同期式復調によるセンサーのシグナル・コンディショニング

センサーを使用する計測においては、ノイズや歪みが 混在する状況の中から、温度や位置などに対応する本来の信号を正しく抽出することが重要になります。このシグナル・コンディショニングを実現する1つの手 法が同期式復調です。この技術を活用することにより、信号の振幅の情報だけでなく、位相の情報も取得することが可能になります。

本ウェブ・キャストでは、この同期式復調の基本や、同期式復調IC「ADA2200」の活用方法などを説明します。

 

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  1. Part 1 センサーの伝達関数
    Part 1では、同期式復調によるシグナル・コンディショニングの対象となるセンサーについて説明します。各種センサーの動作を伝達関数として表現するとどのようになるのかという観点から、センサーの本質を整理してみます。

  2. Part 2 同期式復調を採用する動機
    Part 2では、同期式復調が必要になる背景について説明します。最も基本的な信号の抽出方法が抱える課題を指摘したうえで、なぜ同期式復調が必要になるのか、それによってどのようなことが可能になるのかを明らかにします。

  3. Part 3 位相変化検出の原理
    同期式復調において要になるのは、位相変化検出です。Part 3では、まず位相変化検出の原理や、回路の基本的な構成/動作について説明します。そのうえで、システム設計時に注意すべきポイントについて解説を加えます。

  4. Part 4 ADA2200の概要
    ADA2200は、位相変化検出機能を備える同期式復調用のICです。アナログ領域の信号処理によって、同期式復調に必要な機能を実現する点を特徴とします。Part 4では、このICの内部回路や動作、機能などを包括的に説明します。

  5. Part 5 ADA2200の活用例
    Part 5では、LVDTを使用して位置/変位を測定するケースを例にとり、ADA2200の具体的な活用法を紹介します。併せて、その回路によって得られる性能を示すことで、ADA2200によって得られるメリットを説明します。

  6. Part 6 Q&A
    ここでは、本ウェブ・キャストの参加者からいただいた質問にお答えします。講演の中で紹介したADA2200の使い方や、ほかのシグナル・コンディショニング手法と同期式復調の違いなどについて解説を加えます。

Brian Harringtonは、米国マサチューセッツ州ケンブリッジにあるADIのアナログ・ガレージ部門にアプリケーション・エンジニアとして所属しています。1994年にADIに入社して以来、さまざまなアプリケーションを担当してきました。ADSL用のモデム・チップセット、高速D/Aコンバータ、MxFEsなどのICに関して顧客に対する設計支援を行っています。