製品概要

製品概要

デモ回路1938Aには、LT3072デュアル、低ノイズ、2.5Aプログラマブル出力、低ドロップアウト・リニア電圧レギュレータが採用されています。入力電圧VIN1とVIN2は独立しており、動作可能範囲は0.8V~3.45Vです。どちらのチャンネルも、0.6V~2.5Vの範囲および最大出力電流2.5Aで、事前にプログラムされたレベルにおける出力電圧VOUT1およびVOUT2を測定する、3ビット・コードをセットするためのジャンパを備えています。DC1938Aでは、2.375V~5.25Vの範囲でVIN1およびVIN2を上回り、最高出力電圧よりも1.2V以上高い、外部BIAS電圧が必要になります。

出力はそれぞれ、1µF + 2.2µF + 6.8µFコンデンサで構成されるネットワークによってデカップリングされ、入力はそれぞれ、22µFコンデンサによってデカップリングされます。出力ノイズを低減させてソフト・スタートをプログラムできるよう、それぞれのチャンネルの内部リファレンスは、0.1µFコンデンサによってバイパスされます。1500µFアルミニウム電解コンデンサおよび220µFタンタル・ポリマー・コンデンサが、VIN1およびVIN2をホールドアップしますが、アルミニウム電解コンデンサはケーブリングに依存しており、カスタマ回路では必要ありません。BIAS電圧は、各チャンネルのBIASピンで2.2µFコンデンサによってバイパスされ、ここにBIAS入力用の単一端子があります。

VOUT1およびVOUT2のENABLEジャンパの位置に応じて、100k抵抗のEN1/EN2ピンをBIAS電圧にプルアップしたり、EN1/EN2をグラウンドに接続させたり、EN1/EN2をフロート状態にさせ、EN1/EN2端子に送られた信号によって直接駆動可能にしたりすることができます。チャンネルはそれぞれ、51kΩ抵抗によってBIASにプルアップされる、PWRGD用の端子を備えています。抵抗では、3A出力電流制限および、IMON/LIM端子から取り込まれる333mV/A出力電流監視電圧をプログラムします。TEMP端子では、温度を監視できます。

VOICでは、事前レギュレーション電圧を自動制御できます。また、VOICピンは1nFコンデンサによってバイパスされます。MARGA1/MARGA2マージニング端子では、チャンネルごとの出力電圧に合わせて、オプションの外部電圧をプログラムできます。

バナナ・ジャックは、VIN/VOUT接続の電圧降下を最小限に抑えます。各チャンネルのSENSEピンは、VOUTバナナ・ジャックに近接する10µFコンデンサで終端します。PCBは、SENSE-GND間およびSENSE-OUT間の寄生パターン容量を最小限に抑えるよう設計されています。VO1+ /VO1- /VO2+/ VO2- 端子は、Kelvin-connect to the 10µF VOUTコンデンサにケルビン接続されており、出力電圧レギュレーションおよび負荷過渡応答の監視位置として最適です。VOUTのプログラム範囲全体にわたって最小負荷条件を満たすため、それぞれの出力には予め、560Ωの負荷がかけられています。

DC1938Aは、図面ではオプション(Opt)部品と表示されているプレースホルダを備えています。プレースホルダは、容量拡張、フィルタ処理/並列リファレンスの追加、VOIC機能の使用に便利です。プレースホルダの位置については、回路図を参照してください。

LT3072は、出力ノイズや負荷過渡応答に関して厳格な性能条件が課される、マイクロプロセッサ・システムや計測器アプリケーションに適しています。効率性に関して高度な条件が課されるシステムの場合、LT3072の低ドロップアウトが有利に働くでしょう。DC1938Aの、小型の熱強化型36ピン4mm × 7mm QFNパッケージには、LT3072が塔載されています。デモ回路DC1938Aを使用・変更する前に、デモ・マニュアルと併せて、LT3072データシートを必ず参照してください。