DN-223: 最大出力±35V、消費電流わずか20µAのSOT-23 DC/DCコンバータ

今日の携帯用機器では、最小の電源電流で動作する小型の電源ソリューションが求められています。これらのニーズに応えるために、リニアテクノロジー社はLT®1615、LT1615-1、LT1617、LT1617-1マイクロパワーSOT-23DC/DCコンバータを紹介します。これらのデバイスは、入力電圧範囲は最小1Vから、出力電圧範囲は最大±35Vであり、きわめて柔軟に電源設計を行うことができます。

LT1615とLT1615-1は正出力電圧を安定化するように設計されており、LT1617とLT1617-1は帰還レベル・シフト回路なしで、負出力電圧を直接安定化するように設計されています。LT1615とLT1617の電流制限は350mA、最小入力電圧は1.2Vです。他方、LT1615-1とLT1617-1は電流制限が100mAとこれらより低く、最小入力電圧は1Vです。4個のコンバータはすべて小型、ロープロフィール・インダクタおよびコンデンサを使用して、システム全体の実装面積とコストを抑えています。これらのデバイスの消費電流はわずか20µA、シャットダウン電流は0.5µAで、どのバッテリ駆動アプリケーションでも極限まで寿命を延長します。

±20Vデュアル出力コンバータ、出力分断機能付き

今日、ほとんどの携帯機器が液晶ディスプレイ(LCD)を使用しています。LCDに必要なバイアス電圧はメーカーによって大幅に異なります。一般に、(正または負の)9V~25Vの単一電源が必要ですが、正電源と負電源の両方が必要なLCDもあります。図1に正と負の両方の電源を必要とするLCDバイアス・アプリケーションに理想的な±20Vデュアル出力コンバータを示します。両出力ともチャージ・ポンプで生成されるので、LT1617がターンオフすると両方の出力がともに入力から切り離されます。これらの電源は同じ方法で生成されるので、この回路は優れたクロス・レギュレーションを達成します。すなわち、出力電流が5倍異なる場合、正出力電圧と負出力電圧の差は1%未満です。出力電流が10倍異なる場合には、出力電圧の差は2%未満です。正出力の安定化がより重要な場合は、LT1615を使用して同様な回路を実現できます。図2に示すとおり、新品の4セル・アルカリ電池での効率は78%に達します。

図1. ±20Vデュアル出力コンバータ、出力分断機能付き

図1. ±20Vデュアル出力コンバータ、出力分断機能付き

図2. ±20Vデュアル出力コンバータの効率

図2. ±20Vデュアル出力コンバータの効率

24V昇圧コンバータ

図3に正のバイアス電圧のみ必要なLCDアプリケーションに理想的な回路を示します。この24V昇圧コンバータは、ほとんど放電したリチウムイオン電池1セルから10mAの電流を供給します。このコンバータでは1.5Vという低い入力電圧を使用できますが、出力電流能力は5mAに低下します。コンバータの効率を図4に示します。

図3. 24V昇圧コンバータ

図3. 24V昇圧コンバータ

図4. 24V昇圧コンバータの効率

図4. 24V昇圧コンバータの効率

1Vから35Vの昇圧コンバータ

図5の回路からLT1615-1の入力電圧範囲と出力電圧範囲がきわめて広いことが分かります。図に示すとおり、この回路は1~4セルのアルカリ電池、または1セルのリチウムイオン電池で動作します。この回路の最大入力電圧は、入力コンデンサC1の電圧定格6.3Vで制限されます。LT1615-1は、最大15Vの入力電圧で動作可能です。出力電流は1Vの最小入力によって制限されます(このコンバータは3V入力で2mAを供給可能)。大きな出力電流が必要で、1V入力から動作する必要はない場合には、LT1615-1の代わりにLT1615を使用して最大出力電流を3倍に増やすことができます。

図5. 1Vから35Vの昇圧コンバータ

図5. 1Vから35Vの昇圧コンバータ

1セルから3Vの昇圧コンバータ

LT1615-1を使用するアルカリ電池1セルから3Vの昇圧コンバータを図6に示します。このコンバータは15mAの出力電流を供給可能で、ボード面積は6.3mm×7.9mm(0.5cm2)以下です。コンバータの効率については、図7を参照してください。新品のアルカリ電池1セルの場合、効率は75%に達しています。

図6. アルカリ電池1セルから3Vの昇圧コンバータ

図6. アルカリ電池1セルから3Vの昇圧コンバータ

図7. 1セルから3Vの昇圧コンバータの効率

図7. 1セルから3Vの昇圧コンバータの効率

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Bryan Legates