概要
設計リソース
設計/統合ファイル
- Schematic
- Bill of Materials
- Gerber Files
- PADS Files
- Assembly Drawing
評価用ボード
型番に"Z"が付いているものは、RoHS対応製品です。 本回路の評価には以下の評価用ボードが必要です。
- EVAL-CN0306-SDPZ A 16-Bit, 100 kSPS Low Power Successive Approximation ADC System with Optimum Low Power Drive Amplifier for Sub-Nyquist Input Signals Up to 1 kHz
- EVAL-SDP-CB1Z ($116.52) Eval Control Board
デバイス・ドライバ
コンポーネントのデジタル・インターフェースとを介して通信するために使用されるCコードやFPGAコードなどのソフトウェアです。
機能と利点
- 16ビット、100kSPSのSAR ADCシステム
- 低電源パワードライブアンプに最適化
- 最大入力信号 4kHz
製品カテゴリ
マーケット & テクノロジー
使用されている製品
参考資料
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UG-340: Evaluation Board for the 10-Lead Family 14-/16-/18-Bit PulSAR ADCs2015/08/13PDF4636 kB
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MT-101: Decoupling Techniques2015/02/14PDF954 kB
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MT-021: ADC Architectures II: Successive Approximation ADCs2015/02/14PDF3799 kB
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MT-031: データ・コンバータのグラウンディングと、「AGND」および「DGND」に関する疑問の解消2009/03/20PDF144 kB
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CN-0306: 最大 1kHz のサブナイキスト入力信号用に最適化された 16 ビット、100kSPS、低消費電力データ収集システム2013/12/29PDF519 K
回路機能とその特長
図1に示す回路は、16ビット、100kSPS逐次比較アナログ/デジタル・コンバータ(ADC)システムで、最大1kHzの入力信号と100kSPSのサンプリング・レートに対して7.35mWという低いシステム消費電力になるように最適化された駆動アンプを備えています。
この回路は、ポータブル・バッテリ駆動やマルチチャンネルのアプリケーション、つまり消費電力が非常に重要なアプリケーションに大いに役立ちます。また、変換バースト間の時間においてADCがほとんどアイドル状態であるようなアプリケーションにとっても利点があります。
高性能逐次比較ADC用の駆動アンプは、一般に広範囲の入力周波数に対応するように選択されます。ただし、アプリケーションが必要とするサンプリング・レートが低い場合、サンプリング・レートを下げるとADCの消費電力がそれに比例して減少するので、かなりの電力を節約することができます。
ADCのサンプリング・レートを下げることによる節電の利点を最大限に活用するには、狭帯域で低消費電力のアンプが必要です。
たとえば、16ビット逐次比較レジスタ(SAR)ADC AD7988-1(100kSPS時に0.7mW)とともに動作させるには、80MHzのオペアンプADA4841-1(10V時に12mW)を推奨します。リファレンスADR435(7.5V時に4.65mW)を含むシステムの総消費電力は、100kSPS時に17.35mWになります。
最大1kHzの入力帯域幅と100kSPSのサンプリング・レートの場合、3MHzのオペアンプAD8641(10V時に2mW)は、信号対ノイズ比(SNR)および全高調波歪み(THD)の優れた性能を提供し、システムの総消費電力を17.35mWから7.35mWに低減します。これは100kSPSで58%の節電になります。
回路説明
この回路は、ADC AD7988-1、アンプAD8641、およびリファレンスADR435で構成されます。AD7988-1は16ビット、100kSPSのSAR ADCであり、低い消費電力はサンプリング・レートによって調整可能で、100kSPS時に0.7mWを消費します。また、低消費電力であるとともに業界最先端のAC性能を備えています(SNR = 91dB、THD = −114dBc)。
駆動アンプは低消費電力で高精度のAD8641で、電源電流が200μA、利得帯域幅積が3MHzです。AD8641は5V~26Vの範囲の電源で駆動することができます。ADCのリファレンスはADR435で、高精度、低ノイズの5V XFET電圧リファレンスです。ADR435は、620μAの低電源電流時に3ppm/℃という非常に小さい温度係数を示します。この回路の総消費電力は100kSPS時に7.35mWになります。最大1kHzの入力周波数の場合、SNRが88.5dBFS、THDが−103dBcになります。 AD8641は、ユニティゲインのバッファとして構成されており、このデバイスとAD7988-1の間のカットオフ周波数が93kHzになるRCフィルタ(634Ω、2.7nF)を備えています。このフィルタにより、AD8641などのノイズが比較的大きなアンプ(28nV/√Hz)の使用を可能にしながら、消費電力が非常に小さくなるという利点が得られます。低消費電力のためにノイズを大きくする代償として、システムのSNR性能がADCの仕様に比べて2.5dB低下します。データシートの推奨値(20Ω)に比べて大きなRの値(634Ω)は、AD8641が2.7nFの大きな入力コンデンサを駆動可能であることを示しています。Rの値を大きくすることで最大入力帯域幅が1kHzに制限され、低歪みが得られます。
これは、最大1kHzの入力に対するAD8641の16ビット歪み性能(THDが−100dBc未満)に匹敵します。1kHzを超えると歪みが大きくなるので、セトリング・タイムが長くなることから、この回路を高い入力周波数で使用したり、このアンプを多重化アプリケーションで使用したりすることは推奨できません。AD8641は正電源電圧を基準にして2V以上の入力ヘッドルームを必要とすることに注意してください。出力段はレールto レールです。
性能結果
この回路の目的は、最大1kHzの入力周波数範囲と100kSPSのサンプリング・レートにおいて、可能な最も小さいADCドライバの電力レベルで優れたAC性能を提供することです。入力信号が1kHzのときの回路性能のFFTプロットを図2に示します。88.5dBのSNRと−103dBのTHDが得られています。SNRがAD7988-1の91dBの規格値より低下している主な理由は、AD8641のノイズが28 nV/√Hz で、ADA4841-1の2 nV/√Hzよりも大きいからです。システムの総消費電力は7.35mWで、ADCで0.7mW、アンプで2mW、リファレンスで4.65mWを消費します。これは、システムの総消費電力17.35mWに対して12mWを消費するADA4841-1を使用した場合に比べて58%の節電になることを表しています。
約1kHzを超える入力周波数でシステムのTHDおよびSNRが低下する様子を図3に示します。これは、図4に示す周波数に対するTHD+Nのプロットから分かるように、アンプの歪みによるものです。
回路の評価とテスト
必要な装置(同等の装置に変更可能)
以下の装置が必要です。
- 評価用ボードEVAL-CN0306-SDPZ
- システム・デモボード(EVAL-SDP-CB1Z)
- 今回のテストで使用されたAudio PrecisionのSYS-2522のような関数発生器/信号源
- 評価用ボードに含まれている9VのACアダプタ
- USBポート、USBケーブルを備え、10ピンPulSARのソフトウェアがインストールされたPC
セットアップとテスト
UG-340ユーザー・ガイドの導入ガイドを使用し、アナログ・デバイセズのWebサイトのAD7988-1製品ページからダウンロードできる10ピンPulSARのソフトウェアをインストールします。測定セットアップのブロック図を図5に示します。
9VのACアダプタを評価用ボードの電源端子に接続します。周波数応答を測定するため、機器を図5に示すように接続します。Audio Precisionの信号発生器SYS-2522を、周波数が1kHz、DCオフセットが2.5Vの5Vp-pサイン波に設定します。評価用ボードのソフトウェアを使ってデータを記録します。ソフトウェア解析は評価用ボードのソフトウェアの一部の機能で、これにより、ACおよびDCの性能の収集と解析を行うことができます。このソフトウェアとその機能はUG-340ユーザー・ガイドに示されています。