要約
このアプリケーションノートでは、MAX6960ディスプレイドライバとMAXQ2000マイクロコントローラ(MAXQ20コア)をベースにした株価表示システムを実現するために必要なものをすべて説明しています。具体的には、回路図、Windowsソフトウェア、およびマイクロコントローラのファームウェアについて述べています。サンプルファームウェアは、無料のMAX-IDE (バージョン1.0、作成日:2004年11月18日)を使用して、MAXQ2000用に記述およびアセンブルしたアセンブリプログラムです。無料のMAX-IDEは、マキシムのウェブサイトからダウンロードしてください。
株価表示システム
MAX6960の概要
MAX6960は、8x8のLEDタイルを駆動することのできる、グラフィックLEDのタイルディスプレイドライバです。このアプリケーションノートでは、20個のMAX6960デバイスを使用して20の8x8 LEDタイルを駆動し、マキシムの株価を表示します。Windowsソフトウェアとマイクロコントローラのファームウェアを変更すれば、容易にお客様の会社の株価と記号を表示することができます。
ハードウェアの概要
このアプリケーション回路は、カスケード接続した5つのMAX6960EVKITと1つのMAXQ2000-KITを利用しています。図1は、このセットアップのためのハードウェアシステムのブロック図を示しています。
図1. 株価表示のためのハードウェアシステムのブロック図
MAX6960のEVキットは、4個のMAX6960デバイス、4つの8 x 8 LEDタイル、必要となるすべての受動部品、および実証済みのPCBレイアウトで構成されています。MAX6960のEVキットの回路図を図2に示します。MAXQ2000は、MAX6960のEVキットの基板上には存在しませんが、MAXQ2000のEVキットから1番目のMAX6960のEVキットまで、CS\、SCLK、DIN、DOUT、RESET\、およびGNDを接続することによってシステムに追加されます。残り4つのMAX6960のEVキットは、1番目のMAX6960のEVキットに対してカスケード接続します。さらに、5Aを供給することのできる+5Vの電源を、1番目のMAX6960のEVキットの+5Vパッドに加える必要があります。表1は、カスケード接続したMAX6960の5つのEVキットを使用するときに必要なジャンパ設定を示しています。
詳細な画像(PDF、495kb)
図2. MAX6960のEVキットの回路図(シート1~6)
表1. MAX6960の5つのEVキットの基板をカスケード接続する方法
MAX6960 EV kit #1 | MAX6960 EV kit #2 | MAX6960 EV kit #3 | MAX6960 EV kit #4 | MAX6960 EV kit #5 |
JU1:(2-3) | JU1:(2-3) | JU1:(2-3) | JU1:(2-3) | JU1:(2-3) |
JU2:(2-3) | JU2:(2-3) | JU2:(2-3) | JU2:(2-3) | JU2:(2-3) |
JU3:(1-2) | JU3:(2-3) | JU3:(2-3) | JU3:(2-3) | JU3:(2-3) |
JU4:(2-3) | JU4:(2-3) | JU4:(2-3) | JU4:(2-3) | JU4:(2-3) |
JU5:(2-3) | JU5:(2-3) | JU5:(2-3) | JU5:(2-3) | JU5:(2-3) |
JU6:(1 only) | JU6:(1 only) | JU6:(1 only) | JU6:(1 only) | JU6:(1-2) |
JU7:(2-3) | JU7:(2-3) | JU7:(2-3) | JU7:(2-3) | JU7:(2-3) |
JU8:(2-3) | JU8:(2-3) | JU8:(2-3) | JU8:(2-3) | JU8:(2-3) |
JU9:(1-2) | JU9:(2-3) | JU9:(2-3) | JU9:(2-3) | JU9:(2-3) |
JU10:(2-3) | JU10:(2-3) | JU10:(2-3) | JU10:(2-3) | JU10:(2-3) |
JU11:(2-3) | JU11:(2-3) | JU11:(2-3) | JU11:(2-3) | JU11:(2-3) |
JU12:(OPEN) | JU12:(SHORT) | JU12:(SHORT) | JU12:(SHORT) | JU12:(SHORT) |
JU13:(1-2) | JU13:(2-3) | JU13:(2-3) | JU13:(2-3) | JU13:(2-3) |
JU14:(1 only) | JU14:(1-2) | JU14:(1-2) | JU14:(1-2) | JU14:(1-2) |
JU15:(1-2) | JU15:(1 only) | JU15:(1 only) | JU15:(1 only) | JU15:(1 only) |
JU16:(1-2) | JU16:(1-2) | JU16:(1-2) | JU16:(1-2) | JU16:(1-2) |
JU17:(1 only) | JU17:(1-2) | JU17:(1-2) | JU17:(1-2) | JU17:(1-2) |
注:太字は、デフォルト設定からの変更を示しています。
MAXQ2000のEVキットには、MAXQ2000マイクロコントローラを用いて設計を開始するのに必要なソフトウェア、ハードウェア、サンプルコード、およびドキュメント一式が完備されています。MAXQ2000-KITの回路図は、データシートに記載されています。
ファームウェアの概要
MAX-IDEアセンブリプログラムのサンプルファイル(Firmware.Zip)によって、MAXQ2000のSPI周辺機器はMAX6960と通信することができるようになります。MAXQ2000に16MHzのシステムクロックを使用すると、SPIシリアルクロックは2.5MHzになります。表2は、パワーアップ後のすべてのMAX6960デバイスを初期化するためのSPI/GPIOの動作を示しています。
表2. パワーアップ後のすべてのMAX6960デバイスを初期化するためのSPI/GPIOの動作
Step | Operation | Register Address | Description |
1 | GPIO: RESET\ | N/A | RESET\ was held low for 2.5ms after power-up to properly apply power to all five MAX6960 devices while power is stable. RESET\ was then driven high for 100ms. |
2 | SPI:16-bit address mode write | Panel Configuration Register (0x0D) | Sets:
|
3 | SPI:16-bit address mode write | Global Driver Devices Register (0x0E) | Sets:
|
4 | SPI: 16-bit address mode write | Global Driver Rows Register (0x0F) | Sets:
|
5 | Delay | N/A | Adds a required 450ms delay after steps 1 through 4 above. All the MAX6960 devices require this time to properly configure themselves. |
6 | RS-232 serial COM port | N/A | Waits for stock quote bytes to be sent from the Windows program to the MAXQ2000 through the RS-232 serial COM port. |
Windowsプログラムの概要
MAX6960デバイスを初期化すると、ファームウェアは、図3に示すWindowsプログラムを待って、Yahooのウェブサイトからマキシムの株価を取得します。このとき、ファームウェアは、Borland C++ Builder用のインターネット開発コンポーネントである/n Software™のIP*Works!™を使用します。いくつかのデモプログラムが付属した無料の試用バージョンを/n Softwareのウェブサイトからダウンロードすることができます。Windowsプログラムが正常に動作するには、アクティブなインターネット接続が必要となります。プロキシサーバを経由してインターネットにアクセスしている場合は、プロキシサーバの名前とプロキシポート番号を提供する必要があります。Windowsプログラムはいったん実行されると、RS-232シリアルCOMポートを介して、10秒ごとに自動でMXIM(またはモニタ対象の企業)の最新の株価をMAXQ2000-KITに送信します。インターネット接続を確立するためにプロキシサーバの情報が必要にならない限り、Windowsプログラムのいずれのボタンもクリックする必要はありません。
RS-232シリアルCOMポートのデータフォーマットを以下に示します。
XXXU567.89X
X = バイト1 (工場専用)
X = バイト2 (工場専用)
X = バイト3 (工場専用)
U = バイト4 (株価:上昇、下落、または変動なしのインジケータ)
5 = バイト5 (100の位の数字:1xx.xx)
6 = バイト6 (10の位の数字:x1x.xx)
7 = バイト7 (1の位の数字:xx1.xx)
8 = バイト8 (小数第1位の数字:xxx.1x)
9 = バイト9 (小数第2位の数字:xxx.x1)
X = バイト10 (工場専用)
図3. インターネットからMXIMの株価を取得するためのWindowsプログラム
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