DN-190: マイクロパワー・モニタ能力を備たえオペアンプ、コンパレータ、およびリファレンスIC
はじめに
LTC®1541は8ピン・パッケージにマイクロパワーアンプ、コンパレータ、および1.2Vリファレンスを内蔵しています。このデバイスは2.5V~12.6Vの単一電源で動作し、消費電流は標準5mAです。オペアンプとコンパレータとも同相入力動作範囲は、負電源から正電源の1.3V以内です。オペアンプの出力段はレール・トゥ・レールで振幅します。図1にこのデバイスのブロック図とその他の特徴を記載します。このデバイスの特性は低消費電力モニタ・アプリケーションに適しており、それらの回路を2とおり示します。
低バッテリ・ロックアウト付きパイロット・ライト・フレーム検出器
図2に低バッテリ・ロックアウト付きパイロット・ライト・フレーム検出器を示します。アンプ("A")は開ループで動作し、リファレンスからの小電圧と熱電対で生成された電圧を比較します。熱電対が熱いとき、アンプの出力は“H”に振幅し、Q1をオンにバイアスします。10M抵抗によって提供されるヒステリシスはクリーンな遷移を保証し、ダイオードは静的に生成された電圧をレールにクランプします。100k-2.2mFのRCがアンプへの信号をフィルタします。
コンパレータ("C")は、2M-1Mの分割器を通してバッテリ電圧をモニタし、それを1.2Vリファレンスと比較します。3.6V以上のバッテリ電圧はC出力を“H”に保持し、Q2をオンにバイアスして、Aの負入力で小さな電位を維持します。バッテリ電圧が低くなり過ぎると、Cが“L”になり低バッテリ状態を通知します。同時に、Q2がオフになり、Aの負入力が1.2Vに移動します。これにより、Aを“L”にバイアスしてQ1をシャットオフします。“L”出力は、下流の回路にガス・フローをシャットダウンするよう警告します。
出荷コンテナのための打撃加速検出器
図3の回路は、出荷コンテナ用打撃加速検出器です。出荷コンテナが過剰な打撃または加速を受けたことを検出し、検出した出力を保持します。感度と周波数応答は調整可能です。小さな振り子付きポテンショメータが利得12で動作しているアンプ("A")をバイアスします。通常、Aの出力はCのトリップ点の下にあり、回路出力は“L”です。Aの出力が1.2V以上に振幅するような打撃加速事象があると、Cが“H”にトリップします。Cの周囲の正帰還によってこれが“H"状態にラッチされ、出荷された品物が誤って扱われたことを受信側に警告します。感度はポテンショメータの機械的または電気的バイアス、あるいはAの利得によって可変できます。帯域幅はAの入力のコンデンサを選択して設定可能です。回路は電源を印加し、C出力のボタンを押せば使用できる準備が整います。