要約
このデザインノートでは、スイッチングレギュレータのMAX634がチャージポンプと共に動作して、安定化された可変負出力電圧を高効率で発生します。この回路は、5Vを-12V~-22Vの可変負出力に変換し、LCDのバックプレーンバイアス電源として使用することができます。
図1の回路は5V入力を-12V~-22Vの調整可能な出力に変換し、LCDのバックプレーン用のバイアス電源として適しています。この回路は、入力電圧を正の高電圧(Q3のトップ)に昇圧させるスイッチング・レギュレータ、およびこのレベルから負の出力電圧に変換するチャージポンプから構成されています。この方式は優れた負荷レギュレーションを提供し、低価格のローサイドのn-チャネルMOSFETスイッチ(Q3)の使用を可能にします。効率(全出力範囲において約90%)は、殆どのインバータ構成のコンバータより高いものとなっています(図2)。
図1. このスイッチング・レギュレータはディスクリート部品のチャージポンプ(D1、D2、C4、およびC5)により、調節可能な安定化された負の出力電圧を発生します。
図2. 図1の回路の効率は負荷電流とともに増加します。
Q1およびQ2は、内部パワースイッチ(VSおよびLX端子間)がオフになるとオンになるSCRを形成します。SCRの動作によりQ3のゲート容量が放電されるため、素早くオフにできます。ポテンショメータR1は出力電圧を調節します。
バッテリ電圧が出力電圧の絶対値を超えると、通常のブーストレギュレータとは異なり、出力電圧は入力電圧を追従しないです。その代わりチャージポンプおよびフィードバック・ループが正しい出力値を保持しますが、ノイズが大きくなり効率が低くなります(同等のリニアレギュレータより低下)。