DS1841対数特性型抵抗を使用するアバランシェホトダイオード(APD)のバイアス範囲の最適化方法

DS1841対数特性型抵抗を使用するアバランシェホトダイオード(APD)のバイアス範囲の最適化方法

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要約

このアプリケーションノートではDS1841対数特性型抵抗の3つの外付け抵抗を使用してAPDバイアス回路の出力範囲を設定する方法を説明します。この調整プロセスを容易にするスプレッドシートが用意されています。

APDバイアス回路

温度制御された不揮発性、I²C、対数抵抗のDS1841は1個の7ビット対数可変抵抗を備えています。ステップアップDC-DCコンバータとともに使用して、DS1841はアバランシェホトダイオード(APD)に印加するバイアス電圧を調整します。3個の外付け抵抗(RSER、RTOP、およびRPAR)が出力範囲を調整するために使用されます(図1)。

Figure 1. APD bias circuit using the DS1841 and a step-up DC-DC, here the MAX5026 or MAX1523.
図1. DS1841およびステップアップDC-DCコンバータ(この例ではMAX5026またはMAX1523)を使用するAPDバイアス回路。

APDバイアス範囲の調整

スプレッドシートのDS1841 APD Bias Range Adjustment (DS1841 APDバイアス範囲調整) (xls)がAPDバイアス範囲の調整を容易にします。このスプレッドシートにはRTOP、RSER、RPAR、およびVFBの4つの入力変数があります。これらの抵抗値を入力すると、スプレッドシートはVAPD (max)、VAPD (min)、STEP (max)、STEP (avg)の4つの出力を計算します。またスプレッドシートは2つのグラフ、APD Bias vs. DAC Code (ADCバイアス対DACコード)、Volts Per Step vs. DAC Code (ステップ当たりの電圧対DACコード)を生成します。図2のインタフェースは4つの変数とスプレッドシートへの入力値から生成されたグラフを示します。表1はスプレッドシートで使用する用語を定義しています。

Figure 2. The spreadsheet interface with the four variables for data input, which appear at the top left.
図2. データ入力用の4つの変数(左上に示される)を備えたスプレッドシート。

表1. DS1841を使用するAPDバイアス範囲調整のための変数定義

VFB DC-DCコンバータのフィードバックノードに現れる電圧。
VAPD (max) ワーストケース状態でAPDバイアスを設定可能な最大電圧。
VAPD (min) ワーストケース状態でAPDバイアスを設定可能な最小電圧。
STEP (max) 隣接する2つのDACコード間に生じる計算された最大電圧ステップ。
STEP (avg) フルレンジ間での平均の電圧ステップサイズ。
VSTEP +20% 変数抵抗がプロセス範囲の最大(+20%)の場合の電圧ステップサイズ。
VSTEP -20% 変数抵抗がプロセス範囲の最小(-20%)の場合の電圧ステップサイズ。
VAPD +20% 変数抵抗がプロセス範囲の最大(+20%)の場合のAPDバイアス電圧。
VAPD -20% 変数抵抗がプロセス範囲の最小(-20%)の場合のAPDバイアス電圧。