

3D TIME OF FLIGHT(TOF)
3D TIME OF FLIGHT(TOF)
アナログ・デバイセズの3D Time of Flight(ToF):
3D Time of Flight(ToF)は、スキャナを使用しないLIDAR(光による検出および測距)の1つで、ナノ秒間隔の高出力光パルスを使用して対象となるシーンから深度情報(一般的に短い距離間)を取得します。
その関連技術である3D間接Time of Flight(iToF)は、ピクセル・アレイを使用した深度イメージング・システムで、高出力で周波数固定の変調連続波レーザー光によって対象となるシーンを照明し、深度情報を取得します。
アナログ・デバイセズは、産業用ビジョン・システムおよびカメラの性能向上を実現する信頼性に優れた業界最高の製品とソリューションを提供します。これらの製品には、高分解能CMOSイメージング・チップ(1メガピクセル)、深度演算、ミリメートル精度の処理、レーザー・ドライバ、パワー・マネージメント、およびToFとiToFソリューションの迅速な運用に役立つ開発ツールとソフトウェア/ファームウェアなどが含まれます。また、アナログ・デバイセズは、受賞歴のあるADTF3175 ToFモジュールとADSD3500 ToF深度イメージ・シグナル・プロセッサを組み合わせ、包括的な深度カメラのソリューションを提供します。
産業用ビジョン・モジュールやカメラの開発、および設計サービスにおいてグローバルなパートナー企業のネットワークを活用し、アナログ・デバイセズは市場投入と収益獲得までの時間短縮に貢献します。
3次元を活用する
3D Time of Flight技術は、コンテキスト認識を可能にし、スタティックな2Dのインタラクションから没入感に優れる3D体験へと移行させる動的なインターフェースを実現します。物理的な世界とデジタル世界を結び付け、仕事、遊び、学習、健康、コマース、エンターテイメントなどを一変させるアナログ・デバイセズのToFシステムについてご覧ください。

Time of Flight技術の概要
産業用ビジョン・カメラは、レーザーなどの変調された光源を使用して物体を照明し、距離を測定します。そしてレーザー波長に感度を持つセンサーによって反射した光を捕えます。センサーは、光が出射されてからカメラが反射光を捕えるまでの時間遅延∆を測定します。時間遅延は、カメラと物体間の距離の2倍(往復)に比例します。これにより、深度= cΔ/2から距離を見積もることができます。ここで、cは光の速度です。
∆Tを測定するために広く用いられている方法は、連続波(CW)を使用する間接的な方法(iToF)と、パルス波を使用する直接的な方法(dToF)の2つです。CWベースのiToF製品は、dToF製品と比較して高い深度精度を備え、パワーと深度のキャリブレーションが容易です。また、CMOS CWベースのiToF製品は、±3mmの分解能と高い角度分解能を実現します。
Microsoft Corp.からライセンス供与を受けるクラス最高の3Dイメージング技術を活用し、アナログ・デバイセズはCMOS CWベースのiToF製品にフォーカスした新しいポートフォリオを追加しました。アナログ・デバイセズは、同社の技術的経験にMicrosoftのAzure Kinect技術を組み合わせ、最高の深度精度、長距離の測定、および最少の消費電力であらゆる環境で動作する堅牢性を備えた最先端のiToFソリューションを提供します。
3D Time of Flight評価用キット
EVAL-ADTF3175D-NXZ ToF評価用キットは、アナログ・デバイセズの深度ISPであるADSD3500とADTF3175モジュールを搭載しています。同キットはイーサネットに対応しており、USBでPCと接続して深度データの可視化、取得、後処理をリアルタイムで実行します。同キットには、アプリケーション開発用にホストPCソフトウェア(Windows用)とオープンソースのマルチプラットフォームSDKが同梱されています。

主要なアプリケーション領域に提供される価値

産業オートメーション
深度センサーの利用は、製造、輸送、およびロジスティクスにおいてますます広く普及しつつあります。資産管理のために行う品質検査や体積測定用の産業用マシン・ビジョンから、製造を自動化するためのナビゲーションに至るまで、製造業では深度センシング技術を採用して、産業用の過酷な環境向けに設計された高分解能のシステムに移行しつつあります。

ロボット

ロジスティクスおよび小売店の自動化
eコマースの急速な成長に伴い、顧客のニーズに対応するには、ロジスティクスの先端技術と自動化技術によって倉庫における物品の処理能力を増強させることが重要です。3Dイメージング技術は、箱や物品の寸法を測定する工程を効率化し、処理能力向上に貢献するだけでなく、貨物の利用率を改善することで物品の輸送効率も向上させることができます。これにより、持続可能性の目標達成に貢献します。

コンスーマ
拡張現実(AR)や仮想現実(VR)用のヘッドセットから、高解像度の立体映像による3D映画の撮影に至るまで、ToFは次世代のコンスーマ・エレクトロニクスにおいて重要な技術です。AR/VRヘッドセットでは、ToFシステムで取得した深度情報によって、ユーザに3D画像によるリアリティを提供します。映画品質の立体映像を実現するため、従来のRGBカラー・センサーにイメージング用の高解像度ToF技術を組み合わせることで、高精度の3Dシーン・レンダリングが可能になり、高品質の撮像効果が得られます。これにより、さらにリアルなAR/VR機能を実現できます。

オートモーティブ
次世代の自動車では、車内に設置したToFシステムによって運転手や同乗者の姿勢と状態をモニタし、運転手が運転できなくなった場合には、制御を引き継いで自動車を操縦することにより安全性を確保します。また、ToF技術は、自動車のユーザ・インターフェースにおいてジェスチャ制御システムを実現します。これにより、運転手が手や指で簡単なジェスチャを行うことで、かかってきた電話に出たり、オーディオ入力ソースを切り替えたり、さらには空調を制御したりできるようになります。

ヘルスケア
ToF技術は、MR、CT、X線スキャンといった重要な検査を実施する際に患者の姿勢を調整する医療スタッフの助けとなる、理想的なソリューションを提供します。作業における患者の位置精度は、医学的な診断の信頼性に影響を与える可能性があると共に、再検査や放射線の照射量の削減にも貢献できます。
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プレス・リリース
- アナログ・デバイセズ株式会社、新役員人事を発表 中村 勝史が社長、馬渡 修が会長に就任
- 最先端の3Dイメージング製品およびソリューションの量産に関する Microsoftとの提携を発表
- 回路設計エンジニア向け「アナログ技術セミナー2020 ONLINE」を10月14日、15日に開催
- スワローインキュベート社の人物/視線認識ソフトウェアに対応した、 同社製品を搭載したToFカメラ向けデモンストレーションソフトを共同開発
- アナログ・デバイセズ、同社製品を搭載したToFカメラ向けに、Kudan社のKudan SLAMに対応した3D SLAMのデモンストレーションソフトを共同開発