短距離デバイス(SRD)に関する規制の参照場所

2004年01月09日
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要約

短距離デバイスを使用するのに免許は不要ですが、製品自体は、国によって異なる法律と規制によって管理されています。これらのデバイスはすべて、さまざまな規制機関の管轄下にあります。このアプリケーションノートでは、これらの要件の概要を示し、ウェブ上において読者が情報を入手できる場所を示しています。FCCパート15およびETSI EN 300-220の概要も記載しています。

短距離デバイスを使用するのに免許は不要ですが、製品自体は、国によって異なる法律と規制によって管理されています。これらのデバイスはすべて、さまざまな規制機関の管轄下にあります。このアプリケーションノートでは、これらの要件の概要を示し、Web上において読者が情報を入手できる場所を示しています。

米国では、FFC (Federal Communications Commission:米国連邦通信委員会)がすべてのRFデバイスの管理を担当しています。免許がなくても操作できる製品はすべて、連邦規則集(CFR)タイトル47のパート15によって規制されています。パート15の各節についてはhttp://www.access.gpo.gov/nara/cfr/waisidx_01/47cfr15_01.htmlで参照できます。

第15.231節では260MHz~470MHzの帯域を、第15.249節では902MHz~928MHzの帯域を取り扱っています。

以下に第15.231節と第15.249節の概要を記します。

第15.231節

第15.231節(a~d項)によると、デバイスは以下の内容を送信することが許されています。

  • 制御信号またはコマンド信号
  • IDコード
  • 緊急時の無線制御信号
ただし、以下は許可されていません。
  • 音声や映像の送信
  • 玩具の制御
  • データの連続送信
トランスミッタを手動で起動した場合、スイッチを離してから5秒以内に伝送が終了しなければなりません。伝送が自動の場合は、起動から5秒以内に終了しなければなりません。あらかじめ決められた定期的な間隔で周期的に伝送することは許されていません。ただし、伝送の頻度が各伝送について1時間に1回(1秒以下の継続時間)を超えない場合はその限りではありません。これは、セキュリティや安全性の用途で使用するトランスミッタが周期的にポーリングして監督する場合と同様です。

基本波(260MHz~470MHz)の最大電界強度は、3750µV/m~12500µV/mまで直線的に増加します。これらの制限値は、3mの距離で測定するよう規定されています。スプリアス発射は、基本波から20dB減衰しています。

帯域幅を中心周波数の0.25%よりも広くしてはなりません。帯域幅は、変調キャリアから20dBだけ下がった点で測定します。

出力電力を半減し、最大伝送時間を1秒に制限し、さらに伝送間隔を伝送時間の30倍(ただし10秒以上)にすれば、いずれのタイプの動作にもデバイスを利用できます(e項)。この場合も、他のb~d項の規定はそのまま適用されます。

第15.249節

902MHz~928MHz帯域で動作するデバイスは、第15.249節の下で認定されており、最大50mV/mの電界強度(3mの距離にて)が許されています。高調波は500µV/mに制限されると同時に、その他のスプリアス発射は50dBcに制限されています。

伝送の内容や継続時間についての制限はありません。

欧州では、CEPT (欧州郵政・電気通信主管庁会議)が周波数の割り当てと出力電力を管理しています。ERO (European Radiocommunications Office)は、CEPTのECC (Electronic Communications Committee)をサポートする常設事務局であり、ERC REC 70-03に記載された勧告を発行しています。433MHzと868MHzの周波数帯域の概要を以下に記します。資料の全体は、http://www.ero.dk/で入手できます。

Class
Frequency Band
Power (e.r.p)
Duty Cycle
Channel Spacing
Notes
1e
433.050-434.79
10mW
<10%
No spacing
Non-specific SRDs.
Audio and voice signals should be avoided.
10c
863.000-865.000
10mW
100%
200kHz
Wireless microphones
13a
863.000-865.000
10mW
100%
No spacing
(300kHz for analog systems)
Wireless audio
1f
868.000-868.600
25mW
<1.0%
No spacing
Non-specific SRDs
7a
868.600-868.700
10mW
<0.1%
25kHz
Alarms
1g
868.700-869.200
25mW
<0.1%
No spacing
Non-specific SRDs
7d
869.200-869.250
10mW
<0.1%
25kHz
Alarms
7b
869.250-869.300
10mW
<0.1%
25kHz
Alarms
1h
869.300-869.400
10mW
No restriction
25kHz
Non-specific SRDs
1i
869.400-869.650
500mW
<10%
25kHz
Non-specific SRDs
7c
869.650-869.700
25mW
<10%
25kHz
Alarms
1k
869.700-870.000
5mW
100%
No spacing
Non-specific SRDs

ETSI (欧州電気通信標準化機構)は、検査と承認のための基準を作成しています。SRDデバイスの基準は、EN 300 220で規定されています。以下を参照してください。

http://webapp.etsi.org/workprogram/Report_WorkItem.asp?WKI_ID=9343 (EN 300 220-1)
http://webapp.etsi.org/workprogram/Report_WorkItem.asp?WKI_ID=8804 (EN 300 220-2)
http://webapp.etsi.org/workprogram/Report_WorkItem.asp?WKI_ID=6474 (EN 300 220-3)

この概要について以下に記します。

周波数誤差(第8.1節)

周波数誤差またはドリフトは、通常条件または過酷条件の下で指定された数値を超えてはなりません。

Channel Spacing
Frequency Error Limit (kHz)
300-500MHz
500-1000MHz
10/12.5kHz
±1 (b)
±1.5 (m)
±2.5 (p)
No value specified
20/25kHz
±2 (b)
±2 (m)
±2.5 (p)
±2.5 (b)
±2.5 (m)
±3 (p)

注:(b) = 固定端末、(m) = 移動端末、(p) = ポータブル端末

キャリア電力(伝導) (第8.2節)

これは、常設の外付けアンテナコネクタを備えた機器に適用されます。キャリア出力電力は、指定された電力クラスの数値を超えてはなりません。

Power Class
Power Level (mW)
5a
0.025
7a
5
8
10
9
25
11
100
12
500

実効放射電力(第8.3節)

内蔵または専用アンテナ付きの機器に適用されます。上記と同じ制限値が適用されます。

隣接チャネル電力(第8.5節)

隣接チャネル電力は、以下の値を超えないことが望まれます。

Channel Separation < 20kHz
Channel Separation > 20kHz
Normal Test Conditions
10µW
200nW
Extreme Test Conditions
32µW
640nW

広帯域機器の変調帯域幅の範囲(>25KHz) (第8.6節)

変調帯域幅の範囲には、該当するスプリアスレベルを上回るすべての関連側波帯、及び過酷テスト条件下での周波数誤差やドリフトが含まれます。スプリアスレベルの制限値は250nWです。

スプリアス発射(第8.7節)

変調を加えない状態で測定するようにしてください。470MHz未満の周波数で動作するトランスミッタでは、9kHz~4GHzで測定を実施する必要があります。470MHz以上で動作する機器の場合は、12.75GHzが上限になります。伝導または放射、いずれのスプリアス発射の電力も、以下の数値を超えてはなりません。

State
47MHz to 74MHz
87.5MHz to 118MHz
174MHz to 230MHz
470MHz to 832MHz
Other Frequencies
below 1000MHz
Frequencies
Above 1000MHz
Operating
4nW
250nW
1µW
Standby
2nW
2nW
20nW

低電圧条件での周波数の安定性(第8.8節)

バッテリで動作する機器の場合、電圧が最低電圧レベル未満に下がったとき、チャネル上でトランスミッタを維持するか、あるいは動作を完全に停止させる必要があります。

レシーバのスプリアス放射(第9.4節)

レシーバのスプリアス放射は、機器とアンテナからの発射です。470MHz未満の周波数で動作するレシーバでは、9kHz~4GHzで測定を実施する必要があります。470MHz以上で動作する機器の場合は、12.75GHzが上限になります。伝導または放射、いずれのスプリアス発射の電力も、以下の数値を超えてはなりません。

<1000MHz
>1000MHz
Spurious Limit
2nW
2nW

オーストラリアでは、ACA (オーストラリア通信庁)が、無線周波数スペクトルの管理を担当しています。SRDデバイスの基準は、AS-4268.2-1995で規定されています。詳細については、https://www.acma.gov.au/theacma/australian-radiofrequency-spectrum-plan-spectrum-planning-acmaを参照してください。

その他の国々の詳細については、アジア太平洋経済協力会議・電気通信情報ワーキンググループ(APEC TEL WG)のWebサイト(http://www.apectelwg.org/)を参照してください。

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