Clock Timing: クロック・タイミング
Clock Timingとは
意味
電子機器は、クロック・タイミング信号として機能する電気的に変化するデジタル電圧の周期的な発振に反応して作業を実行する。それに対し、人間の時間(「実」時間=リアルタイムとも呼ばれる)は、地球の回転によって決まる秒、分、時間、日、月、および年という単位で測定される。スマートウォッチなどの電子機器がユーザーによって要求されたタイミングで作業を実行するためには、実時間をデジタル表現したものを保存する必要があり、さらにそれはデジタルクロック・タイミング信号によって同期が維持される。電子機器の中で、クロック・タイミング情報はそのリアルタイムクロック(RTC)回路によって管理される。これは通常はデバイスマイクロコントローラ内に位置するか、またはシステムボード上の個別のICの場合もある。
図1 クロック・タイミングはシステムボード上のディスクリートのRTC ICによって供給することができる
なぜRTCを使うのか?
電子機器の主電源に障害が発生すると、リアルタイムのクロック・タイミング情報は失われ、電源の復旧後に再設定する必要がある。多くのポータブルIoT機器はリモートマスターとのワイヤレス接続を使って時間を再設定する機能を備えているが、このタイプの通信はバッテリの消費電力を増大させる(そして明らかにワイヤレス信号が利用可能な場合にのみ行うことができる)。ワイヤレス信号がない場合、唯一の(そして明らかにあまり望ましくない)代替方式はユーザーが手動で時間を再設定することだが、これは常に簡単とは限らず、不可能な場合もある。RTC回路は、システムが主電源障害後も長時間にわたって実時間を追跡することを可能にする。
RTCはどこで使われているか?
クロック・タイミングは、産業(ユーティリティメーター、POS機器、火災報知器、ゲーム機、ビデオセキュリティ)、民生(デジタルカメラ、ポータブルGPS機器、モバイルゲーム機、衛星レシーバ、TV)、およびポータブル/家庭用医療機器など、多くの種類のアプリケーションで重要となる。
RTCはどのように時間を管理するか?
32.768kHzのクオーツ音叉式水晶発振器は、ほとんどの電子アプリケーションで標準的なクロック・タイミングリファレンスである。リアルタイムクロックは秒をカウントすることによって時間および日付の情報を維持するが、それには32.768kHzの水晶発振器から導かれる1Hzのクロック信号が必要である。時刻および日付の情報は1組のレジスタに保存され、I2Cなどの通信インタフェースを介してアクセスされる。水晶はRTCに外付けの場合と同じパッケージ内に内蔵の場合がある。より高精度を必要とするアプリケーションの場合、集積型MEMS (microelectromechanical system)共振器がクロック・タイミングリファレンスとして使用される。
関連ページ:
- リアルタイムクロック
- RTC概要チュートリアル:「The What, Why, When, Where and How of Real-Time Clocks (RTCs)」 (「リアルタイムクロック(RTC)の4W1H」)