USB: ユニバーサル・シリアル・バス
USBとは
意味
ユニバーサル・シリアル・バス(USB)は、外部デバイス(デジタル・カメラ、スキャナ、キーボード、マウスなど)をコンピュータに接続するための標準ポートです。
USB OTG
USB OTG(On-The-Go)は、パーソナル・コンピュータ(PC)を介さずに、2つのUSBデバイス間での直接通信を可能にします。
特定用途向け集積回路(ASIC)やマイクロプロセッサ制御の特定用途向け標準製品(ASSP)が、既にUSBをサポートしていますが、USB OTGには対応しておらず、VBUS制御や特別な信号方式を追加する必要がある場合は、USBからUSB OTGへのコンバータが使われます。
USB OTGでも、1つのホストが複数のUSBペリフェラルと通信する標準的なUSBホスト/ペリフェラル・モデルを踏襲しています。しかしOTGでは、ホストとしてもペリフェラルとしても機能できるデュアルロール・デバイス(DRD)が導入されており、必要に応じてホストとペリフェラルの役割を入れ替えることができます。
USB-C
USBタイプCのケーブルおよびコネクタ仕様は、デバイスの相互接続と電源供給の方法を簡素化し、世界的標準として定着しつつあります。
USB-Cでは双方向の電力供給が可能です。そのため、ペリフェラル・デバイスを充電することも、その同じデバイスからホスト・デバイスへ電力を供給することもできます。USB-C仕様では、電力供給が行われる前に、デバイスが電力供給側(ソース)となるか電力使用側(シンク)となるかをネゴシエートする必要があります。タイプCケーブルの両端にあるコネクタは同一で、向きを問わず使用できます。また、それぞれのコネクタは裏返しても挿せるため、接続時に極性に注意する必要もありません。USB-Cは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、POS端末、デジタル・カメラ、ハンドヘルド・コンピュータ、ポータブル・プリンタなどのアプリケーションや、その他の医療用、産業用、自動車用ポータブル機器に使われます。
USB PD
USB PD(Power Delivery)仕様は、より高速で柔軟な給電を可能にします。USB-Cは物理的なコネクタを規定するものですが、USB PDは充電プロトコルを規定するものです。USB PDは、同じUSBタイプCコネクタから最大240Wの電力を供給できます。
USB PDでは、ソースがUSBケーブルを介して電力を供給する前に、電力源(ACアダプタなど)はその電力供給能力を、インライン・デバイス(携帯電話など)はその電力ニーズを、適切な電圧レベルと電流レベルで伝達し合います。USB PDは、様々な電圧と電流の組合せを使用して広範な電力を供給できるため、電源要件に関する新たな課題ももたらします。
USB IC
USB-CやUSB PDにより、1本の小さな双方向のケーブルを使用して、小型の電気機器にデータ、ビデオ、電源を供給できるようになりました。USB-CとUSB PDは、エンド・ユーザにとっては電子機器の管理を容易にするものですが、プロトコルに準拠するには複数のハードウェア・コンポーネント、複雑なソフトウェア、更にはカスタム・ファームウェアの開発が必要となります。
USB-CおよびUSB PD設計用のICは、双方向のデータおよび電力伝送要求に対応し、小型で高効率の電子機器を実現するために必要な、高い集積力と柔軟性を備えています。これらのICには、チャージャ、コンバータ、コントローラ、パワーパス・デバイスや保護デバイスなどが含まれます。