FAQ

AD7328 - FAQ

変換とデータ出力が同時の場合、出力されるデータは?

Q:  たとえばAD7898をMODE-1で使用した場合、外部クロックで変換とデータ出力が同時に行われますが、このとき出力するデータは今変換しているデータか、それとも前回変換したデータなのでしょうか。

A:   Mode1では確かに変換とデ-タの読み出しを同時に行えますが、ADCの基本としては、変換が完全に終了するまでは、正しいデ-タが、内部のレジスタには収まりません。 よってAD7898のMode0のような、変換、終了、デ-タ読み出しといった一連の動作には変わりありません。
さて、Mode1では、変換とデ-ダの読み出しを同時に行うことで、より高速に動作されることができます。 しかしながら、基本動作はMode0の考え方と同じですから、変換したデ-タは変換終了後ADC内部の出力レジスタに格納されます。 その次のCSが立下り(次の変換動作)になったとき、内部に格納された変換デ-タが出力されます。

ADコンバータのAGNDとDGND

Q:   ADコンバータのピンにアナログ・グランド(AGND)とデジタル・グランド(DGND、OGNDあるいはDRGND)がありますが、これらのピンは内部で分離されているのでしょうか。

A:   チップ上の回路ブロックごとに配線は分離されていますが、必ず内部ではダイオードの相互接続でつながっています。従いましてこれらのグランド間では、通常±0.3V以上の電位差を持ってはいけません。

ADCの精度は?(AD7328)

Q:    1024個のデータを採取し、FFT演算をしています。 結果は入力電圧が大きくなるに連れて高調波成分のレベルが大きくなっています。これはAD変換値に誤差があり、周波数成分が等価的に高く見えていると思われます。入力電圧が大きくなるにつれ誤差が大きくなることは考えられるでしょうか。CapacitiveDAC、ホールドコンデンサ値が≒20pFと書かれていますが、外来ノイズには弱いのでしょうか?

A:   AD7328の回路構成は逐次比較型であり、入力する信号を一度サンプルホールドに充電するため、信号減のソースインピーダンスに応じて精度が劣化します。充分にインピーダンスの低い信号減であれば、信号源の精度のままは充分に変換されます。ただし、信号源の精度が低ければ、ADCを評価するのではなく信号源を評価することになってしまい、ADCの精度を見ることができないこともあります。
逐次比較型のコンバーターは高速にサンプリングできますが、12Bit 分解能で12Bit 精度は本来得られません。例外として、一部の積分型やシグマデルタ型コンバーターでは16Bit 分解能で16Bit 精度(つまり1bit もふらつかない)を再現できます。
信号の高調波成分ひずみにおいて、振幅が大きくなれば信号の直線性の誤り率が顕著に見られますので信号が歪みます。そのため振幅を大きくすると高調波成分が増えることは想定されます。

未使用ロジック入力は?

Q:   /CONVSTやALERT、/BUSY信号を使用しない場合の処理を教えてください。

A:   未使用ロジック入力はノイズの影響でエッジが発生することを避けるためPull upなどでLOGIC high固定してください。

完全差動型のADCをシングルエンドのアナログ入力信号で駆動したい

Q:  完全差動型のADCでは、データシートによると、シングルエンドのアナログ入力信号の場合は、差動変換ドライバの使用が推奨されています。シングルエンド信号を直接A/Dコンバータ入力端子(IN+)に接続した場合、ADCコードはどのようになりますか?(2の補数で出力されないのでしょうか?)

A:   完全差動型の入力構成で設計されているADC、たとえばAD7690では、本来はシングルエンド入力信号に対しての使用を推奨する製品ではありません。AD7690のデータシートにもありますようにコモンモード入力レンジはVref/2までしかなく、仮に"-入力"をGNDに接続して+側にシングルで入力した場合、5Vリファレンス使用時に、入力信号電圧2.5Vまでしか精度が保証されません。基本的にADC内部で信号がシングルか差動かを判別するロジカルな機能はなく、出力データフォーマットは一定です。

コンバータのアナログ部とデジタル部の分離

Q:  回路のアナログ部とデジタル部分離したいと考えています。 アナログ用とデジタル用で全く別の電源を用意し、コンバータのREF+、REF–、 AINはアナログ電源に、VDD/GND/通信インターフェースはデジタル電源に、というような配線をしても問題ないでしょうか。

A:  VDDはアナログ電源とすることをお勧めいたします。またREF+/REF–/AINにはGND – 0.3V ≤ (REF+, REF–, AIN) ≤ VDD+0.3Vの制限がありますので、別電源とした場合、この制限を越える状態が発生しないように注意してください。

ADコンバ-タの差動入力とは何?

Q:   差動入力を持つADコンバータのデータシート内にある「Common-Mode Input Range」とは、どういったものなのでしょうか? 入力IN+、IN-には、VRef/2までの電圧しか入れられないという事なのでしょうか?

A:   ADコンバータの差動入力(Differential Input)とは、ふたつの入力(IN+とIN-)の電圧の差を、入力信号とするというものです。 例えばIN+=+1.5V、IN-=+0.5Vであれば、これは入力が+1Vと認識されます。逆にIN+=+0.5V、IN-=+1.5Vであれば、これは-1Vと認識されます。たとえばAD7687というADコンバータの入力レンジは、±Vref電圧までですから、Vref=+5で使用すると、入力は±5Vになります。極論するとIN+が+100VでIN-が+95Vでも、差動入力は+5VでOKののはずですが、そこにはやはり入力の耐圧の制限があります。この制限が、データシートのスペックに記されている、Absolute Input VoltageとCommon-mode Input Voltageのふたつです。Abs inputは、このふたつの入力ピンにかけることができる最大の電圧値を、グランドからの電圧値で示したものです。これを見るとAD7687の場合は、-0.1V~Vref+0.1Vとなっているので、Vref=+5Vの時は、IN+、IN-にそれぞれ加えることができる電圧は、-0.1V~+5.1Vということになります。次にふたつの入力信号の動作の中点である同相電圧にも制限があります。同相電圧とは簡単にいうと、ふたつの信号電圧の平均値(中点)電圧です。データシート1頁目の図に書いてある入力信号の絵で、その動作の中心になっている電圧です。これが0V~Vref/2+0.1Vということですから、Vref=5Vの時は、0V~+2.6Vということになります。仮にこの電圧を越えても(例えばIN+=IN-=5Vになると同相電圧は+5Vになる)デバイスが破壊することはありませんが、スペックシートに記載された性能は保証されません。同相電圧はふたつの入力の平均値で、通常の差動信号では中点にあって動かないもの、すなわちIN+とIN-は同相電圧中心に逆方向に同じ振幅の信号と想定されています。これらの二つの規定は、デバイスごとにデータシートに示されているので、設計する際に十分確認してください。

分解能とNo Missing Codeの規定

Q:   AD7328についてシングルエンドで使用する場合、分解能は12bit(4096)と思って間違いありませんか。日本語データシート 3/34ページの『No Missing Codes』のところで「Single-endedの場合 11bit plus sign」の記述があります。この記述の意味がわかりません。2の補数の場合は11bit+極性=12bit、ストレートバイナリーの場合は極性が無く12bit使用という理解でいいのでしょうか。

Q:   No Missing Codeの規定は、Differential Non Linearity(DNL)に関するものです。もともとAD7328の分解能は13ビットで、出力されるデータも13ビットです。しかしシングルエンドの場合、差動に比べて精度が落ち、DNLが劣化します。そのため出力コードの中でコード欠け(コードが跳んでしまうこと)が発生することがあります。このためそのNo Missing Code(コード欠けが発生しない分解能)として12ビット(11ビット+サイン)を規定しています。この時は、データは13ビットで出力されますが、コードによっては存在しない(次のコードに跳んでしまう)ことがあります。エラーが出るビットはLSBなので、誤差としてはこれだけで1ビット落ちということになります。

ADCの変換動作とドライバアンプのセトリングタイムの規定

Q:   AD7328入力に接続するドライバアンプの選定について教えてください。トラック&ホールドがトラックモードに変化してから次のホールドモードまで1μs程度の時間があるような使用方法の場合には、ドライバアンプのセトリング時間は1μs以内のものを選定しても問題ないでしょうか

A:   次の変換までに必要な精度に入るようにすれば、その機能を満足します。1μsごとの変換であれば、その間にサンプリングすることで精度は、保証できます。ただし配線やADCの入力容量などの条件により変わりますので、十分な評価が必要です。この場合、少なくともセトリングがアンプ単体で1μsのアンプでは、間に合いません。