、.stepコマンドを使用して、1回のシミュレーションである範囲の値をすべて調べる方法です。 .stepコマンドを使用すると、モデル・パラメータ、グローバル・パラメータ、または独立電源を段階的に変更しながら、解析を繰り返し実行できます。ここでは、容量の値を3段階で変更したときのRC回路の波形応答の例を示します。

これを行うには、LTspice IVで次のように操作します。

  1. 部品パラメータを変数で定義するため、部品の属性を編集し(Ctrlキーを押しながら部品を右クリック)、[Value]欄に「{X}」と入力します。ここで、「X」はユーザ定義の変数名です。「X」がパラメータであることがLTspice IVに分かるよう、変数名は必ず波括弧({})で囲みます。
  2. [SPICE directive]から.stepコマンドを追加します。このコマンドは、線形変化、対数変化、または値のリストによってパラメータの段階的変化を指定します。例A: 「.step param X list .1u .2u .3u」は、パラメータXをリスト中の各値に変化させながら実行します。例B: 「.step param X .1u .3u .1u」は、パラメータXを0.1uから0.3uまで、0.1u刻みで実行します。

LTspice IV: Using the .STEP Command to Perform Repeated Analysis

 

.stepコマンドの使い方の詳細を知り、回路図の理解を深めるには、LTspice IVのヘルプ項目を参照してください。

 

Gabino-Alonso

Gabino Alonso

Gabino Alonsoは、アナログ・デバイセズのPower by LinearTMグループで戦略的マーケティング・ディレクターを務めています。アナログ・デバイセズに入社する前は、Linear Technology(現在はアナログ・デバイセズに統合)、Texas Instruments、カリフォルニア・ポリテクニック州立大学で、マーケティング、エンジニアリング、オペレーション、教育など、多岐にわたる業務に従事していました。カリフォルニア大学サンタバーバラ校で電気工学とコンピュータ工学の修士号を取得しています。