ウェブキャスト アナログ技術セミナー2021
2021年のアナログ技術セミナーでは、アナログ技術の魅力はもちろん、回路設計における課題解決のヒント、ソフトウェアの活用やお客様のアプリケーションに沿った技術や最新の動向など、多数のセッションをお届けしました。
このページではご好評いただいたセッションのウェブキャストコンテンツと、スライドPDFを公開いたします。
セッション
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これまでAD変換器(ADC)を構成する回路要素として、スイッチド・キャパシタ回路を利用した離散時間型のADCが広く使われてきました。これに対して、近年の研究開発によって、スイッチド・キャパシタ回路の代わりに能動RC回路を回路要素として使用する、連続時間型ADCの利点が明らかになり、製品に利用されるようになってきています。
この講演では製品開発に携わるエンジニアの立場から、連続時間ΔΣ型と連続時間パイプライン型ADCについて動作原理やこれらの高性能ADCの製品内での使用例を説明します。さらに製品開発時のこぼれ話なども紹介します。
- 連続時間ΔΣ型ADCの動作原理と特長、AD7134/AD4134を例に
- 連続時間パイプラン型ADCの動作原理と特長
- 連続時間型ADCの製品内での使用例(ADI RadioVerse™)
柴田 肇
Analog Devices, Inc.
技術フェロー
2002年東京工業大学で工学博士号を取得後、Analog Devicesの日本法人に入社。タッチスクリーン・デジタイザや連続時間ΔΣ型ADコンバータの設計などの業務に携わる。2005年に米国本社、2007年にカナダ法人に転籍し、以来、連続時間ΔΣ型に加えて連続時間パイプライン型ADコンバータの設計に従事。2021年5月に技術フェロー(極めて高い技術職能を持ったエンジニアに与えられる社内称号)に就任。
ISSCC 2006では、Beatrice Winner Awardを共同受賞。また,2018年から2020年までIEEE Transactions on Circuits and Systems IIのアソシエイト・エディターを務めた。
著書に「トランジスタの料理法 シミュレーションと実験で学ぶアナログ回路の構築技法」(CQ出版社)がある。
A/Dコンバータは、これまで製品固有の性能を高めることに注力してきましたが、近年日本の製品開発における課題の一つに、製品の市場投入スピードがあります。製品開発プロセスにおいて、これまで必要だった様々な設計上の負荷を削減することで市場投入までの期間を短縮し、全体のコストを削減することが求められています。
本セッションでは、これらの課題を解決するADC製品を取り上げます。デバイス自身のアーキテクチャや構成によって、これまで必要とされた部品選定、最適化、レイアウトなどの設計プロセスを簡素化すると同時に、大幅な小型化が可能なソリューションをご紹介します。
A/D変換システムの設計をされる方、最新のADC製品の知識を取得されたい方にお勧めです。
- A/D変換システムの設計における課題
- 連続時間型シグマ・デルタADC AD7134について
- SiPによる高精度シグナル・チェーンµModuleについて
本セッションでは、様々な電源設計の場面で活用頂ける、アナログ・デバイセズの各種ツールをご紹介します。今まで使ったことのない方から、普段使い慣れている方まで、色々なレベルの方に向けて分かりやすく説明します。
- 電源回路設計には何が必要か?
- 設計手順について
- 電源システム設計
- パワーツリーによるシステム設計
- LTpowerPlannerのご紹介
- 電源設計
- パワーツリーをベースにLTpowerCADで部品選択
- 回路安定性と効率の最適化を行い、回路規模と部品リストをまとめる
- 最後にレポートを作成
- µModuleで最短で高性能な電源設計を実現
- 低ノイズ製品と低背製品の紹介
アナログ・デバイセズの製品ポートフォリオに新たに加わった、マキシムの電源モジュールの特長である、小型パッケージ、低ノイズ、低消費電流、豊富な製品ラインアップについて紹介します。
スイッチング電源の設計においてはノイズに対する考慮が常に必要となり、機器設計者が製品試作後に頭を悩ませる大きな要因の一つであります。近年では小型化のため、より高周波スイッチングへのトレンドが進んだり、機器の大電力化に伴い、全体の設計課題のうちノイズ対策に占める割合はさらに支配的になりつつあります。これらの要求に応えるべく、ICメーカーでも古くからノイズ抑制技術の開発に取り組んできました。
このセッションでは、デバイス側の視点で見たときのこれまでの手法とそれらの長所・短所、および新しいテクノロジー"Silent Switcher®(サイレント・スイッチャ)"を紹介します。本内容は、皆様の今後の機器開発におけるデバイス選定や設計の一助になると感じています。
- ノイズの基本的な発生メカニズム
- これまでのノイズ抑制技術
- ホットループの概念
- Silent Switcherテクノロジー
測距センサーは光や電波を媒体として対象との距離を非接触で測ります。近年はADAS(先進運転支援システム)などの普及により、ライダー、レーダーなどの測距センサーの入手が容易になり、ADAS以外の様々な用途で利用されるケースが増えてきました。このセッションは測距センサーを初めて使おうと検討されている方への基礎セッションで、ライダー、レーダーの特長と測定原理について基本的な説明を行います。
- ライダーとレーダーの特長
- ライダーの測定原理
- レーダーの測定原理
- 測距センサーの高度化
SDR (Software Defined Radio)のためのトランシーバーIC ADRV9002を題材に、SDRの特長や利点を説明するとともに、30MHz-6GHzをカバーする広帯域なSDRを設計するうえでの課題やノウハウについてデモを交えながら紹介いたします。
- SDRの特長と利点
- トランシーバーIC - ADRV9002の概要
- ADRV9002を用いた評価ボードの設計・開発 (協力:マリモ電子工業株式会社)
- SDR向けに広帯域なRFマッチング回路を設計・実装・検証するためのノウハウ (協力:株式会社ラジアン)
アナログ・デバイセズでは、5Gの基地局や、フェーズド・アレイ・レーダー向けに、高速のADC (4GSPS)とDAC (12GSPS)がワンチップに集積化されたソリューションをMxFEというブランドで製作しています。本セッションでは、このようなマルチチャネルの高速ADC/DACの集積化ソリューションのご紹介とその応用事例を紹介します。また、MxFEを複数並列に接続し、16T16Rの広帯域トランシーバーを実現した「QuadMxFE」というボードの紹介、デモンストレーションを行います。
- MxFEの紹介 (AD9081)
- MxFEの応用事例
- QuadMxFEボードの紹介とデモンストレーション (協力:株式会社アイダックス)
オペアンプは単純な構成の電子素子です。使う上での入り口は広く、敷居も低いものです。しかし、使っていくうちに物足りなさを感じたり、改良しようとしてうまくいかないことがあります。オペアンプも万能ではないので、高性能化する周辺回路を考慮して使う必要があります。本セッションでは、汎用回路からのステップアップをする際に重要な考え方のいくつかを解説します。
- ノイズ:アンプ周辺のノイズを考え、ノイズに埋もれない増幅とはどのように考えるのか。高分解能コンバータとオペアンプの相性とは何かを考えます。表現が異なるコンバータのノイズ・スペックとアンプのノイズ・スペックはどのようにすり合わせるのかなどの考え方
- 信号電圧:高電圧の信号処理をするオペアンプについて解説します。マイクロマシンなど、高電圧を必要とする用途にどのようにオペアンプ組み込むかについて考えます。
- 保護回路:回路の護り方
FIR(有限インパルス応答)フィルタとIIR(無限インパルス応答)フィルタは、最もよく使われるデジタル信号処理のアルゴリズムです。SHARC® DSPでは、これらのフィルタをアクセラレータとして実装することにより、フィルタ演算性能を飛躍的に高めることが可能となりました。また、これにより高性能なDSPコアには他の信号処理をさせることも可能となります。
本セッションでは、FIR/IIRフィルタ・アクセラレータについてご説明するとともに、実機でのテスト結果を交えながら、アクセラレータの様々な利用モデルの効果を詳細に説明します。
音響・音声処理システムを開発される方や、FIR/IIRフィルタの演算性能を求められている方にお勧めです。
- FIR/IIRフィルタ・アクセラレータ詳細
- アクセラレータ性能比較
- ユースケースにおける利用モデルの性能評価
近年デジタル・ヘルスケア分野において、患者の健康維持を支援する予測または予防を実現するウェアラブルデバイスの必要性が高まってきています。アナログ・デバイセズでは、ウェアラブルデバイスに求められる省電力技術、高精度なセンシング技術を兼ね備えたバイタルサインモニター向けデバイスを開発しています。
本セッションでは、市場に出ているウェアラブルデバイスとは全く違う、生体信号の解析や生体関連のアルゴリズム開発用途向けに、デバイスの許す範囲で、“未処理・未加工の生体信号”を任意のサンプリングレートで取得できる、ウェアラブル・バイタルセンシング・プラットフォーム「ADI Study Watch」を使用例を含めて紹介します。
- ウェアラブルデバイスの現状
- ADI Study Watchの紹介
- ADI Study Watchを用いた評価事例
近年、センサー技術の発展は目覚ましく、特に化学・バイオセンサーの高精度化と多様化が注目されています。また、サンプルを採取したその場で測定するオンサイト分析や血液の成分をリアルタイムで測定するヘルスケア機器など、電気化学測定は幅広い分野で応用され、装置の更なる小型化が望まれています。
本セッションでは、そのような社会のニーズに応えるために開発された小型ポテンショスタット・モジュール「EmStat Pico」を中心に、電気化学測定の仕組みから実装例までを紹介します。
電気化学測定システムを新たに取り入れたい方や、研究・開発でコストをかけずに実装したい方におすすめです。
- 電気化学測定の概要
- ポテンショスタットとその構成
- 電気化学測定システムの実装
- pH測定と飲料成分測定の実用例
スイッチング電源、PLL(Phase Locked Loop)、オペアンプは出力を帰還により制御し、安定な動作を実現するものです。これらを「系」として考えると、同じ考え方で取り扱うことができます。しかし各部で生じる位相遅れで、系の制御動作が不安定になりがちです。そしてこの系を安定化する「しくみ」について、その本質的な理解に難しさを感じることもあるでしょう。
このセッションでは、まず系を安定化させるしくみについて、発振条件という視点からアプローチしてみます。つづいて進み位相補償を実現するために理解すべき「ポールとゼロ」について実際の意味合いを説明し、その理解をもとに、どのようにして進み位相補償を適切に構成するかを解説します。
- 負帰還系の安定性とは
- ポールとゼロとは
- 進み位相補償とその狙い方
- 落穂ひろいとまとめ
ノイズ等の厳しい環境でイーサネット接続を構築するには、システム設計や機器の接続などに十分な注意が必要です。
アナログ・デバイセズの新しい産業用イーサネットソリューション ADI Chronous™は、アナログ・デバイセズの保有するミックスド・シグナルにおける深い専門知識や経験、最新技術を活用して開発されました。
本セッションでは、産業用イーサネット機器開発者向けに、ADI Chronousの特に「イーサネットPHY(物理層)」の紹介を行います。
- 低消費電力、低遅延、安定した産業用イーサネットPHY製品の特長
- 10BASE-T1Lとは
- 安価なツイストペアケーブルで1000m超のイーサネット通信を実現する10BASE-T1L製品の概要
- 簡単なデモンストレーション
このセッションでは、プロセスコントロールやビルディングコントロールのシステムを構成する、アナログIOモジュールやデジタルIOモジュールを1つに統一した設計=プラットフォーム化することで、部品価格だけでなく、大きなコスト削減を実現するソリューションをご紹介します。
- SWIO(ソフトウェアI/O)とは?
- 開発コストと開発期間の短縮
- プラットフォーム開発
- 製品ライフサイクル管理
- 部品調達と製品在庫管理
- 運送コストと製造コスト
多種多様のユニット開発を続けていくよりも、一度のSWIOベース製品開発で、あらゆる派生製品への適用が可能となり、製品ライフサイクルや部品調達・在庫管理・運送など、製品に関わる全てのフローで大きなコスト削減の実現方法をお伝えします。
メンテナンスのDX化において、有意かつ高信頼のセンシングデータを得ることは必須です。アナログ・デバイセズは、機械振動を計測する振動センシング技術と、有線/無線でデータを届けるCbM(状態基準保全)開発プラットフォームによる「メンテナンスのDX化」に向けた評価と実装の加速を支援します。
現場のユーザーから機器設計、データサイエンティストまで、幅広いユーザー層に向けたご提案を紹介します。
- 機械振動を計測する振動センシング技術
- 有線/無線でデータを届ける開発プラットフォーム
- デモ紹介
- CN0549/有線開発プラットフォーム
- 非接触型の振動センサーデモ
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