ノンプログラミングでできる!振動計測ソリューションをスマホで遠隔監視(後)
はじめに
前回の連載では、MEMS加速度センサーで計測した「異常・正常ステータス」、「周波数」、「振幅」の3種類のデータを「conect+」へ送信する準備を行いました。
今回は「conect+」を使用して計測データをスマホアプリで表示させます。「conect+」はノンプログラミングでカンタンにIoTアプリを作れるクラウドサービスです。クラウド上で計測データを連携させることで「conect+」のスマホアプリで遠隔監視が可能です。
今回は「異常・正常ステータス」、「周波数」、「振幅」を表示する次のようなスマホアプリを作成します。
準備するもの
「conect+」の設定を行う作業用パソコン(Google Chrome、Safari、Microsoft Edgeの最新版)と、遠隔監視を行うスマートフォン(iPhone:iOS 10.1 以上、またはAndroid 5.0 以上)を用意します。
STEP. 1 「conect+」アカウントの準備
「conect+」のアカウントをお持ちでない場合は、ログイン画面から新規会員登録するか、もしくはSNSアカウントと連携させます。
「conect+」は無料でも利用可能ですが、今回の連載では有料プランの機能を使用しています。「conect+」の購入は30日間無料体験版が利用できるAmazon SaaSストアでの購入が便利です。購入方法は、conect+ Webサイト上の記事「IoTアプリ「conect+」をAmazon SaaSストアで買ってみた」で解説しています。
すでにアカウントをお持ちの方は、STEP. 2 へ進みます。
STEP. 2 プロジェクト作成
ログイン画面からログインすると、「conect+」の利用状況が確認できるダッシュボードが表示されます。製品ごとに設定するスマホアプリUIをプロジェクトという単位で管理していますので、ますはプロジェクトを作成します。
画面上部ヘッダーメニューの「クリエイト」をクリックします。
作成済みのサンプルプロジェクトが表示されますが、今回は「+」をクリックして新規作成します。
「基本情報」タブの「接続方法」で ”WebAPI” を選択し、「製品名」に任意の名前を入力します。今回は ”MEMS加速度センサー” と入力します。
続いて、「センサー」タブで今回表示させる「異常・正常ステータス」、「周波数」、「振幅」をセンサーとして追加します。
「センサー」タブを選択し「+」をクリックします。
ポップアップ表示された「センサー設定」で、「キー」に “machine1Status”、「センサー名称」に” 機器①動作状態” を入力し、「追加」をクリックします。
「周波数」、「振幅」も同様に追加します。
計測データ | キー | センサー名称 |
異常・正常ステータス | machine1status | 機器①動作状態 |
周波数 | machine1PeakFrq | 機器①ピーク周波数 |
振幅 | machine1PeakAmp | 機器①ピーク振幅 |
「画像」タブでの画像登録は必須ではありませんが、スマホアプリの表示に使用されますので、下記のようにセンサー画像を登録します。
すべての設定が完了したら、画面右上の「保存」をクリックします。
STEP. 3 WebAPI 設定の確認
ヘッダーメニューの「クリエイト」をクリックし、「プロジェクトリスト」を表示します。今回登録した” MEMS加速度センサー” の 「編集」 を選択して展開されるサブメニューから「WebAPI」をクリックします。
「WebAPI 設定」画面では、「conect+」とWeb接続するためのAPI仕様を確認できます。こちらの画面内の「計測データ保存API」を選択して表示されるURL(https:// 以降)をコピーします。次のSTEPでこのURLを「CANDY EGG」に設定します。
STEP. 4 「CANDY EGG」で「conect+」との連携設定
このSTEPは「CANDY EGG」での操作になります。「CANDY EGG」に送信された計測データを「conect+」に連携するための設定を行います。
「CANDY EGG」にログインし、前回作成したフローを表示します。
フロー上で「http request」を選択し、「URL」に STEP. 3 でコピーした「計測データ保存API」のURLを貼り付けます。
設定が完了したら「Done」、「Deploy」の順でクリックします。
これで「CANDY EGG」に送信された計測データを加工し、「conect+」に連携する準備は完了です。
STEP. 5 スマホアプリUIの設定
ヘッダーメニューの「クリエイト」をクリックし、「プロジェクトリスト」を表示します。今回登録した” MEMS加速度センサー”をクリックします。
表示された「ウィジェット」画面で、スマホアプリUIで使用するウィジェットの追加とセンサーとの連携設定を行います。「ウィジェット画面」は、画面左側の「ウィジェットフィルター」、「ウィジェット」と、画面中央の「アプリプレビュー」、画面右側の「詳細設定」で構成されています。
左側の「ウィジェット」で使用したいウィジェットをクリックしますと、「アプリプレビュー」に追加されます。追加したウィジェットにどのセンサーの計測データを表示させるかを「詳細設定」で設定します。
まずは、「異常・正常ステータス」を表示するウィジェットを設定します。
「周波数」を設定します。「周波数」では「詳細設定」の「最小」に “0”、「最大」に “100”、「単位(後)」に “kHz”を入力します。
「振幅」も同様に設定します。「振幅」では「詳細設定」の「単位(後)」に “dBFS”を入力します。
すべての設定が完了したら、画面右上の「保存」をクリックします。保存後に「プレビュー」をクリックすれば、ブラウザ上でスマホアプリUIのプレビューも可能です。
STEP. 6 スマホアプリの設定
用意したスマートフォンで「conect+」アプリをインストールします。
アプリを起動したら STEP. 1 で準備したアカウントでログインします。
ログイン後ヘッダーメニューから次のようにプロジェクトを追加します。
iOS版
Android版
プロジェクトを追加するとSTEP. 5 で設定したUIが表示されます。この画面で下記のようにデバイスと連携させます。「デバイス名」には” adxl100x-fft”を入力します。
スマホアプリUIを変更した場合は、下記の「同期」ボタンを選択するとスマホに同期されます。
以上で「conect+」の設定は完了です。
前回設定した機器を起動しデータ計測を開始すれば計測データがスマホアプリに連携され、次のように表示されます。
「conect+」のWeb画面上でデータの閲覧、CSVダウンロードが可能です。
まとめ
今回は第11回連載「ブラウザーでできる!振動計測ソリューションをクラウドアプリにしてみよう」で紹介した振動計測アプリケーションのクラウドアプリ化の応用編として、スマホでの遠隔監視をできるようにしました。
センサーで計測したデータを、携帯回線を通じてクラウドに保存し、保存したデータをスマートフォンで表示するという基本的な構成ですが、様々な技術要素が必要となります。
それらすべてをゼロから構築するのは難しいですが、複数のサービスを組み合わせることで簡単にIoTアプリを構築、体験することが可能です。
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