LTspice:ステップ・コマンドを使用したAC解析

LTspice:ステップ・コマンドを使用したAC解析

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Gabino-Alonso

Gabino Alonso

LTspiceのAC解析では、独立した電圧源または電流源を駆動信号に使い、周波数の関数としてAC複素ノード電圧を計算します。小信号の解析結果は、振幅および位相の周波数特性として波形ビューアにプロットされます。

LTspiceにおけるAC解析には、X軸のスケーリング(線形、オクターブ、またはディケード)、シミュレーション・ポイントの数、周波数範囲など、いくつもの設定があります。例えば、100Hzから1MHzまでの回路性能を1ディケードあたり1,000ポイントで確認したい場合は、次のようにシミュレーション・コマンドを編集します。

.ac dec 1K 100 1Meg

パラメータを掃引しての繰り返しAC解析

通常、AC解析では固定パラメータを使って回路の小信号AC応答を計算しますが、パラメータを変化させながら応答を確認することによって設計を改善していきたい場合もあります。これは、.stepコマンドで対象パラメータを段階的に変化させることによって実行できます。例えば、.stepディレクティブを使い(Sを押して回路図エディタにSPICEディレクティブを挿入)、10pFから0.5nFまでの範囲にわたり、オクターブあたり30ポイントで容量を対数的に掃引することができます。

.step oct param C 10p .5n 30

この場合の回路図と得られる波形を下に示します。

容量を段階的に変化させて行う繰り返しAC解析の回路図

容量を段階的に変化させて行う繰り返しAC解析の回路図

ただし、AC解析に.stepコマンドを使うとシミュレーション時間が極端に増える可能性があるので、それぞれのパラメータ掃引の値、範囲、インクリメント、周波数範囲は慎重に選択してください。

容量を段階的に変化させて行う繰り返しAC解析の波形プロット

容量を段階的に変化させて行う繰り返しAC解析の波形プロット

パラメータを掃引して行う単一周波数解析

LTspiceは、パラメータを変化させながら周波数を一定に保って小信号解析を行うための簡潔なソリューションを提供します。これはシミュレーション・コマンドの「list」AC解析オプションを使用し、解析したい周波数(この場合は1MHz)を指定するだけのことです。

.step oct param C 10p .5n 30
.ac list 1Meg

[Edit Simulation Command](シミュレーション・コマンドの編集)ダイアログ・ボックスを使用すれば、掃引のディケードからリスト・タイプまで、シミュレーションを簡単に変更できます。指定するのは1つの周波数だけです。

[Edit Simulation Command]ダイアログで375個のAC解析コマンドを編集可能

[Edit Simulation Command]ダイアログで375個のAC解析コマンドを編集可能

容量を掃引して行う単一周波数解析の回路図

容量を掃引して行う単一周波数解析の回路図

.stepコマンドによる単一周波数解析の利点は、周波数の関数ではなく、パラメータ掃引の関数として振幅と位相を示すプロットが得られることです。下の図は単一周波数解析を使ったシミュレーションの結果で、x軸は.step関数で定義した容量の掃引です。

容量を段階的に変化させて行った単一AC解析の波形プロット(x軸は.stepコマンドで定義した容量)

容量を段階的に変化させて行った単一AC解析の波形プロット(x軸は.stepコマンドで定義した容量)