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Desert landscape with hundreds of motion controlled solar-tracking heliostat panels and Brightsource technologies.
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      BrightSource Energyのヘリオスタット技術、太陽光エネルギーの活用に向けた道を示す


      石油や天然ガスの価格は引き続き上昇しています。その結果、多くの企業は、化石燃料に代わる実用的なエネルギーをより強く求めるようになりました。最も現実的な選択肢は太陽光エネルギーであると考えて間違いないでしょう。しかしながら、やや信頼性に欠けるこのエネルギー源については、常に1つの疑問が付きまとっています。それは、エネルギー効率と費用対効果が最も高い状態で太陽光を最大限に活用し、最大のエネルギー量を得るにはどうすればよいのかというものです。

      Brightsource corporate logo.

      この疑問に対する答えを用意している企業がBrightSource Energy(以下、BrightSource)です。同社はこの課題を解決するために、モーション・コントロール技術によって駆動するヘリオスタットを開発しています。同社のヘリオスタットは、太陽の動きを追尾するように集光用の鏡を制御し、太陽光エネルギーを最大限に収集できるようにするというものです。つまり、ヘリオスタットは反射光を特定の方向に集める役割を果たします。ここで、家屋の屋根に設置される太陽光発電パネルのことを思い浮かべてみてください。その種のパネルは、太陽光を利用して電気エネルギーを生成します。ヘリオスタットも太陽光パネルの一種です。ただ、ヘリオスタットを利用した発電では、太陽光発電パネルを使用する場合とは異なる手法が用いられます。その手法では、ヘリオスタットによって貯水塔に向けて太陽光を集めるということが行われます。それにより水を沸騰させ、水蒸気によって発電用のタービンを回転させます。詳細は後述しますが、この手法は集光型太陽熱発電(CSP:Concentrated Solar Power)と呼ばれています。CSPは再生可能エネルギーを利用した効率的な手法だと言えます。

      BrightSourceは、電力、石油、工業プロセスといった分野の世界市場を対象として、高い価値を生み出すCSPシステムの設計、開発、配備を行っています。同社の革新的な技術とCSPシステムの設計能力は世界トップのレベルにあります。それらを活かし、環境への影響を最小限に抑えながら、高い信頼性でクリーン・エネルギーを生成可能なシステムを提供しています。それにより、顧客がクリーン・エネルギーに関する目標を達成できるよう支援しています。

      ただ、BrightSourceは事業を展開する上で1つの課題を抱えていました。それは、太陽の莫大なエネルギーを収集するために、最もエネルギー効率の高いモーション・コントロール技術を提供してくれる企業を見いださなければならないというものでした。

      その重要なパートナーとして選択されたのがアナログ・デバイセズです。当社のモーション・コントロール技術であるTrinamicこそが、BrightSourceが必要としているものだと判断されたのです。

      BrightSourceの概要

      事業内容

      BrightSourceは、CSP分野のパイオニアとして位置づけられる企業である。太陽光エネルギーに関する革新的な技術と、貯蔵/実装/最適化に関する高度な能力を併せ持つ。再生可能エネルギーを利用/管理する手段として、熱エネルギーの貯蔵機能を備えたCSPシステムを提供している。それにより、クリーンで信頼性が高く、コスト競争力のある太陽光エネルギーを生成することが可能になる。

      目標

      太陽光を最大限に活用し、高い効率で大量のエネルギーを生成する。

      課題

      太陽光を正確に貯水塔に集められるようにするために、精密な制御が可能なヘリオスタットを実現する。それにより、CSPシステムによるエネルギー生成の効率を最大限に高める。

      ソリューション

      Trinamicを適用したモータ制御用のICであるTMC5130を採用する。その理由は、数多くの商用利用の実績と同ICが備える特徴にある。特に、CoolStepとStallGuardの両技術に対応している点がポイントである。

      90分
      太陽が90分の間に生み出すエネルギーにより、世界で消費される1年分の電力をまかなえる

      CSPシステムは、どのように機能するのか?

      CSPシステムは、精巧に設計された高度な機械システムです。発電に使用する熱エネルギーを生成すると共に、それらを貯蔵する役割を果たします。一般に、CSPを利用する発電所では、太陽光を追尾するための2軸の装置を備える数万枚のヘリオスタットが必要になります。それらを使用することにより、太陽の動きを追尾し、中央の貯水塔の先端にある溶融塩集熱器(MSR:Molten Salt Receiver)に太陽光を集めます。その貯水塔は、充電された巨大なバッテリとして機能するタンクに溶融塩を送り込みます。その溶融塩は、熱交換器に流れて蒸気を生成します。その蒸気によってタービン発電機を駆動し、電力を生成します。つまり、再生可能エネルギーを活用しつつ、高い信頼性で電力を生成することができます。この電力が、同期の取れた状態で送電網に供給されます。

      Illustration depicting how the sun's rays are leveraged into reliable and renewable energy.
      太陽光を活用し、高い信頼性で再生可能エネルギーを供給する
      1. 太陽追尾型のヘリオスタットは太陽光を捕捉し、それを貯水塔のMSRに集める
      2. MSR内の溶融塩は太陽光エネルギーを吸収し、1000°F(538°C)以上にまで加熱する
      3. 溶融塩は、充電された巨大なバッテリとして機能するタンクに貯蔵される
      4. 溶融塩が熱交換器を通過する際、その熱によって蒸気が生成され、タービン発電機が駆動される
      5. 再生可能なエネルギー源を基に高い信頼性で生成されたエネルギーが送電網へ送られる

      BrightSourceによるCSPシステムの輝かしい開発事例

      現在、BrightSourceはモハーベ砂漠に建設されたアイバンパ太陽光発電所を運用しています。これは米国最大のCSPシステムです。17万3000枚のヘリオスタットで構成されており、392MWの電力を生成することが可能です。これだけの量があれば、南カリフォルニアの10万戸を超える住宅に必要な電力を十分にまかなえます。また、BrightSourceは南アフリカで「Redstoneプロジェクト」を展開しています。このプロジェクトで使用されるCSPシステムは、4万2000枚のヘリオスタットで構成されています。このシステムには、アナログ・デバイセズの「TMC5130」が使われています。これは、Trinamicを適用したモータ制御用のICです。

      このように、BrightSourceは大量のクリーン・エネルギーを生成することに貢献しています。その鍵を握っているのは、ヘリオスタットです。つまり、ヘリオスタットが太陽の位置に合わせて確実に動くようにすることが重要になります。その結果、ヘリオスタットによって的確に太陽光を捕捉し、極めて高い効率で集光することが可能になるのです。そのためには、モーション・コントロール用のモータを使用してヘリオスタットを制御し、太陽の経路を正確に追尾できるようにしなければなりません

      言い換えれば、何千枚ものヘリオスタットに、極めて正確なモーション検知技術を適用しなければならないということです。

      上述したモーション・コントロール技術は、特定の厳しい要件を満たす必要がありました。要件の例としては、以下のようなものが挙げられます。

      • 予測が困難な厳しい気象条件に耐えられる
      • ヘリオスタットの実装スペースに収まるレベルの小型化を実現できる
      • 極めてエネルギー効率が高い
      • 信頼性の高い超精密な結果が一貫して得られる

      BrightSourceにとっての課題は、上記のような要件に対応可能な実績のある技術を提供してくれる企業を見いだすことでした。

      精密なモーション・コントロールを実現するアナログ・デバイセズのTrinamic

      BrightSourceは、アナログ・デバイセズが革新的な技術を生み出し続けていることを把握していました。特に、モーション・コントロール技術として評価の高いTrinamicにも高い関心を寄せていました。BrightSourceは検討を重ねた結果、Trinamicを適用したTMC5130を採用することにしました。同ICを使用して、ヘリオスタットを駆動するモータ用のドライバを自社開発するという結論を得たのです。BrightSourceが同ICを選択する際に決め手になったのは、同ICに適用されているCoolStep、StallGuardの両技術でした。これらの技術は、センサーなどの部品を追加することなく、アプリケーションの機能と効率を高めることを可能にするというものです。
      Animated visual describing how heliostat technology controls the motion of panels to move with the sun's path.
      Trinamicによって実現されるモーション・コントロールにより、太陽の動きを追尾するようにヘリオスタットを動作させることが可能になります。
      「アナログ・デバイセズは研究/開発のプロセス全体にわたり広範なサポートを提供してくれました。その専門知識や知見は、同社が単なるICベンダーではないことを証明しています。当社は、この協調関係を維持できることを願っています。」

      Eitan Greenwald氏

      BrightSource シニア・ハードウェア・エンジニア兼チーム・リーダー

      信頼性と効率の向上、安全マージンの最適化

      先述したように、TMC5130には2つの特徴的な技術が適用されています。それぞれの技術は、BrightSourceのプロジェクトにおいて、以下に説明するような役割を果たしました。

      CoolStepによるモータの電流制御

      BrightSourceはTrinamicを適用した製品を採用することにより、同社が目標とする電力の生成量とエネルギー効率を達成することができました。それらは、同社の全体的な持続可能性を得るために必要なことでした。このような結果を得るために重要な役割を果たしたのが、Trinamicに適用されているCoolStep技術でした。モータを制御するユニットには、12Wの太陽光発電パネルと36W・時のバックアップ用電池パックから給電します。そのため、システムを運用するにあたってはエネルギー効率が非常に重要な要素になるのです。

      CoolStepは、もともとは医療用機器やラボラトリ・オートメーション向けに開発された技術です。これを利用すれば、センサーを使用することなく、負荷に依存した電流を制御することが可能になります。言い換えれば、常に、実際の負荷の条件に対して必要最小限の電流量でモータを駆動することができます。その結果、モータにおける消費電力と発熱を抑えることが可能になります。また、CoolStep技術を利用した場合、電流の安全マージン(安全性を確保するためのマージン)が不要になります。また、一時的な電流のブーストを実現でき、必要なトルク・リザーブの量を抑えられるので、モータを小型化することが可能になります。

      StallGuardによる負荷の検知

      Trinamicに適用されているStallGuard技術は、センサーを使用することなく、ステッパ・モータの負荷の値を測定する機能を実現します。それにより、信頼性の高い動きを必要とするヘリオスタットにおいて、負荷の値を把握することが可能になります。StallGuardを利用すれば、アプリケーションにおける必要性に応じて調整が可能な感度に関するデータが得られます。それだけでなく、負荷角の診断に関連する費用対効果の高いフィードバックを得ることも可能です。つまり、センサーレスの原点復帰、セルフ・キャリブレーション、距離の測定に対して理想的な機能を実現できるということです。加えて、安全マージンの範囲内で全機構が機能していることを確認する際にも同技術は非常に役に立ちます。

      StallGuard技術を採用したICをステッパ・モータ用の標準的なドライバに実装したとします。その場合、センサーを使用することなく負荷の値を検出できることから、リファレンス・スイッチやリミット・スイッチが不要になります。加えて、正確なリファレンスを必要とするアプリケーションにおいてコストと複雑さを軽減することができます。通常、ステッパ・モータ用のオープンループのドライバでは、軸に対する障害などによって過負荷が生じた場合、ストールが発生してステップ数が消失してしまいます。StallGuard技術を利用した場合、負荷が設定値に達したら、モータを停止することによってステップ数の消失を防止し、ステップ数の完全性が維持されます。また、このセンサーレスの技術では、最大1024の異なる負荷のレベルを検出できます。そのため、システムの連続監視を行うために分解能の高いフィードバックを得ることが可能になります。

      太陽光エネルギー技術の明るい未来

      Heliostat panels and a brightly lite solar power receiving tower.

      太陽光はクリーンで豊富なエネルギー源です。太陽光を利用する発電技術が進化するにつれ、その市場は飛躍的に成長すると見込まれています。ここまでに説明したように、アナログ・デバイセズとBrightSourceはこの分野で連携を図りました。このコラボレーションは、太陽光が主流のエネルギー源へと成長する過程で大きな意味を持つはずです。実際、両者の協業は太陽光の利用拡大を強く後押しするでしょう。

      アナログ・デバイセズとBrightSourceのパートナーシップは、持続可能性の実現に向けて2つの方向からアプローチしていると言えます。まず、アナログ・デバイセズは、技術的な専門知識とシステム・ソリューションを、極めて精密でエネルギー効率の高いコンポーネントの形で提供しています。一方のBrightSourceは、太陽光を基に極めて高い効率で大量の電気エネルギーを生成することにより、化石燃料への依存度を下げることに貢献しています。