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より良い未来を築く5G技術


遂に5G(第5世代移動通信システム)の運用が開始されました。ただ、あらゆる通信事業者があらゆる場所で本格的にサービスを提供するには、重要なインフラのアップグレードを完了させなければなりません。

ここ数年の間に、5Gのネットワーク技術に対する期待がより一層高まってきました。状況を把握できていない方(あるいは世を忍んで暮らしていた方)のためにあえて言うなら、5Gは巨大な存在であり、既に身近なところまで近づきつつあって、あらゆる事柄に変化をもたらします。

5Gの登場により、間違いなくドラマが生まれることが予想されます。5Gが普及した世界では、オンライン診療や在宅検査システムなどの実用性が高まります。それにより、世界中の隅々まで質の高い医療が手ごろな料金で届けられるようになります。また、芸術やエンターテインメントの世界にも、高度なホログラムや拡張現実(AR)といった新たな手段が提供されます。リアルタイムのデータ・ストリーミングによって、製造業から農業まで、あらゆる業界に変革がもたらされるでしょう。

スタンフォード大学ワイヤレスシステム研究所の所長兼工学部教授のAndrea Goldsmith氏は、「5Gが導入されれば、数十億台ものデバイスが互いに接続されたり、クラウドに接続されたりするようになります。その結果、膨大な量のデータが処理され、それを利用する人のために情報が抽出されるようになるでしょう。つまり、次世代のワイヤレス通信は、パーベイシブ・センシングを実現する可能性を秘めています。しかし、ニュースで目にするような世界が訪れるかどうかは、ワイヤレス技術の開発に対してどのような取り組みが行われるかにかかっています」と述べています。

行うべき取り組みの例としては、旧世代のワイヤレス通信を支えてきたセルラー基地局などの通信インフラのテスト方法や構築方法の見直しが挙げられます。そうした見直しを行うためには、通信インフラの構築に関する深い専門知識が必要です。それだけでなく、5Gのワイヤレス技術によるユビキタスな接続性の実現に向けて、より複雑な要件に対応できるソリューションを開発するための創造性が求められます。

もう1つの世代間ギャップ

5Gが導入されれば、より広い帯域幅を利用した高速な通信が可能になります。それに加え、フォーム・ファクタの小型化も求められるなど、インフラに対してはより複雑でコストのかかるニーズが提示されます。そのため、通信業界には、より高い創造性が求められることになります。

ここで、5Gの基地局で使われるワイヤレス技術について考えてみましょう。ネットワークに接続される大量のデバイスと通信を行うためには、基地局のチャンネル数を最大で4Gの16倍に増やさなければなりません。そうすると、基地局に搭載される電子デバイスの数が劇的に増加します。その結果、重量とコストが増加すると共に、消費電力が膨大なレベルに達します。

このような課題を抱えているのにもかかわらず、5Gのセル・サイトこそが次世代ネットワークの展開における決定的な要素になります。通信サービスのプロバイダや通信機器のメーカーで構成される業界団体5G Americasのプレジデントを務めるChris Pearson氏は、「ネットワークの密度は、5Gにおける主要な要素の1つです。必要なセル・サイトの数はあと数千ヵ所では収まりません。あと数万ヵ所必要です」と語ります。

「ネットワークの密度は、5Gにおける主要な要素の1つです。必要なセル・サイトの数はあと数千ヵ所では収まりません。あと数万ヵ所必要です。」

Chris Pearson

President | 5G Americas

現在の状況

5Gによって高速、低遅延、大規模接続の時代が始まります。すべての業界に変革がもたらされますが、その影響は特に都市部で顕著に現れるはずです。おそらくは、未来のスマート・シティに向けた道筋が切り拓かれることになるでしょう。

4Gから5Gへの移行に伴って導入される大きな進化としては、2つの技術が挙げられます。1つは、より低い周波数帯、より高い周波数帯を利用するMassive MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術です。もう1つはミリ波(mmWave)技術です。特に、ミリ波技術は密度の高い都市環境に適しています。

Massive MIMO

Massive MIMO

mmWave

mmWave

一般に、ミリ波とは波長がmmのレベルになる30GHz~300GHzの無線周波数帯のことを指します。5Gで使用するミリ波帯は、5Gの標準化を担う3GPP(3rd Generation Partnership Project)によって24GHz~100GHzと定義されています。それ以上の周波数帯については将来検討されることになっています。

5G Bandwidth Opportunity
Source: "The 5G Ecosystem: Risks & Opportunities for DoD," Defense Innovation Board, April 2019.

5G向けのミリ波技術は、より多くの帯域を利用できるように高い周波数帯を対象としています。波長の短い高い周波数帯を使用すれば、アンテナや装置を小型化できます。その結果、ミリ波に対応するより多くのインフラを、スペースに制約のある都市部に配備するのが容易になります。




アナログ・デバイセズで車載/通信/航空宇宙グループ担当シニア・バイス・プレジデントを務めるGreg Hendersonは、通信事業者に突き付けられた厳しい要求を理解した上で、「チャンネルの数を倍に増やしたい場合、基本的には基地局の設備を倍の規模にする必要があります。それを避けるためには、4Gの基地局を実装した際とほぼ同じフォーム・ファクタで、能力を高めつつコストと消費電力を同等のレベルに抑える必要があります。それが5Gの実現に向けて通信事業者に突き付けられた課題です」と指摘しています。その上で「この課題を解決するためには、無線システムの抜本的な見直しを行わなければなりません。ディスクリートのコンポーネントやフィルタで構成された従来の無線アーキテクチャを、高度なソフトウェア・アルゴリズムを利用しつつ、複雑さを大幅に軽減できる新たなダイレクト・コンバージョンのアーキテクチャに移行する必要があります」とHendersonは述べています。

「4Gの基地局を実装した際とほぼ同じフォーム・ファクタで、能力を高めつつコストと消費電力を同等のレベルに抑える必要があります。それが5Gの実現に向けて通信事業者に突き付けられた課題です。」

Greg Henderson

Senior Vice President of Automotive, Communications and Aerospace Group | Analog Devices

アナログ・デバイセズは、ワイヤレス通信やマイクロ波通信といった技術に長きにわたって携わっています。新世代のワイヤレス通信が展開されるたびに重要な役割を果たしてきました。1Gから今日に至るまでに、高速なデータ変換機能と通信機能を実現するための重要なハードウェアを開発しています。それらは、新たな通信ネットワークを配備するだけでなく、新たな性能レベルの検証に必要なテスト装置を実現する上でも不可欠な要素です。

アナログ・デバイセズの通信担当バイス・プレジデントを務めるJoe Barryは、「当社はコンポーネントの開発だけを担っているのではありません。システム・レベルのあらゆる問題を解決すべく取り組みを行っています。当社の特徴は、システムのアーキテクチャに関する高度な専門知識と非常に強力な技術ポートフォリオを有している点にあります。それらを活用することで、難易度の高い問題を劇的な形で解決します」と語ります。

アナログ・デバイセズはこれまでの経験を活かして、5Gネットワーク技術の固有のニーズに対し、ソフトウェア定義型のトランシーバーという通信アーキテクチャを提案しました。この技術はもともと4G向けに開発されたものです。これを適用することにより、大きすぎて扱いにくい複雑なシグナル・チェーンを単一のICに集積することができます。その結果、5G向けのセル・サイトを構築する際に直面するサイズ、消費電力、コストの課題を格段に管理しやすくなります。これらの課題こそが、5Gの普及を阻む障壁です。

アナログ・デバイセズで社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるVincent Rocheは、「5Gの基地局に許される物理的なスペースは、基本的に4Gの基地局と同等です。しかし、単位エネルギーあたりのデータのビット数は、4Gよりも数桁多くなっています。この問題を解決するためには、非常に高度な無線アンテナ技術を採用する必要があります」と述べています。その上で「5Gの次のフェーズでは、様々な種類の企業を対象として各種のサービスを動的にプロビジョニングできるようにしなければなりません。そのためには、何らかの形でエッジ・ベースのクラウド・システムが導入されることになるはずです。結果として、インダストリ4.0などの分野で新たなビジネス・モデルが出現する可能性が高くなります。5Gは、ミッション・クリティカルなファクトリ・オートメーションにおいて、ネットワーク接続の基盤になる可能性があります」(Roche)と語ります。

より良い基地局

ミリ波を利用する5Gを実現するには、現在ワイヤレス通信に使われている基地局のアーキテクチャについて、高密度化に焦点を当てた見直しを図る必要があります。2015年以降に米国の企業が設置した5G向けのセル・サイトは3万件に達しています。今後数年の間に更に多くのセル・サイトが設置される見込みです。

154K
現在米国に設置されているセル塔の数
800K+
ESTIMATED NUMBER OF SMALL-CELL 5G SITES TO BE ERECTED BY 2026

出典:「Fifth-Generation (5G) Telecommunications Technologies: Issues for Congress(5G通信技術:議会の問題)」Congressional Research Service、2018年1月、「Accelerating Wireless Broadband Deployment by Removing Barriers to Infrastructure Investment(インフラへの投資を妨げる障害を排除し、ワイヤレス・ブロードバンドの展開を加速する)」Federal Communications Commission、2018年9月

次のフェーズ

基盤が整備されれば、5Gはあらゆるものに変革をもたらす可能性があります。カーネギーメロン大学は、5Gのネットワークを利用して実現される交通管理ソリューションにより、自動車の待ち時間を40%、CO2の排出量を21%削減できる可能性があるとの予測を示しています。産業界では、5Gによって大規模なIoT(Internet of Things)への道筋が切り拓かれます。非常に遅延の小さいワイヤレス接続によって、メーカーはよりスマートに、高速に、効率的に作業を進められるようになるでしょう。2022年までにIoT対応デバイスの数は15億台に達し、交通管理から農業まで、あらゆる分野で使用されるようになるという調査結果もあります。2025年までには、IoT対応デバイスの数が640億台に達するという予測も示されています。

「5Gの状況を野球の試合に例えるなら、今はおそらく2回の途中です。但し、今後1~2年のうちに全米での展開が大きく進むはずです。つまり、まもなく4回か5回に突入すると考えられます。2020年の時点では、5Gのサービス加入者は世界中で3700万人にとどまる見込みですが、その後、極めて急速に普及が進むことは間違いありません。」

Chris Pearson

President | 5G Americas

5Gによってもたらされるはずの未来を完全に具現化するには、個々の基地局を相互に接続したり、グローバル通信ネットワークに接続したりするネットワークもアップグレードしなければなりません。そうしたシステムは、より高いデータ・レートとより長い距離に対応するようになります。それに伴い、レーザー、変調器、検出器で構成される複雑なシステムのシーケンスを管理するために、高い精度の制御が必要になります。この課題に対し、アナログ・デバイセズは、集積度が高く高精度な電子デバイスとパワー・ソリューションを提供します。それらの製品は、前世代よりも少ない消費電力で数百Gbpsもの速度を達成する光ネットワークを実現する上で中心的な役割を果たします。また、5Gのネットワークでは、高い精度でタイミング要件を満たすことが求められます。アナログ・デバイセズの高度なクロック製品を使用すれば、それに必要な高度な同期を実現することが可能になります。

5Gシティ

5Gとミリ波は、未来のスマート・シティを実現する上で重要な役割を担います。これらの技術は、消費エネルギーや燃料コストなどの削減によって、1600億米ドル(約16兆8000億円)ものコスト削減効果をもたらす可能性があります。

5G City
5G City Smart Buildings

スマート・ビル

占有人数に応じて照明や空調などの設備を自動的に調整することにより、消費エネルギーを削減します。

Reduced Gridlock

交通渋滞の緩和

自動車にスマートな交通信号を伝送することで路上における車列の流れを改善し、通勤時間を最大26%短縮します。

Safer Streets

道路における安全性の向上

スマート・センサーなどのIoTデバイスにAI(人工知能)のアルゴリズムを組み合わせることで、緊急対応にかかる時間を短縮します。

出典:「Smart Traffic Signals(スマート交通信号)」カーネギーメロン大学

現在、多くの企業が5Gというルビコン川を渡ろうとしています。Pearson氏の比喩を用いるなら、9回にたどり着こうとしているということです。そうしたなか、アナログ・デバイセズのようなパートナー企業は、既に次世代の通信に目を向けています。Hendersonは、「5Gは始まりにすぎません。当社は既にその先を見据えています。つまり、数十Gbpsの速度と極めて小さい遅延が実現される6Gや7Gに目を向けているということです。そうしたシステムの要件はまだ明らかになり始めたばかりです。しかし、その可能性を最大限に引き出すために、再びアーキテクチャの抜本的な見直しが必要になることだけは間違いありません」と述べています。