LiDAR: ライダー

LiDARとは

意味

LiDAR(Light Detection And Ranging:光検出および測距)とは、レーザー光線を使用して周辺領域の3Dスキャン情報を作成するリモート・センシング手法です。LiDARは自律走行車両における近接センシングの重要な手段です。

LiDARの仕組みは?

LiDARは、レーザー光のパルスを放射し、放射された信号が近くの物体に当たり反射して戻ってくるまでの時間を計測することによって機能します。LiDARは光信号を使用するため、タイム・オブ・フライト(計測された時間)と光の速度を掛け合わせることで物体までの距離を簡単に計算できます。光を使用することで、戻り時間が非常に短くなるという利点もあります。

距離マップには、LiDAR方式のレーザー/受信機システムによって検出された物体が示されている。

(B)に示す距離マップには、LiDAR方式のレーザー/受信機システムによって(A)で検出された物体が示されている。最も近い(赤色の)物体のタイム・オブ・フライトが最も短くなり、最も遠い(緑色の)物体のタイム・オブ・フライトが最も長くなる。

短いレーザー・バーストを連続して様々な方向に放射することにより、システムは周囲にあるすべての物体の距離マップを作成でき、しかもこのマップは即座かつ連続的に更新されます。

LiDAR信号を発信する自律走行車。

LiDAR信号を様々な方向に放射して路上の物体を検出する自律走行車両の例。

LiDAR方式のレーザー/受信機システムの仕組みは?

LiDARのブロック図

LiDARのブロック図。

上記のブロック図は、標準的な動作回路を示しています。レーザー・ドライバは物体に向けて光パルスを放射し、戻ってきた信号がフォトダイオードD1に入射し、光が電流に変換されます。トランスインピーダンス・アンプTIA1はその電流を電圧に変換し、さらにその信号を増幅してコンパレータCOMP1へ伝えます。COMP1は受けたそのアナログ信号をデジタル信号に変換します。D2/TIA2/COMP2の系統は同様に機能して送出信号を記録します。これらの情報はすべてMCU(マイコン)で処理されて保存されます。

LiDARとレーダーの比較

LiDARとレーダーは、どちらもタイム・オブ・フライトを計測して物体からの距離を求めるという点では似ていますが、使用する信号の種類に違いがあります。LiDARがによる検出および測距であるのに対して、レーダーは電波電波による検出および測距です。そして、それぞれのシステムで放射される電磁波の種類が違います。光(LiDAR)の波長域がnm~μmであるのに対し、電波(レーダー)の波長域はcm~kmです。

LiDAR、レーダー、カメラの比較。

LiDAR、レーダー、カメラの比較。

LiDARは波長が短いため、より精密で正確な距離マップを作成することができ、より小さな物体や細部を検出できます。いっぽうレーダーは波長が長いため、通過する媒体の変化(天候不良など)に対して影響を受けにくくなっています。これらの違いから、両者は併用されることが多く(カメラとも併用されることもある)、その結果、人間より優れた視覚機能および運転機能を形成することができます。

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