StallGuardおよびCoolStepテクノロジを使用して、より優れたステッピング・モータ・システムを構築
StallGuard™やCoolStep™などのセンサーレス・テクノロジでは、モータの自然発生逆起電力を利用して安全マージンを引き下げ、エネルギー効率を向上させます。これらの完全に統合された構成要素は、追加コストなしでセンサーレス・ホーミングなどの追加機能を有効にすることで、ステッピング・モータの信頼性と効率を高め、ユーザ・エクスペリエンスを向上させます。
StallGuardおよびCoolStepテクノロジで逆起電力を活用する方法
モータは自転車のダイナモと同じように使用できます。モータを回転させると、センス抵抗を通じて測定できる起電力(EMF)が発生します。モータに流入する電気エネルギーとモータから流出する電気エネルギーの差から、性能の向上を図るうえで役立つモータ電流と負荷角についての洞察が得られます。モータから電源に戻る余剰エネルギー(逆起電力)は、モータにかかる機械的負荷、つまり負荷角の尺度になります。負荷角がゼロのときは余剰エネルギーが残っていないため、モータが停止する可能性があります。
StallGuardテクノロジ:センサーレス・ホーミングからスマート停止応答まで
StallGuardテクノロジは、ステッピング・モータ用のセンサーレス負荷測定で、負荷角に関してコスト効率の高い帰還を提供します。StallGuardの感度はアプリケーションのニーズに合わせて調整できるため、センサーレス・ホーミング、セルフキャリブレーション、距離測定、またはすべての機構が安全マージン内で機能していることの確認に最適です。
標準ステッピング・モータ・ドライバに実装されたセンサーレス負荷検出により、リファレンス・スイッチやリミット・スイッチが不要になり、正確なリファレンスが必要なアプリケーションのコストと複雑さが軽減されます。
通常、オープンループ・ステッピング・ドライブは、軸の動きが妨げられた場合など、過負荷状態になると、停止してステップ・カウントを失います。StallGuardテクノロジでは、設定された負荷値に達したときにモータを停止することで、ステップ・ロスを防止できます。このセンサーレス・テクノロジでは、最大1024の異なる負荷レベルを検出でき、システムを継続的に監視するための高分解能の帰還が可能になります。
CoolStepテクノロジ:ステッピング・システムの効率を高める機能
CoolStepテクノロジは、StallGuard値に基づいた動的な電流制御を提供します。駆動システムで使用されていない過剰なエネルギーを特定し、モータから電源に戻されるエネルギーを最小限に抑えて、駆動システムの効率を高めます。もともとは医療機器やラボ・オートメーション用に開発されたセンサーレスの負荷依存電流制御は、常に実際の負荷状態に必要な最小量でモータを駆動し、モータのエネルギー消費をStallGuard 4で最大90%、StallGuard 2で最大75%削減します。更に、CoolStepテクノロジは、発熱を低減して、効率の範囲を広げます。
CoolStepテクノロジは、電流の安全マージンを排除して一時的な電流ブーストを可能にすることで、必要なトルク・リザーブが少なくなるため、モータの小型化も可能にします。