アナログ・デバイセズとPalmSensが共同開発した「EmStat Pico」が、味の素社の酵素を用いたアミノ酸分析デバイス開発に貢献
2021年03月24日 - 東京
想像を超える可能性を実現するアナログ・デバイセズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:中村 勝史、以下アナログ・デバイセズ)は、PalmSens BV(本社:オランダ、以下PalmSens)と共同開発した小型ポテンショスタットモジュール「EmStat Pico」が、味の素株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 取締役社長:西井 孝明、以下味の素社)の酵素を用いたアミノ酸分析デバイス開発に貢献したことを発表しました。アミノ酸は生命にとって必要不可欠な物質であり、食やヘルスケア等幅広い領域で分析されています。一般的に、アミノ酸は大型の専用装置を用いて分析されていますが、小型装置を用いた簡便・迅速・場所を問わないオンサイト分析が求められています。この度、アナログ・デバイセズは、味の素株式会社と連携を開始し*、「EmStat Pico」のアミノ酸分析用デバイスへの適用可能性を示すことに成功しました。
「EmStat Pico」は、アナログ・デバイセズとPalmSensの協力により設計された小型化、低価格を実現したポテンショスタットモジュールで、18mm×30mmの中にポテンショスタットに必要とされる機能をすべて内蔵したシステム・オン・モジュール型の製品です。ケミカル・センサー・インターフェース内蔵の高精度アナログ・マイクロコントローラ「ADuCM355」をベースとしています。電気化学測定を非常にコンパクトに行うことができ、超低消費電力設計のため、ポータブルでの利用も可能です。EmStat Pico計測に必要なアナログ・フロントエンドの制御がプログラム済みで、専用のソフトウェアを使用することですぐに評価をすることができます。
本製品は、アナログ・デバイセズの販売代理店、株式会社マクニカ アルティマカンパニーより購入いただけます。https://www.macnica.co.jp/business/semiconductor/articles/analog_devices/134832/
味の素株式会社のバイオ・ファイン研究所の山口浩輝氏、髙橋一敏氏は、次のように述べています。「アミノ酸分析用の小型デバイス開発において、電極上の酵素反応をEmStat Picoを用いて簡単に測定することができ、EmStat Picoは非常に有用でした。ソフトウェアも非常に使いやすく、 EmStat Pico を用いることで、電気化学測定をすぐに始めることができました。」
アナログ・デバイセズの日本リージョナルセールスグループ、アプリケーションエンジニアの柿沼淳は、次のように述べています。「電気化学計測を応用し、ビジネスを展開する上で、センサーや電極、塗布する試薬は重要な技術と考えていました。今回アミノ酸分析に携わる機会をいただき、EmStat Picoが貢献できたことを大変嬉しく思っております。引き続き本製品の活用による、場所を問わない電気化学計測の実現に貢献していきたいと考えています。」
EmStat Pico概要
・内蔵された機能
・クロノアンペロメトリー機能(CA)
・ポテンショスタットの機能(OCP)
・電気化学インピーダンス分光法(EIS)
・さまざまな計測モード
・スイープ電圧モード、パルス電圧モード、定電圧モード
・微小な電流計測
・インピーダンス計測
・専用ソフトウェア使用
*:令和元年度分析イノベーション交流会(http://bunseki-innovation.net/)を端緒として連携を開始。
味の素株式会社について
味の素グループは、“アミノ酸のはたらき”で食習慣や高齢化に伴う課題を解決し、人々のウェルネスを共創する、食と健康の課題解決企業を目指しています。
私たちは、“Eat Well, Live Well.”をコーポレートメッセージに、アミノ酸が持つ可能性を科学的に追求し、事業を通じて地域や社会とともに新しい価値を創出することで、さらなる成長を実現してまいります。
味の素グループの2019年度の売上高は1兆1,000億円。世界35の国・地域を拠点に置き、商品を販売している国・地域は130 以上にのぼります(2020年現在)。詳しくは、www.ajinomoto.co.jpをご覧ください。