エグゼクティブ・スポットライト

2016年を特徴づけるトレンドの変化と技術の進歩

RF およびマイクロ波市場はここ数年で急速に成長し、進化しました。レーダー、センサー、広帯域ワイヤレス通信システムの増加に対応するため、より広い帯域幅、より高い周波数、より統合化されたソリューションに対する需要が高まっています。

この市場では、製品をより早く市場に投入できるフル機能のエンド toエンド・ソリューションが求められています。分散型の個別部品は重要であり、これからも RF およびマイクロ波製品のかなりの割合を占める一方、シグナル・チェーン全体をカバーするソリューションは、エンド・アプリケーションに力を集中できるため特に強い需要があります。

ほんの 2 ~ 3 年前には、お客様の大半が関心を寄せていたのは、RF およびマイクロ波帯で動作する個別部品でした。しかし今年、注目を集めたのは、ポイントtoポイント無線向けに最大 10 Gbps のデータをサポートするアナログ・デバイセズの E バンド(71 GHz ~ 86 GHz)対応高集積チップセットでした。これは、世界的に拡大するデータのニーズに対応するため、より高い周波数帯、より統合化されたシグナル・チェーン全体をカバーするソリューションへのシフトが急速に進んでいることを示しています。

同様に、試験および計測装置のメーカーは、ソフトウェア・ベースのソリューションを重視し、異なるプラットフォームで何度も利用できる共通のハードウェア・アーキテクチャを求めるようになっています。これにより、ハードウェア設計に費やす時間が短縮し、ソフトウェアの差別化に一層力を集中し、規模の経済性を活かして、製品投入の加速化が可能になります。


注目を集める技術

技術的な観点から見ると、集積化24 GHz レーダーや RF スイッチなどのアプリケーション用高集積シリコン技術や、電力効率の高い高出力アンプ設計用の GaN(窒化ガリウム)に対するお客様の関心が高まっています。これらの技術は、将来の RF、マイクロ波およびミリ波製品の大多数に最適なソリューションとして注目を集めています。高性能、小型化、高電力効率、コスト効果の高い設計オプションが可能になり、これまでにない新しいアプリケーションが実現できます。

通信アプリケーションにおいては、次世代の広帯域衛星通信(VSAT)、新しい 5G 通信規格など、高スループット、マイクロ波、ミリ波ワイヤレス技術への関心が高まっています。コンセプトとしての 5G システムは大いに注目を集めました。試験および計測装置のメーカーは、5G デバイスを試験し、将来の規格に簡単に対応できる広帯域計測器を開発する準備を進めるなど積極的に行動を開始しています。


次世代技術と産業分野

産業分野では RF、マイクロ波、ミリ波製品の重要性が拡大しています。従来の試験および計測装置にとどまらず、産業用アプリケーションのレーダーやセンサーに対する需要が増大していることから、IoT(モノのインターネット)に向けた初期のインフラストラクチャの形態がそろそろ明確になりつつあります。ドローン(無人航空機)の衝突回避から、産業用ロボット、動体検知機能を備えた防犯カメラ、交通管理用のスマート信号、タンクの液位を測定するリモート監視、物体を検出する近接センサー、E ヘルス用のバイタル・サイン・モニタリングまで、これらの RF およびマイクロ波レーダー、センサー・デバイスは幅広いアプリケーションに利用できます。

技術革新の第 2 段階では、これらのデバイスがシステムやネットワークに接続され、クラウドベースの監視が可能になり、接続の大半は 5G などのネットワークを介してワイヤレスで行われるようになります。そして最後の第 3 段階として、これらのネットワークで生成されたすべてのデータを利用して積極的な決定を下すことができる、高レベルのインテリジェンスが追加されることになります。


技術の進化とコンスーマ・アプリケーションの増加

RF およびマイクロ波分野のイノベーションと開発により、ユビキタスな接続性、検出、自動化、無限に近いデータ・スループットを実現する次世代システムが可能になっています。現在のシステム・レベルの無線技術では、従来の数 10 分の1のサイズで、10 倍以上高いスループットを提供する無線が実現されています。つまり、OEM は、従来の数倍の速度を持ち、コスト効果と信頼性の高いワイヤレス・インフラストラクチャ・プラットフォームを開発することにより、確実な情報アクセスとインテリジェント・オートメーションを提供できるのです。

RF およびマイクロ波技術が(価格、性能、オプションの面から)ますます身近なものになるにつれて、アプリケーションの革命が起きています。自動運転、衝突回避システムを搭載したスマート・ドローン、交通の流れを最適化するインテリジェント信号、機内インターネットなど、RF およびマイクロ波技術が人々の日常生活にもたらすメリットは枚挙に暇がありません。今日目にするアプリケーションは、私たちに到来する接続性、検出、自動化が進化した新たな世界の始まりを告げるものに過ぎません。


Greg Henderson
アナログ・デバイセズ、RF & マイクロ波事業部門担当バイス・プレジデント

Greg Henderson について

Greg Henderson 博士は、アナログ・デバイセズの RF & マイクロ波事業部門担当バイス・プレジデントとして、当社のすべての RF およびマイクロ波製品とソリューションに関する戦略の策定と実行の責任を担っています。

Henderson 博士は、20 年以上にわたってマイクロ波、半導体、ワイヤレス通信業界でリーダーシップを発揮してきました。アナログ・デバイセズに買収される以前の Hittite Microwave Corporation では、RF & マイクロ波事業部門担当バイス・プレジデントを務めていました。2009 ~ 2013 年には、Harris Corporation の公衆安全および公共通信事業部門でブロードバンド製品担当ディレクタ、その後は製品管理担当ディレクタを務めていました。その前には、TriQuint Semiconductor、IBM、M/A-COM で様々な管理、研究開発/製品開発を担当していました。

Henderson 博士は、テキサス工科大学で電気工学の理学士号、ジョージア工科大学で電気工学の博士号を取得しました。これまでにワイヤレス通信および半導体技術で 7 つの特許を保有し、20 以上の論文を発表しています。