LED舞台/建築照明の色制御:I2C制御により高出力1A RGBW LEDを4個使用した簡単かつ正確な13ビット・カラー

赤、緑、青(RGB)のLEDを建築照明や舞台照明用のシステムに使用すれば、鮮やかな色を投影することができます。色相、彩度、明度に関わる色の範囲を広げるために、白色LEDがRGBミックスに加えられることもあります(図1)。カラー成分の数に関わらず、希望どおりの色を実現したり、LED間の色の違いを補正するには、各カラー成分の明度を正確に制御する必要があります。使用できる色の数は、各カラー成分で分解可能な明度レベル数によって決まります。一部のシステムは、全明度の1/256(8ビット)の分解能を備えています。より高い分解能も実現可能で、更に多くの色を表現、制御することが可能です(図2)。

図1. Cree XM-L RGBW高出力LEDは2個のLT3964 LEDドライバで駆動でき、チャンネルあたり1:8192の正確な調光が可能。

図1. Cree XM-L RGBW高出力LEDは2個のLT3964 LEDドライバで駆動でき、チャンネルあたり1:8192の正確な調光が可能。

図2. I2C制御されたLT3964 RGBW LEDドライバを使用すれば、舞台や建築用の照明設備に使われる高出力LEDに対して、これまでにないカラー制御が可能です。ドライバ・ソリューションのカラー分解能は通常8ビットですが、LT3964ベースのソリューションは13ビットの分解能が可能で、これは、本稿に示す降圧ドライバ・セットアップを使用して容易に実現可能です。

図2. I2C制御されたLT3964 RGBW LEDドライバを使用すれば、舞台や建築用の照明設備に使われる高出力LEDに対して、これまでにないカラー制御が可能です。ドライバ・ソリューションのカラー分解能は通常8ビットですが、LT3964ベースのソリューションは13ビットの分解能が可能で、これは、本稿に示す降圧ドライバ・セットアップを使用して容易に実現可能です。

LEDの広い明度範囲を最も正確に制御する方法は、PWM調光制御を使用することです。RGBWシステムには、PWM調光クロックとデジタル・レジスタ(調光比の設定用)を内蔵したLEDドライバが最も適しています。多くの異なるRGBW LEDをコンポーネントに持つ大規模で複雑なシステムでは、シリアル通信バスがあれば、デジタル的に強化されたLEDドライバ内にあるこれらのレジスタを、オンザフライで設定することができます。

図3に、RGBW LEDの駆動と調光を行う2つの方法を示します。最初の例はマトリクスLED調光ソリューションで、これは、最近までRGBW LEDの高出力アレイをデジタル制御するための最良の方法とされてきました。もう1つの例が直接駆動ソリューションで、1色に1個ずつ合計4個(R、G、B、W)の独立したデジタル強化型LEDドライバを使用するソリューションで、より正確かつ効率的な制御が可能で、リップルも小さく抑えられます。

図3. 大規模RGBW LEDアレイにおける電源供給とカラー制御(成分調光)のための2つの方法:(a) LT3965を使用したマトリクス調光回路、(b) LT3964直接駆動ソリューション。LT3964使用の非マトリクス・ソリューションは、優れたカラー制御機能とソリューション効率、小さいリップルが特長です。

図3. 大規模RGBW LEDアレイにおける電源供給とカラー制御(成分調光)のための2つの方法:(a) LT3965を使用したマトリクス調光回路、(b) LT3964直接駆動ソリューション。LT3964使用の非マトリクス・ソリューションは、優れたカラー制御機能とソリューション効率、小さいリップルが特長です。

このようなシステムでは、図2に示すように各LEDあるいはストリングのLED電流やPWM調光が、それぞれの専用LEDドライバと制御信号によって駆動されます。マトリクス調光ソリューションでは、1つのLED調光回路で最大8個のLEDのPWM電流を制御します。他にこのシステムで必要となるのは、高電圧ラインと、LEDストリングを駆動する低出力のコンデンサ降圧型LEDドライバです。高電圧レールには追加の昇圧レギュレータが必要になることがあり、(低出力コンデンサ降圧回路からの)LED電流に大きいリップルが生じる可能性があります。

多数のRGBW LEDを使用する照明システムにはかなりの数のドライバが必要で、更にこれらのドライバの制御信号を同期させる必要があります。最も高い性能を得るための方法は、システムを構成するそれぞれのLEDを、専用の高性能LEDドライバで直接制御することです。この方法では、最小限のリップルと最大限の予測可能性で、PWM調光とすべてのLEDのDC電流および電圧を制御することができます。この種のシステムは、シリアル・バス経由で制御するLT3964デュアル降圧LEDドライバを使って容易に実装することができます。

I2C調光制御を行うデュアル降圧LEDドライバ

I2Cによる制御とレポーティングを行うLT3964デュアル降圧LEDドライバは、シリアル通信を介して大電流広帯域幅のLEDやLEDストリングを複数駆動するのに最適なソリューションです。降圧レギュレータは本質的に広帯域幅で、1つのパッケージ内に36V 2MHzの同期高周波数降圧型LEDドライバを2個備え、内蔵の2Aスイッチにより、複数チャンネルの大電流LEDをLT3964で比較的容易に駆動することができます。

I2Cシリアル通信機能は、それぞれのLT3964によってサポートされる2つの独立した大電流LEDチャンネルのアナログ調光とPWM調光の両方を容易にし、1つのI2Cバス上で最大8個の異なるLT3964を使用することができます。例えば、図4に示す2MHzデュアル1A降圧LEDドライバ回路の例は、効率が高くサイズが非常に小さいことが特長です。この回路は、データシートに示すように、34V~36V入力から1チャンネルあたり30VまでのLEDに対し90%以上の効率で電源を供給するように変更できます。

図4. 2MHzデュアル1A(以上)降圧LEDドライバのデモ回路DC2424Aは、高い効率とコンパクトなレイアウトが特長です。この回路は、データシートに示すように、34V~36V入力から1チャンネルあたり30VまでのLEDに、90%以上の効率で電源を供給するように変更できます。

図4. 2MHzデュアル1A(以上)降圧LEDドライバのデモ回路DC2424Aは、高い効率とコンパクトなレイアウトが特長です。この回路は、データシートに示すように、34V~36V入力から1チャンネルあたり30VまでのLEDに、90%以上の効率で電源を供給するように変更できます。

13ビットRGBWカラー制御

図5に示すように、2個のLT3964ドライバがあれば、1個または1ストリングのRGBW LEDを1A(またはそれ以上)で十分に駆動することができます。一般に、RGBWカラーは1:256(8ビット)の分解能で制御されますが、LT3964は各チャンネルについて最大1:8192(13ビット)のPWM調光と1:10のアナログ調光を行うことができます。これらはすべてI2Cにより制御します。

図5. 2個のLT3964ドライバを組み合わせて使用すれば、1つのRGBW LEDまたはRGBW LEDストリングを1A以上で駆動できます。それぞれのRGBWカラー成分は調光分解能によって制限され、分解能は通常1/256、つまり8ビットです。LT3964ベースのソリューションでは分解能をこれよりはるかに高い値とすることが可能で、各チャンネルで最大1/8192(13ビット)のPWM調光と1/10のアナログ調光を行うことができます。これらはすべてI2Cで制御します。

図5. 2個のLT3964ドライバを組み合わせて使用すれば、1つのRGBW LEDまたはRGBW LEDストリングを1A以上で駆動できます。それぞれのRGBWカラー成分は調光分解能によって制限され、分解能は通常1/256、つまり8ビットです。LT3964ベースのソリューションでは分解能をこれよりはるかに高い値とすることが可能で、各チャンネルで最大1/8192(13ビット)のPWM調光と1/10のアナログ調光を行うことができます。これらはすべてI2Cで制御します。

この直接駆動法では各チャンネルが完全に独立しているので、システムを構成するRGBW LEDの明度や電圧を大きく変化させることができます。この例では、1つのCree RGBW LEDが、出力がそれぞれ1Aの4つのLT3964チャンネルで駆動されます。デジタル・レジスタをわずかに変更することによって明度と色の制御を1:8192のPWM調光に拡大でき、更に赤、緑、青、白のLEDそれぞれに1/10のアナログ調光を行うことができます。実際の色に関する唯一の制限は、LED自体の制限によるものです。更に、カラー・ミキシングの範囲が極めて広いので、必要であればLEDの色補正を行うことも可能です。

容易な大規模アレイ同期と低リップル動作

内蔵の同期パワー・スイッチと2MHzのスイッチング周波数によって非常に小型のソリューションが実現し、各LEDチャンネルのインダクタとセラミック出力コンデンサも小型化されます。LT3964のCLKOUTピンとSYNCピンを使用することで2個のICを同期し、不要なビート周波数を防ぐと共に、シリアル通信を通してPWM調光のタイミングを一定に維持することができます。これにより、外部クロッキング・ソースからICをクロックする必要がなくなり、ソリューションがシンプルになります。

図6は、2個のICを使ったこの4チャンネル・ソリューションにおける低リップルの出力電流と、リップルがより大きい上述のマトリクスLED調光ソリューションを対比したものです。LT3964を使用した非マトリクス方式の直接駆動ソリューションによるLED電流波形のほうが、マトリクス調光ソリューションによる波形よりもクリーンなことは明らかです。マトリクス調光ソリューションでは、出力コンデンサが小さいためリップル成分が大きくなっています。

図6. 2個のデュアル降圧LEDドライバを使用する4チャンネルのソリューションでは、マトリクスLED調光ソリューションよりもリップル電流が小さくなります。LT3964は、マトリクス調光ソリューションよりもクリーンなLED電流波形を実現します。

図6. 2個のデュアル降圧LEDドライバを使用する4チャンネルのソリューションでは、マトリクスLED調光ソリューションよりもリップル電流が小さくなります。LT3964は、マトリクス調光ソリューションよりもクリーンなLED電流波形を実現します。

柔軟で使いやすい降圧方式

LT3964は、5色以上の成分を必要とするシステムに対応できる十分な柔軟性を備えています。RGB(W) LEDの色域を図7に示します。より広い色範囲が必要とされる場合は、アンバー、追加の緑、またはシアンなど、更に2つのLED素子を追加することができます。追加のカラー成分を駆動するには、単純にLT3964をもう1つ同じI2Cバスに接続します。

図7. 可視範囲の色域には、RGB色域で再現できない色が含まれています。範囲を広げる必要がある場合は、LT3964を同じI2Cバスに追加して接続することにより、アンバー、追加の緑、あるいはシアンなどの追加LED素子を2つ加えることができます。

図7. 可視範囲の色域には、RGB色域で再現できない色が含まれています。範囲を広げる必要がある場合は、LT3964を同じI2Cバスに追加して接続することにより、アンバー、追加の緑、あるいはシアンなどの追加LED素子を2つ加えることができます。

すべてのRGBWカラー・ミキシングLEDシステムが、モノリシックRGBW LEDチップを使用しているわけではありません。一部のシステムでは、赤、緑、青の個別LEDストリングが、より大きく明るい固定具に組み込まれています。LEDストリングの電圧が入力電圧未満に止まる限り、それぞれのLT3964降圧チャンネルによって異なる電圧のLEDストリングを駆動することができます。1つのLT3964チャンネルは、電流が1A以上で最大電圧30VまでのLEDストリングを駆動することができます。

I2Cシリアル通信

LT3964 LEDドライバでアナログ調光とPWM調光を制御する場合は、2つのオプションがあります。1つ目のオプションは、シリアル・バスを使わずに外部電圧で調光ピンを直接駆動することです。非I2Cモードでは、LEDのアナログ調光用に調整可能なDC電圧でCTRL1ピンとCTRL2ピンが駆動され、PWM1ピンとPWM2ピンはLEDのPWM調光明度に対応するデューティ・サイクルのパルス信号で駆動されます。この方法では、LED PWM周波数がPWMピン入力に同期され、LED明度とLED電流のデューティ・サイクルはPWMピンの入力パルスに合わせられます。より大規模なシステムではチャンネル数が増加し、PWM調光とアナログ調光との組み合わせを生成することが複雑になりがちです。

もう1つの方法はより効果的な方法となり得るもので、I2Cなどのシリアル通信バスを使用してそれぞれのLEDチャンネルまたはストリングを制御します。この方法では単純な2線式I2Cバスを使用して、小型マイクロコントローラのような1つのマスタ・デバイスから、8つの異なるスレーブ・デバイスの機能を制御します。最大400kHzの速度で動作するI2Cバス・マスタに求められるのは、LT3964スレーブ・デバイス上にある9個の各レジスタを更新するために3つのバイトを生成することだけです。9個のレジスタは、PWMレジスタが4個、アナログ調光レジスタが2個、障害設定用のステータス・イネーブル・レジスタが1個、障害読出し用のステータス・レジスタが1個、いくつかのグローバル機能を設定するための設定レジスタが1個です。I2C書込みコマンドの3つのバイトには、アドレス、サブアドレス、およびデータ・ワードが格納されます。LT3964のシリアル通信に使われる様々なI2C書込みワードと読出しワードを図8に示します。

図8. LT3964 I2Cシリアル通信は、標準のI2C書込みおよび読出しワードを使用します。

図8. LT3964 I2Cシリアル通信は、標準のI2C書込みおよび読出しワードを使用します。

LT3964は、I2Cを使用する13ビット(1:8192)のPWM調光機能を備えています。PWM調光のデューティ・サイクルと周波数は、図9に示すように、各チャンネルの2つのPWM調光レジスタへの書込みによって設定されます。これによって得られるILEDの波形を図10に示します。一連の迅速なI2C書込みによって、最大16個の異なるチャンネル(それぞれ2チャンネル、合計8アドレス)を簡単に更新することができます。

図9. LT3964は、I2Cを使用する13ビット(1:8192)のPWM調光機能を備えています。PWM調光のデューティ・サイクルと周波数は、各チャンネルの2つのPWM調光レジスタへの書込みによって設定されます。ここでは、チャンネル2が1:8192調光に、チャンネル1が128:256のアナログ調光に設定されています。

図9. LT3964は、I2Cを使用する13ビット(1:8192)のPWM調光機能を備えています。PWM調光のデューティ・サイクルと周波数は、各チャンネルの2つのPWM調光レジスタへの書込みによって設定されます。ここでは、チャンネル2が1:8192調光に、チャンネル1が128:256のアナログ調光に設定されています。

図10. 1:8192調光を示すILED波形。

図10. 1:8192調光を示すILED波形。

PWM調光制御に加えて、各チャンネルは8ビットのアナログ調光レジスタを備えており、これらのレジスタは1つの書込みコマンドで更新することができます。通常、アナログ調光は約1/10までの調光だけに使用します。より頻繁に使われるPWM調光はもっぱらRGBWカラー・ミキシングに使われ、アナログ調光を追加することなく十分に正確かつ再現性のあるカラー生成を行うことができます。しかし、拡張制御が求められるシステムでは、DC LED電流調整を使用できるようにしておくと便利です。

その他のI2Cレジスタには、障害保護設定と読出し値が格納されます。LT3964は、そのアラート・ピンとI2Cステータス・レジスタを介して、各チャンネルの障害をレポートすることができます。障害は、ステータス・レジスタが個々にイネーブルされた場合と、障害が発生した場合のみレポートされます。両方のチャンネルに対するLEDの断線や短絡、過電流および過電圧の各フィードバック異常をイネーブルして、レポートと読出しを行うことが可能です(図9)。また、これらはディスエーブルして無視することもできます。障害保護は、あらゆるシリアル通信システムの重要な部分となり得るものです。

2MHzデモ回路とQuikEval

I2Cを使用したLT3964 LEDシステムのプロトタイプは、容易に作成、評価することができます。アナログ・デバイセズは、シリアル通信のテスト用に、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を含むデモ回路を作成しました。このシステムはQuikEvalプログラムを使用しますが、その際のPCとの接続はLinduino® Oneデモ回路(DC2026C)を通じ、USB経由で行います。LT3964デモ回路DC2424Aを接続して評価するためのクイック・スタート・ガイドは、デモ回路のマニュアルに含まれています。簡単に言うと、DC2026C(Linduino)を通じてUSBに接続した場合は、LT3964デモ回路のシリアル通信を1つのコマンドで一度に評価することができます。

LT3964デモ回路の使いやすいGUIページを、図9、11、12に示します。各ページではレジスタ要素を設定し、I2Cシリアル・バスを介して更新することができます。各チャンネルのアナログ/PWM調光レジスタとステータス・イネーブル・ビット、グローバル設定レジスタ、およびステータス・イネーブル・ビットの更新が可能です。バスを介して送られるそれぞれのI2Cコマンドについて、インターフェースにアドレス、サブアドレス、および生成されたデータ・ビットが表示されます。レジスタは、GUI読出しコマンドを通じてリードバックすることも可能です。テスト中に障害が発生した場合はGUIの左上にアラート信号が表示されるので(図12)、障害の性質を調べ、STATUSおよびSTATUS ENABLEレジスタを通じてその障害をクリアするためのステップを実行することができます。

図11. LT3964 DC2424Aデモ回路は、QuikEvalを通じ無料のGUIで制御できます。それぞれのページでは、レジスタ要素を設定してからボタンを押すことにより、I2C書込み/読出しコマンドを、USBおよびLinduino DC2026Cデモ回路を通じて送信することができます。ICアドレス・ビットは任意のアドレスに対して設定でき、GUIを通じて複数のLT3964 ICと同時に通信することができます。

図11. LT3964 DC2424Aデモ回路は、QuikEvalを通じ無料のGUIで制御できます。それぞれのページでは、レジスタ要素を設定してからボタンを押すことにより、I2C書込み/読出しコマンドを、USBおよびLinduino DC2026Cデモ回路を通じて送信することができます。ICアドレス・ビットは任意のアドレスに対して設定でき、GUIを通じて複数のLT3964 ICと同時に通信することができます。

図12. I2Cレジスタには、障害保護設定と読出し値が格納されます。LT3964は、そのアラート・ピンとI2Cステータス・レジスタを介して、各チャンネルの障害をレポートすることができます。障害は、ステータス・レジスタが個々にイネーブルされた場合と、障害が発生した場合のみレポートされます。LEDの断線や短絡、過電流および過電圧の各フィードバック異常をイネーブルして、レポートと読出しを行うことができます。また、これらはディスエーブルして無視することもできます。

図12. I2Cレジスタには、障害保護設定と読出し値が格納されます。LT3964は、そのアラート・ピンとI2Cステータス・レジスタを介して、各チャンネルの障害をレポートすることができます。障害は、ステータス・レジスタが個々にイネーブルされた場合と、障害が発生した場合のみレポートされます。LEDの断線や短絡、過電流および過電圧の各フィードバック異常をイネーブルして、レポートと読出しを行うことができます。また、これらはディスエーブルして無視することもできます。

図13. 既製品である2つのDC2424Aデモ回路を、GUIとLinduinoを使用したI2C制御用にリボン・ケーブルで接続して、1つのRGBW LEDまたはLEDストリングを駆動するために使用できます。

図13. 既製品である2つのDC2424Aデモ回路を、GUIとLinduinoを使用したI2C制御用にリボン・ケーブルで接続して、1つのRGBW LEDまたはLEDストリングを駆動するために使用できます。

1つのRGBWシステムには、I2Cバス上に2つの個別ICアドレスが必要です(4つのLEDコンポーネント用)。デフォルトでは、GUIはすべてのコマンドをデフォルト・アドレスの「1100」へ送りますが、これは変更可能です。アドレスは各ページの右上に表示され、数値をクリックすることで変更できます。このように、GUIを使い最大8個のアドレスの調光レジスタとステータス・レジスタを制御し、読み出すことができます。更に、GUIのデジタル・ワード・ページでは、任意のアドレス、サブアドレス、およびデータ・ワードを手動で3個入力し、I2Cコマンドとして送信することができます。ユーザは、データシートまたはGUIの他のページを参照して読出しコマンドと書込みコマンドを生成することができますが、これは画面最下部のシリアル・データ・ログに表示されます。

図13は、GUIとLinduinoを使用したI2C制御用に、既製品である2つのDC2424Aデモ回路をリボン・ケーブルで簡単に接続できることを示しています。バス上でSDAとSCLという2本のI2Cラインが共有され、アラート信号はLinduinoリボン・ケーブルで接続されます。それぞれのLT3964のALERTピンはオープン・コレクタ・プルダウンなので、いずれかのICに障害が発生した場合、マスタはこれを検出することができます。障害を検出すると、GUIは赤いALERTフラグ・サークルを画面左上隅に表示します。マスタ・マイクロコントローラがシステム障害を検出すると、アラート応答プロトコルに従って、その障害を検出またはクリアします。

障害検出とプロトコル

LT3964は幅広い障害保護機能を備えています。この機能は、LEDストリングの断線と短絡の両方をスムーズに処理します。また、出力の過電流障害を処理することも可能ですが、これは必ずしも短絡とは限りません。これらの障害が発生すると、LT3964のALERT障害フラグがアサートされます。同じバス上で共有されている場合、システム内のいずれかのLT3964に障害が発生すると、ALERTバス・ラインがローになります(アサートされる)。I2C通信を使用して、まず障害が発生したICの位置を特定し、更にその障害自体の診断を行えます。ALERTフラグをアサートする可能性のある障害のタイプは、ステータス・イネーブル・レジスタ内に設定できます。LEDの短絡や過電流などの障害は、ここでイネーブルまたはディスエーブルすることができます。

ALERTのアサート後は、ブロードキャスト読出しコマンドを使用してスレーブICにポーリングを行い、どのICがアラートをアサートしたかを特定します。アラートが複数の場合は、アドレスの小さいほうのICが先にアドレスを送信します。次に、障害発生アドレスのSTATUSレジスタが読み込まれます。これにより、障害を診断して障害フラグをクリアできるだけの十分な情報が得られます。障害フラグがアサートされたままの場合は、別のブロードキャスト読出しコマンドで残りの障害発生アドレスをチェックすることができます。障害発生アドレスとステータス・レジスタが読み込まれた後は、障害発生アドレスに書込みコマンドを送ることによって、障害発生ステータス・ビットをクリアできます。障害がクリアされない場合は、サービス作業が必要であることをレポートするか、障害をイネーブルしたステータス・ビットをオフにして障害を無視することができます。

まとめ

I2Cシリアル通信を使用するLT3964デュアル降圧LEDドライバは、多数の高出力LEDやLEDチャンネルを持つコンピュータ制御の照明システムに使用できます。2個のLT3964で、1個のRGBW LEDまたはRGBW LEDストリングを1Aで十分に駆動し、正確かつ高精度の調光を行って、再現性の高いカラー成分を作り出すことができます。

図14. LT3964デュアル降圧ドライバとI2Cシリアル通信を使用した高出力RGBW LEDの完全デジタル制御。2個のLT3964があれば、1個のRGBW LEDまたはRGBW LEDストリングを1Aで十分に駆動し、正確かつ高精度の調光を行って、再現性の高いカラー成分を作り出すことができます。

図14. LT3964デュアル降圧ドライバとI2Cシリアル通信を使用した高出力RGBW LEDの完全デジタル制御。2個のLT3964があれば、1個のRGBW LEDまたはRGBW LEDストリングを1Aで十分に駆動し、正確かつ高精度の調光を行って、再現性の高いカラー成分を作り出すことができます。

また、既製品のDC2424Aデモ回路とPCベースのフリーソフトQuikEvalを使用して、簡単に評価が行えます。LT3964の共有I2C 2線シリアル通信バスは、最大8つのアドレスと16のスイッチング・チャンネルの制御に使用できます。入力電圧範囲が広く、コンパクトながら強力な内蔵の同期ステップダウン・スイッチは、各チャンネルの30VまでのLEDに使用できます。最大2MHzのスイッチング周波数機能により、コンパクトな設計とインダクタの小型化が可能となっていますが、このことは、多数のLEDやチャンネルを使用する大規模システム内の至る所に同じドライバ回路を配置する際に重要となります。

Keith Szolusha

Keith Szolusha

Keith Szolushaは、アナログ・デバイセズ(Linear Technologyから転籍)のLEDドライバ・アプリケーション・マネージャとしてカリフォルニア州ミルピタスで業務に従事しています。マサチューセッツ州ケンブリッジにあるマサチューセッツ工科大学で技術論文の執筆に集中し、1997年に電気工学の学士号、1998年に同修士号を取得しました。