想像できたでしょうか

数百万の手術を成功へ導く、手のひらサイズのナビゲーターを・・・

 

膝関節および股関節を人工のものに入れ換える、人工関節置換術。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によれば、1年間に実施されている手術数は、アメリカ国内だけで約100万件にのぼります。しかも、この数字は今後急増する見込みです。2005年の実績を100%とすれば股関節置換手術は2025年に175%に、膝関節にいたっては実に650%まで増えるという衝撃的な研究結果がアメリカ整形外科学会(AAOS)で発表されました。
患者さんの急増が見込まれる中、手術の精度と効果の向上がますます期待されています。また、手術の急激な増加は社会の医療コスト増大も招きます。もし、1件あたりのコストを節約できれば、医療システム全体に計り知れないメリットがもたらされます。
コストを抑えると同時に、手術の精度と効果を高める。その両立は果たして可能でしょうか? 難問にイノベーションで道筋をつけたのが、先進の医療機器技術を有するOrthAlign®です。

 

高精度ナビを、ドクターの手のひらに

従来の人工関節置換手術では、外科医が膝蓋骨(膝を伸ばす役割の骨。俗に膝の皿)や股関節にロッドを挿入し、部位を矯正・固定します。この手術では、アライメント(位置合わせ)が重要ですが、これまでの手法ではガイド器具を使いながら、外科医が自らの眼で位置を確認していました。今日では、目視による不確実性を取り除くために、カメラを採用したナビゲーションシステムが用いられるようになりましたが、このシステムは大きく、しかも高額です。
このアライメントをシンプルに革新したのが、OrthAlign社のアライメント装置「OrthAlign Plus®」と「KneeAlign®」です。機能をアライメントに絞り、加えて大きな部品を不要にする先進技術を採用することで、扱いやすい手のひらサイズを実現しました。
もちろん、手術の成功に欠かせない精度においても妥協はありません。優れたセンシング技術によって、既存のナビゲーションシステムの精度を上回るばかりか、1台数百万ドルもする巨大なCAS(コンピュータ支援手術)システムに匹敵するレベルを実現したのです。この装置は、現在使われているほとんどの人工関節インプラントに対応。多くの外科医が手術中に高精度なアライメントをスムーズに行えるようになりました。

 

大きく高価なカメラの代わりに、センサーの目

これらの装置の驚異的な小型化に大きく貢献したのが、アナログ・デバイセズのiSensor®技術です。これまでのナビゲーションシステムはカメラを使用していましたが、その分サイズが大きくなり、コストもかさんでしまいます。そこでOrthAlign社はカメラの搭載を見送ることにしました。その代わりに採用したのが、iSensor技術を使ったIMU(慣性測定装置)です。

OrthAlign

直線運動を検出する3つの加速度計と角運動を検出する3つのジャイロスコープで構成され、6軸(6DoF)計測が可能。シビアな動作条件でも、機器の動きを全軸で正確に捉え続けることができます。
膝関節の場合、これを患者さんの膝に取り付ければ、関節を動かすだけで膝蓋骨とつながる大腿骨の回転中心(円運動の中心点)をわずか数秒で確認可能。外科医はIMUが捉えた位置と動きを頼りに、迅速かつ正確に手術が行えるようになりました。

 

イノベーションの陰に、コラボレーション

新装置の開発では、OrthAlign社とアナログ・デバイセズとの間で非常に密接なコラボレーションが行われました。アナログ・デバイセズのiSensor設計チームは、OrthAlign社の開発プロジェクトに早期段階から積極的に参加。開発期間を通じて、データ分析のほか、データから有意義な情報を抽出するためのデータ調整や助言も行いました。また、各機能別の性能試験もサポート。こうしたさまざまな形でパートナーシップを発揮したのです。それは、OrthAlign社の開発チームに、バックエンド処理やシステム・インテグレーションに専念してもらうためでもありました。その結果、OrthAlign社はいち早く設計ビジョンを具現化し、多くの外科医と患者さんが待ち望んでいたソリューションを迅速に提供できたのです。
開発期間の短縮を支えたのは、密接なコラボレーションに加えて、もうひとつ。アナログ・デバイセズのIMUから伝送される正確な慣性データを、シンプルなインターフェースで活用できたことです。このIMUでは、一般的なデジタルSPIインターフェースを通じて、予めキャリブレーションされ、かつダイナミックに補正されたデータを得ることができます。これにより、OrthAlign社の開発チームは、数年も開発期間を短縮できたのです。なお、センサーのデータのフィルタリング処理はデジタル調整できるため、さまざまな使用用途に合わせて変更可能です。
アナログ・デバイセズが支えたOrthAlign社のイノベーション。その結果は、どうだったでしょうか? 人工関節への置換手術はより正確に、よりスムーズに行えるようになり、このイノベーションによりすでに世界中で数万件の手術が成功しています。業界からも多くの称賛を集め、2015年には権威ある「フロスト&サリバン イノベーション賞」も受賞しました。
膝関節と股関節の置換手術は今後急増すると予測されていますが、OrthAlign社のイノベーションが手術の成功と、術後の患者さんのより良い QOL(Quality Of Life: 生活の質)をサポートしてくれるでしょう。



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世界をリードする信号処理技術で「アナログとデジタル」「夢と現実」との懸け橋を担ってきたアナログ・デバイセズ。私たちはこれか らも、夢とプロセスをお客様と共有しながら、イノベーションを加速し、ブレークスルーを生む、新たなソリューションを切り拓いてまいります。想像を超える可能性を―50年目のアナログ・デバイセズ。



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