PCシリアルポートから12ビットのA/Dコンバータを駆動

1998年07月23日

要約

このアプリケーションノートには、標準シリアルポートを用いてA/DコンバータをPCにインタフェースする例が記載されています。CSラインと SCLKラインはそれぞれRTSとDTRラインによってエミュレートされています。変換データは、データセットレディ(DSR)ラインに現れます。動作回路を実証するためにCコードの例が提供されています。

図1の回路は、通常マイクロコントローラがつかさどるはずの役割を果たしています。すなわち、PCのシリアルポートから12ビットのA/Dコンバータ(ADC)を駆動しています。消費電力は低く、動作中の消費電流は2mA、シャットダウンモードでは15µAという低消費電流です。

図1. このマイクロパワー回路では、PCのRS-232シリアルポートにより12ビットのA/Dコンバータ(IC3)は制御されます。
図1. このマイクロパワー回路では、PCのRS-232シリアルポートにより12ビットのA/Dコンバータ(IC3)は制御されます。

PCへのインタフェースには、UARTのトランスミッタ/レシーバラインの代わりにRS-232ポートが使用されています。ポートの送信リクエスト(RTS)ラインがチップセレクト信号を供給し、データ端末レディ(DTR)ラインが同期クロック信号を供給します。単一電源のRS-232インタフェースチップ(IC1)はこれらの信号をRS-232レベルからCMOSロジックレベルに変換し、同時に反転も行います。変換データはデータセットレディ(DSR)ラインに出力されます。

8ピンDIPのIC3には、12ビットのADC、電圧リファレンス、トラック/ホールド、シリアルインタフェースおよびクロック発生器、ならびにチップセレクト(アクティブローCS)、シリアルクロック(SCLK)とデータ出力(DOUT)からなる3線ディジタルインタフェースが収められています。変換はアクティブローCSでのハイからローへの移行から始まり、8.5µs以内に完了します。変換の終了はDOUTがハイレベルになったことで表示され、コンバータの出力シフトレジスタに12ビットの結果が格納されます。PCは、DTRをクロックしながらDSRを12回サンプリングすることによりこの結果を読取ります。

従来のMAX232 (10mA)に対応した低電力バージョンのMAX220は、消費電流が僅か0.5mAです。節電の必要がない場合は、いずれのICもコンバータのSCLK、DOUT、アクティブローCS信号をRS-232レベルにレベルシフトするために適しています。電源は9Vバッテリからリニアレギュレータ(IC2、出力電流能力40mA)を通して供給されます。この回路の消費電流は僅か2mAのため、残りの電流は外部センサーやアンプの駆動に使用可能です。

DTRがハイのとき、Q1がターンオンして回路は通常動作になります。DTRに短いマイナスのクロックパルスがくると、Q1はC3の電荷によってオン状態に維持されます。DTRが100ms以上の間ローになると、C3が放電してQ1がターンオフされ、IC2はシャットダウンモードに入ります。この状態では、この回路で電流を消費しているのは実質的にIC2だけです(15µA max、5µA typ)。

図2. 図1の回路のタイミング関係図
図2. 図1の回路のタイミング関係図

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