DirectDrive®技術によって3.3V単一電源の2VRMSオーディオラインドライバを実現

DirectDrive®技術によって3.3V単一電源の2VRMSオーディオラインドライバを実現

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要約

マキシムのDirectDrive技術を従来の単一電源オーディオラインドライバと比較しています。特にセットトップボックスとケーブルモデムのアプリケーションについて、DirectDriveアーキテクチャの長所を説明します。

従来の単一電源オーディオラインドライバは通常、2VRMSの出力信号を生成するために9V~12V電源を必要とします。電源電圧が高くなるほどシステムのサイズ、コスト、および複雑さが増大します。マキシムのDirectDrive技術によって、高電圧の必要性をなくし、大きな容積の出力コンデンサを削減します。MAX9724は、DirectDriveアーキテクチャを組み込んでおり、3.3Vの単一電源で動作し、オーディオラインドライバのアプリケーションに必要な10kΩの負荷に2VRMSの出力信号を提供します。

DirectDriveの長所

マキシムのDirectDrive技術は、チャージポンプを使用して正電源を反転することによって、負の電源電圧を内部で生成しますが、同時に、グランドを中心のバイアスをアンプから出力します。この独自なアーキテクチャによってアンプのダイナミックレンジはほぼ2倍に広がっています(図1)。

図1. 従来のアンプの出力波形と、マキシムDirectDriveの出力波形
図1. 従来のアンプの出力波形と、マキシムDirectDriveの出力波形

従来の単一電源のヘッドフォンアンプでは、最大ダイナミックレンジを得るため、DC電圧(通常は電源の半分)をバイアスとして出力にかけています。さらに、このDCバイアスがヘッドフォンに印加されるのを阻止するために、大容量のカップリングコンデンサが必要となります。これらのコンデンサがなければ、かなりのDC電流がヘッドフォンに流れるため、不要な電力が消費され、またヘッドフォンとヘッドファンアンプの両方が損傷するおそれがあります。

これとは対照的に、DirectDrive技術では、DC部品が排除され、大容量のカップリングコンデンサの必要がありません。チャージポンプでは、2つの大きなタンタルコンデンサの代わりに、2つの小さなセラミックコンデンサが必要となります。この技術によって基板スペースが節減され、コストが低減され、ヘッドフォンアンプの周波数応答が改善されます。

MAX9724のソリューション

MAX9724のチャージポンプはDirectDrive技術を使って単一3.3V電源で動作の際に内部-3.3V電源を生成します。したがって、パワーアンプは±3.3Vによって駆動され、MAX9724の各出力は6Vを超えるピークトゥピークの振幅が可能です。

図2. MAX9724の標準動作回路
図2. MAX9724の標準動作回路

MAX9724は、代表的なオーディオラインドライバのアプリケーションにおいて3.3Vの単一電源で容易に2VRMSを実現することができます。MAX9724の評価キット(EVキット)を使用して、このアプリケーション回路をテストしました。これによって、図3に示すTHD+N (全高調波歪み + ノイズ)曲線が得られました。MAX9724は、0.0016% THD+Nにおいて10kΩの負荷に2VRMSを供給することができます。

図3. MAX9724のTHD+N対出力電圧
図3. MAX9724のTHD+N対出力電圧

マキシムのDirectDrive技術は、システムのコストとサイズを低減した状態で性能の改善を実現しています。セットトップボックスとケーブルモデムのアプリケーションは、3.3Vの単一電源で動作可能となり、同時にMAX9724は10kΩの負荷に2VRMSの出力信号を提供します。さらに、MAX9724はライン出力アンプで2次ローパスフィルタリングを必要とするソリューションには最適な選択肢です。