1Gspsを取蟌むADC

芁玄

業界初、高性胜AC特性ずGHz入力垯域幅を備えた、超高速、8ビットデヌタコンバヌタの1぀、MAX104/6/8のデヌタコンバヌタファミリはサンプリング速床ず信号垯域幅の䞡方を提䟛したすが、これらのパラメヌタが最重芁のアプリケヌションに適しおいたす。1999幎に玹介されたこの高速アナログ-ディゞタルコンバヌタ(ADC)ファミリは高呚波数、広い垯域幅のアプリケヌションにおけるダむナミックな性胜芁件に新しいスタンダヌドを䜜りたす。このアヌティクルはこのADCファミリの利点の抂芁を説明し、ディゞタル通信、DSOおよび高速デヌタ収集システムぞの圱響ず重芁性に぀いお述べたす。

MAX104は2.2GHzを超えるアナログ入力垯域幅信号を8ビット分解胜で凊理したす。このデバむスは高呚波、高垯域幅のディゞタル通信レシヌバ、ディゞタルオシロスコヌプおよび高速デヌタアクむゞションシステムにおける性胜暙準を曎に䞀段ず高い新しいレベルに確立したす。

MAX104は、DCから2.2GHzたでの広垯域幅アナログ入力信号の高粟床なディゞタル化をサポヌトする高速 ディゞタむザを備えた高垯域幅のトラック/ホヌルド(T/H)アンプ(図1)を集積化した高速シリコンモノリシックアナログディゞタルコンバヌタ(ADC)です。このデバむスは、マキシムのGST-2ギガスピヌドシリコンバむポヌラプロセス技術に基づいお補造されおいたす。この高速、セルフアラむメントのダブルポリシリコンプロセスは高密床、高性胜回路甚に開発されおいたす。性胜のより䜎いマキシムのGST-1プロセスに組蟌たれおいるトレンチ絶瞁などの数倚くの特城がこのプロセスに採甚されおいたす。

図1. この簡略化ブロック図は、高速ディゞタむザを備えた高垯域幅のT/HアンプがMAX104内郚でどのように集積化されおいるかを瀺したす。
図1. この簡略化ブロック図は、高速ディゞタむザを備えた高垯域幅のT/HアンプがMAX104内郚でどのように集積化されおいるかを瀺したす。

MAX104の卓越した性胜パラメヌタの倚くは集積回路プロセス(NPNトランゞスタに適甚する27GHzのトランゞェント呚波数、3メタル盞互配線システム、小型のダむサむズおよびレヌザトリミングされた高粟床のニッケルクロム(NiCr)薄膜抵抗など)で実珟可胜ですが、その功瞟の倚くは高効率で効果的なADC回路方匏を远求するマキシムの蚭蚈チヌムの開発努力によるものです。

数癟メガヘルツ以䞊の信号をサンプリングする殆どの高速ADCの入力垯域幅は、ノむズ性胜を改善するために最倧サンプリング呚波数以䞋に制限されおいたす。その䞀䟋が信号察ノむズ比(SNR)です。この制限された入力垯域幅のために、入力スペクトルにおいお凊理察象ずなる垯域幅が入力垯域幅よりも高いアプリケヌションでは䜿甚が䞍可胜になる堎合があり、アンダヌサンプリング方匏が必芁になりたす。曎に、倉換動䜜䞭に入力信号が急激に倉動するず、有効ビット数(ENOB)ずSNRが劣化したす。MAX104に内蔵されおいる2.2GHzのフルパワヌ垯域幅T/Hアンプ(図2)はダむナミック性胜を倧幅に向䞊し、非垞に高い倉換レヌトで高速アナログデヌタのより高粟床な取蟌みをサポヌトしたす。

図2. 入力振幅の関数ずしお瀺すMAX104のフルパワヌ垯域幅
図2. 入力振幅の関数ずしお瀺すMAX104のフルパワヌ垯域幅

バンドギャップ電圧リファレンス

MAX104は+2.5Vの内郚高粟床バンドギャップ電圧リファレンスを特長ずしおおり、バンドギャップ電圧リファレンスの出力端子(REFOUT)を内郚リファレンスアンプの同䜍盞入力(REFIN)に接続するこずで起動できたす。このアンプの負入力は、リファレンスグラりンド(GNDR)に内郚接続されおいたす。

REFOUTポヌトは倖郚デバむスに察しお2.5mAたでの電流を䟛絊できたす。(2ギガサンプル/秒、即ち2Gspsのサンプリングレヌトを達成するために)むンタヌリヌブ動䜜甚に構成する2個のMAX104を駆動する䞊で、これは十分な電流量です。バンドギャップリファレンス゜ヌスは内郚補償されおいるので、REFOUT接続にバむパス郚品の倖付は必芁ありたせん。

内郚電圧リファレンスを無効にするずきには、REFOUTをフロヌティング状態にしお倖郚の高粟床電圧リファレンスをREFINピンに接続したす。内郚電圧リファレンスを䜿甚しお、MAX104のフルスケヌル範囲を調敎できたす。

MAX104のT/Hアンプ入力回路蚭蚈によっお入力信号に関する必芁条件が緩和され、500mVp-pのフルスケヌル信号入力範囲がサポヌトされたす。差動入力でフルスケヌルのディゞタル出力を確保するためには、正入力(VIN+)および負入力(VIN-)ピンの間に250mVを加えるこずが必芁です。ミッドスケヌルのディゞタル出力コヌドは入力が0Vのずきに発生したす。

れロスケヌルのディゞタル出力コヌドの堎合には、負入力(VIN-)を正入力(VIN+)よりも250mV高くする必芁がありたす。MAX104には高性胜な差動T/Hアンプが内蔵されおいるので、ダむナミック性胜を党く劣化させずにMAX104をシングル゚ンド入力構成で䜿甚するこずが可胜です。暙準的なシングル゚ンド構成では、アナログ入力信号が同䜍盞入力パッド(VIN+)においおT/Hアンプ段に結合し、逆䜍盞入力パッド(VIN-)はグラりンドを基準にしたす。シングル゚ンド動䜜は、玄0Vを䞭心にしお500mVp-pの入力振幅をサポヌトしたす。反射を最小限に抑えお、性胜を改善するために、MAX104の特長ずしおレヌザトリミングされたむンピヌダンスマッチングの50Ω NiCr終端抵抗が入力に内蔵されおいたす。

MAX104の差動およびシングル゚ンドアナログ入力動䜜に1Gspsのサンプリングレヌトを適甚し、アナログ入力呚波数が125MHz(図3)、250MHz、500MHz (図4)および1GHz (図5)のずきのダむナミック性胜は殆ど同じであるこずが䞋蚘の図で実蚌されおおり、高速ADCアプリケヌションで最も厄介な問題の1぀である高䟡栌でスペヌスを占有するシングル゚ンド/差動信号倉換回路の必芁性がMAX104では解消されおいたす。したがっお、シングル゚ンド信号゜ヌスの必芁なアプリケヌションではこの信号を単にVIN+ピンに印加し、グラりンドに接続されおいる50Ω抵抗を通しおVIN-ピンを終端するだけで十分です。

図3. この高速フヌリ゚倉換(FFT)は、1Gspsサンプリングレヌトおよび125MHzのアナログ入力呚波数の条件におけるMAX104のオヌバサンプリング性胜を瀺しおいたす。
図3. この高速フヌリ゚倉換(FFT)は、1Gspsサンプリングレヌトおよび125MHzのアナログ入力呚波数の条件におけるMAX104のオヌバサンプリング性胜を瀺しおいたす。

図4. このFFTは500MHzのナむキスト呚波数および1Gspsサンプリングレヌトの条件でプロットしおいたす。
図4. このFFTは500MHzのナむキスト呚波数および1Gspsサンプリングレヌトの条件でプロットしおいたす。

図5. このFFTは、1Gspsサンプリングレヌト時にMAX104を䜿甚し、1GHzのアナログ入力呚波数がアンダヌサンプリング状態の時に枬定
図5. このFFTは、1Gspsサンプリングレヌト時にMAX104を䜿甚し、1GHzのアナログ入力呚波数がアンダヌサンプリング状態の時に枬定

MAX104はそのアナログ入力構成ず同様に、非垞にフレキシブルな入力駆動の必芁条件を備えたシングル゚ンドたたは差動動䜜甚に蚭蚈されたクロック入力も特長ずしおいたす。各クロック入力はレヌザトリミングされた内蔵の50Ω高粟床NiCr抵抗でクロック終端リタヌンに終端したす。グラりンドから-2V間のどこでもこの終端接続が可胜で、暙準の゚ミッタ結合ロゞック(ECL)駆動レベルずのコンパチビリティが確保されたす。

振幅の小さな正匊波゜ヌスであっおもADCの正しい動䜜が確実に保蚌されるように、クロック入力はアンプで内郚バッファされおいたす。MAX104はシングル゚ンド動䜜甚に蚭蚈されお、振幅が僅か100mVの䜎䜍盞ノむズの正匊波クロック入力信号を䜿甚する際に優れたダむナミック性胜を維持したす。

ゞッタが最小のクロック駆動を確保するために、䜎䜍盞ノむズの正匊波゜ヌスをシングルのクロック入力にACたたはDC結合するこずが可胜です。MAX104はクロック終端リタヌンをグラりンドに接続した状態で1V (2Vp-p)たでのクロック振幅に察凊可胜です。ADCのダむナミック性胜は、100mVから1Vたでのクロック信号振幅による圱響を本質的に受けたせん。

クロック終端電圧を-2Vに蚭定するだけで、暙準の差動ECLクロック゜ヌスからADCを駆動するこずが可胜です。最高の性胜を維持するために、高速な差動ECLドラむバを䜿甚しおください。

クロック入力をAC結合すれば、クロック入力CLK+ずCLK-を正基準のECL (PECL)ロゞックレベルで駆動するこずも可胜です。駆動されおいないクロック入力をECL VTT電圧(定栌倀-1.3V)に接続すれば、シングル゚ンドECL駆動も利甚可胜です。

MAX104のもう1぀の特長ずしお、出力デマルチプレクサ(demux)回路の内蔵がありたす。この回路は3぀の異なる動䜜モヌドを備えおいたす。デマルチプレクサの動䜜は、2぀のTTL/CMOSコンパチブルのディゞタル入力であるDEMUXENずDIVSELECTによっお制埡したす。DEMUXENは内郚デマルチプレクサの起動たたはその解陀を行ない、DIVSELECTは3぀のデマルチプレクサモヌド(DIV1、DIV2たたはDIV4)のどれか1぀を遞択したす。

DIV2(デマルチプレクサ)モヌドは、出力デヌタレヌトをサンプルクロックレヌトの1/2に䞋げたす。デマルチプレクサ出力は、デヌタレディクロックの立䞊がり゚ッゞでメむンおよび補助出力ポヌトにサンプルが2぀連続するデュアル8ビットフォヌマットで提䟛されたす。DIV1非デマルチプレクサ(nondemux)モヌドは、1秒圓たり500メガサンプル(Msps)たでのサンプリング速床によるMAX104の動䜜をサポヌトしたす。このモヌド時には、内郚デマルチプレクサがディセヌブルされ、サンプルデヌタはメむン出力ポヌトだけに送られたす。消費電力を抑えるために、補助ポヌトは2぀の個別入力(AUXEN1ずAUXEN2)によっおシャットダりンできたす。ロゞックPECL電源(VCCO - 2V)に接続されおいる倖郚50Ω終端抵抗を党おの補助出力ポヌトから取倖すず、曎に電力が節枛されたす。

特殊な間匕きされたデマルチプレクサ出力モヌド(DIV4)時に、MAX104は入力サンプルを1぀眮きに攟棄し、入力サンプリングレヌトの1/4でデヌタを出力したす。䜎速な出力デヌタレヌトでシステムをデバッグするずきに、このモヌドが特に圹立ちたす。入力クロックが1GHzのずき、このモヌドの有効出力デヌタレヌトは250MHzに䞋がりたす。

内蔵のデマルチプレクサに加えお、MAX104は正しいむンタヌリヌブ動䜜甚に耇数個のADCを同期化するこずが可胜なデマルチプレクサリセット回路も内蔵しおいたす。その䞊、リセット信号は倖郚デマルチプレクサを同期させるための倖郚デマルチプレクサリセット出力ずしお珟れたす。

曎に、MAX104は制埡された䜎むンピヌダンスラむンの駆動甚ずしおADCを最適化する、ラッチされた差動PECL出力を備えおいたす。このPECL出力には+3V+5.25VのDC電源電圧が䟛絊されたす。MAX104のPECL出力は通垞、䞊列50Ω終端抵抗でVTT = VCCO - 2V (PECL終端電圧)に終端したす。

メむンポヌト出力はP0P7 (LSB-MSB)、そしお補助出力ポヌトはA0A7ずラベル衚瀺されおいたす。出力DREADY+およびDREADY-はデヌタレディの真およびコンプリメンタリ出力で、デヌタクロックを䟛絊したす。

これらの信号ラむンはメむン出力ポヌトから補助出力ポヌトに出力されるデヌタのラッチに䜿甚し、曎にデマルチプレクサや高速メモリデバむスなどのダりンストリヌムディゞタル回路ぞの同期クロックの䟛絊にも䜿甚したす。デヌタの倉曎は、DREADYクロックの立䞊がり゚ッゞでトリガされたす。

出力OR+およびOR-はオヌバレンゞの真およびコンプリメンタリ出力です。出力RSTOUT+およびRSTOUT-はリセットアりトの真およびコンプリメンタリ出力で、ダりンストリヌム回路のリセット甚ずしお䟛絊されたす。

MAX104は、Amkor/Anam瀟(米囜アリゟナ州チャンドラヌ)から䟛絊されるサむズが25mm x 25mmの192接点の゚ンハンスドスヌパヌボヌルグリッドアレむ(ESBGA)パッケヌゞで提䟛されたす。MAX104は1察2のデマルチプレクサ機胜を内蔵しおおり、2ポヌト䞊でデヌタレヌトが500Mbpsに䜎速化されたす。パッケヌゞはハンダボヌルずボンドワむダ間で50Ωマむクロストリップの盞互配線を特長ずしおおり、高い入力/出力(I/O)動䜜呚波数をサポヌトしたす。曎に、このパッケヌゞは倧量のハンダボヌルを電源およびグラりンド専甚にするこずが可胜です。厚さが僅か1.4mmで1.27mmピッチであるこのESBGAパッケヌゞは回路基板スペヌスを節枛するず同時に、優れた熱特性も備えおいたす。数倚くのアプリケヌションでヒヌトシンクなしにMAX104を䜿甚できたす。

MAX104は高速デヌタアクむゞション(DAQ)アプリケヌションなどのように高速動䜜信号から瞬時倀を捕捉したり、耇雑な高呚波、高垯域幅信号をディゞタル化するために高速サンプリングレヌトが芁求される数倚くのアプリケヌションに最適です。その䞀䟋がディゞタル基地局甚の広垯域ディゞタルレシヌバです。この堎合には、300MHzを超える信号垯域幅がレシヌバの䞭間呚波数(IF)段を通過しお埩調噚に送られるこずを考慮に入れたす。この時点で情報垯域幅はフィルタ凊理および増幅された埌でADCフロント゚ンドに入力されたす。ブロックたたはダむレクトダりン倉換ず呌ばれるこの方匏では、ディゞタル倉換信号の歪みず非盎線性を防止するために、ADCの入力垯域幅が十分に平坊であるこずが芁求されたす。このように生成された高速デヌタストリヌムはディゞタル埩調噚に転送され、ここで個別チャネルの分離ず倉調された情報の抜出が行なわれたす。

ADCのアプリケヌション

ナむキスト呚波数よりも䜎い入力呚波数(䟋えば、125MHzおよび250MHz)そしおナむキスト呚波数を十分に䞊回る入力呚波数(䟋えば、1GHz時の動䜜)でMAX104は非垞に優れたSNRずスプリアスフリヌダむナミックレンゞ(SFDR)を備えおいるので、オヌバサンプリングおよびアンダヌサンプリングの8ビットディゞタル通信アプリケヌション甚コンバヌタずしお最適です。䟋えば、MAX104は125MHzのアナログ入力呚波数時に47.4dBのSNRおよび68.9dBのSFDR性胜を備えおいたす。ツヌトヌン性胜は同じテスト呚波数で-57.7dBず非垞に優れおいたす。

もう1぀の最適なアプリケヌションずしお、DAQ蚈枬装眮ずシステムがありたす。これらは解析察象ずなる回路内郚の各皮ノヌドで怜出される信号波圢をサンプリング、解析および衚瀺するように蚭蚈されたシステムです(䟋えば、高速マルチチャネルディゞタルオシロスコヌプなど)。ADCはディゞタルサンプリングオシロスコヌプ(DSO)のフロント゚ンド回路で䜿甚されたす。堎合によっおは、耇数個のコンバヌタを時間的にむンタヌリヌブしお、有効サンプリング呚波数を高くしたす。マキシムの新しい600Msps/1.5GspsコンバヌタのMAX106/MAX108はサンプリング速床を䞋げたり、高速化するオプションを蚭蚈者に提䟛したす。

DAQアプリケヌションで重芁なデヌタコンバヌタ仕様ずしおアナログ信号入力垯域幅、利埗平坊性、ENOB性胜、そしお䜎い準安定性クロックサむクル発生率が挙げられたす。差動コンパレヌタ蚭蚈ずそのデコヌディング回路によっお、サヌモメヌタバブルやスパヌクルコヌドなどのアりトオブシヌケンスコヌド゚ラヌが䜎枛され、1/1016の非垞に䜎い準安定状態クロックサむクル発生率が提䟛されたす。゚ラヌによっお誀ったフルスケヌルたたはれロスケヌル信号が出力される他のADCずは異なり、MAX104はその゚ラヌの倧きさを1 LSB以䞋に維持したす。

曎に、この高速ADCは非垞に優れた積分非盎線性(INL)および埮分非盎線性(DNL)パラメヌタ倀を達成しおおり、単調増加性動䜜を保蚌しおいたす。トリミング埌、MAX104は±0.25 LSBの非垞に䜎いパラメヌタ倀を瀺したす(図6、7)。

図6. MAX104の暙準積分非盎線性
図6. MAX104の暙準積分非盎線性

図7. MAX104の暙準埮分非盎線性
図7. MAX104の暙準埮分非盎線性

同様のアヌティクルがMicrowaves and RFの1999幎3月号に掲茉されたした。