EVAL-LT8292-BZ

製品概要

評価用回路EVAL-LT8292-BZは、LT^®8292（並列接続可能な4スイッチ同期整流式昇降圧コントローラ）を備えています。LT8292は、入力電圧が出力電圧より低い、高い、または等しい場合に、出力電圧と入出力電流をレギュレーションします。入力範囲が5.5V～60Vと広く、動作領域間の遷移がシームレスであるため、LT8292はオートモーティブ・システム、産業用システム、テレコム・システムに適しています。昇降圧ピーク電流モード・アーキテクチャにより、調整可能かつ位相同期可能な100kHz～650kHzの固定周波数動作、または電磁干渉（EMI）を低減する内部スペクトラム拡散動作が可能です。更に、LT8292はISHAREピンとIGNDピンを備えており、高電力アプリケーション向けにマルチICリーダーレス電流分担機能を実現します。

EVAL-LT8292-BZは9V～36Vの入力電圧範囲で動作し、12Vの出力を生成します。最大出力電流25Aにより、最大300Wの電力供給が可能になり、97%を超える効率が達成されます。スイッチング周波数を100kHzに設定することで、高出力と高効率を実現します。また、このボードに変更を加えて、高電力用の大きなMOSFETをサポートすることもできます。

出力電圧とEN/UVLOは、いずれも抵抗分圧器を使用して設定します。LT8292は1V～60Vの出力電源範囲に対応しており、許容誤差は2%です。EN/UVLOは、入力電圧が8.1Vを下回ると回路がオフになり、入力電圧が8.5Vを超えると回路がオンになるように設定されています。LT8292は、スプリット・プルアップ／プルダウン・ゲート・ドライバと4つの選択可能なデッド・タイム設定を使用します。EVAL-LT8292-BZでは、簡単な変更を加えるだけでこれらの機能を最適化できます。PGOODステータス・フラグは、出力電圧が最終レギュレーション電圧の±8%以内であることを示します。

EVAL-LT8292-BZは、LT8292の5Vゲート駆動を補完して高効率を実現するMOSFETを備えています。4スイッチ・トポロジの入出力側では40V MOSFETが使用されています。セラミック・コンデンサは小型で、大きなリップル電流でも優れた機能を発揮するため、回路の入出力の両方に使用されています。入力／出力にはセラミック・コンデンサに加えて、トランジェント中の入出力を安定させるためのバルク・アルミ・ポリマー・コンデンサも使用されています。出力電流制限を最大に設定するには、100kΩ抵抗を介してICTRL入力をVREFピンまでプルアップします。電流制限を下げるには、ICTRLピンに外部電圧を印加します。SSピンにあるコンデンサは、ソフト・スタート時間を設定します。

高電力動作、並列機能、入力電圧5.5Vでの動作、4スイッチ昇降圧トポロジ、独自のピーク電流モード・アーキテクチャ、障害保護、出力電流制限により、LT8292は高電力電圧レギュレータ回路に適しています。

LT8292AFEは、熱強化型の38ピンTSSOPパッケージを採用しています。LT8292とその動作、およびアプリケーションの詳細は、この部品のデータシートに記載されています。評価用回路EVAL-LT8292-BZを適切に使用するため、このユーザ・ガイドと併せてLT8292のデータシートを必ず参照してください。この評価用回路は、その他のアプリケーションに合わせて容易に再構成できるように設計されています。ご不明な点については、テクニカル・サポートまでお問い合わせください。

この回路ボードの設計ファイルが提供されています。