製品概要

製品概要

デモ回路3211Aは、設定可能な出力アレイを備えた、トリプル3A、超低ノイズ、高PSRR、超高速μModule® リニア電圧レギュレータ、LTM4709を搭載しています。入力電圧(VINn)範囲は0.6V~5.5Vです。3ビット・トリレベル・コードを設定するジャンパにより、出力電圧(VOUTn)を0.5Vから4.2Vまでの予めプログラムされたレベルに決定します。チャンネルあたりの最大出力電流は3Aです。DC3211Aには、VOUTnよりも1.2V以上高い、2.375V~5.5Vの範囲内の外部BIAS電圧(VBIASn)が必要です。

DC3211AのLTM4709には外付け部品がほとんど必要ないため、回路設計が簡素化され、ソリューションのサイズが大幅に縮小されます。適切な外付け部品を選択し、プリント回路基板(PCB)を丁寧に設計することで、ノイズ、電源電圧変動除去比(PSRR)、負荷過渡応答、VOUTnレギュレーション性能を最適化できます。LTM4709に必要なのは、電源入力と電源出力のためのセラミック・コンデンサのみです。高周波におけるPSRR性能を確保し、負荷過渡応答時のVOUTn偏差を最小限に抑えるため、回路の出力には、22μFコンデンサが選択されています。

LTM4709のVINn電源をバイパスするコンデンサおよび対応するVINnPCBレイアウトは、PSRRに影響を及ぼす場合があります(詳細については、Best PSRR Performance: PCB Layout for Input Tracesのセクションを参照してください)。DC3211Aは、4.7μFコンデンサでVINn電源をデカップリングします(VINnに必要な最小コンデンサ値については、LTM4709のデータシートを参照)。オプションのバルク220μFタンタル・ポリマー・コンデンサによって、負荷過渡応答時のVINnの変動が更に低減され、入力電力リードのインダクタンスによって引き起こされる入力電圧のリンギングが低減されます。

LTM4709は、エネルギー・マネージメント・システムや電流制限を目的として電流を正確に監視できる高精度の電流モニタを備えています。各チャンネルの電流の監視には、IMONn端子を利用できます。IMONn電圧は、電流制限をプログラムする抵抗とIMONnピン電流(出力電流の1/3000)の積です。DC3211Aのデフォルトの電流制限は、IMONRnをGNDに接続した状態でチャンネルあたり3.3Aです。ただし、IMONRnをフロート状態にし、IMONnからGNDに抵抗を接続することで、カスタムの電流制限レベルをプログラムすることができます。外部でプログラムされた電流制限は、IMON n電圧が1Vになったときにトリガーされます。

DC3211Aには、各チャンネルのENnピンをVBIASnに接続して出力をオンにするか、グラウンドに接続して出力をディスエーブルにするENnジャンパ(JP1、JP2、JP3)が用意されています。各チャンネルにPGn端子があり、PGRnがBIASに接続されると、100kの抵抗によってVBIASnにプルアップされます。PGnは、レギュレータの出力ステータスやその他のフォルト・モードを示す目的で、オープンドレインのnチャンネル金属酸化膜半導体(nMOS)出力によってプルダウンされます。電圧入出力制御(VIOC1)端子の接続によって、LTM4709の入力電圧と出力電圧の差が一定の値になるように自動的に制御することができます。

デモ回路DC3211Aを使用または変更する場合は、このデモ・マニュアルと併せてLTM4709のデータシートを事前に参照してください。

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