FAQ

AD595 - FAQ

熱電対入力をアナログスイッチで切替えて入力したい

Q:   熱電対入力を8chとしてマルチプレクサかアナログスイッチを使用して切替えて入力しようと思っています。ここで心配なのはON抵抗です。C-MOSスイッチですとON抵抗が数百Ωにもなります。入力インピーダンスが低いとこのON抵抗の影響を受けてしまうと考えています。ON抵抗がどれくらいまで許容出来るでしょうか? また、スイッチOFFした場合のリーク電流についても心配しております。どの程度でしたらOKでしょうか?

A:  AD595の差動入力の入力インピーダンスは、1ピン:+入力が10MΩ(typ)、14ピン:-入力が300KΩ(typ)となっております。 また差動インピーダンスは100MΩ(typ)です。 マルチプレクサを使用される場合にはAD594の入力インピーダンスとリーク電流による誤差が発生いたします。

装置内を熱電対を引き回すため入力でノイズ対策をしたい

Q:    熱電対を装置内を引き回すため入力にCを使ってノイズ対策を行うつもりでおりますが、熱電対入力部にCを付けた場合、この容量の影響を受ける事を心配しております。どの程度の容量であれば問題ないのでしょうか?
難しいのであればLを使用しようかとも考えています。この場合はいかがでしょうか?

A:   AD595のアプリケーションノート:AN-369がございますのでご参照ください。

AD595をT熱電対で使いたい

Q:    AD595はK熱電対用ですが、データシートにはT熱電対も使用可能と記載されています。参考回路、注意点があれば教えて下さい。 また、T熱電対の温度/出力電圧テーブルのデータを頂きたいです。

A:    0℃から50℃までは、Type TとType Kはほぼ同等な特性ですので、そのままお使い頂けます。残念ながら、T熱電対の温度/出力電圧テーブルのデータはありません。AD595は、Type Kの特性に合致するように構成済みですが、温度変換電圧とゲイン制御を外付けの抵抗で行うことも可能で、外付け抵抗を追加することで他の種類の熱電対に合わせてこの回路を再校正することが可能です。英語ですが、アプリケーション・ノート(AN-369)もありますのでご参照下さい。

熱電対のプラス入力側での接地方法は?

Q:    熱電対は、外部で接地されていないので、熱電対のプラス入力側で接地するつもりですが、ダイレクトにGNDに接地するべきなのでしょうか?
以前10K程度の抵抗で接地した例を見たことがあります。抵抗接地するのであれば抵抗値をどの程度にするべきなのでしょうか?

A:   TCが接地されていない場合には、TCをAD595側で直接GNDに接続しても抵抗経由でGNDに接続しても大きな違いは発生しませんが、TCが測定対象側で接地されている場合にはAD595側ではGNDに接続することはお勧めできません。
もしAD595側でも設置される場合には、GND電位差によりTCに流れる電流を制限するために抵抗経由でGNDに接続します。

サーモカップル多重化回路

Q:    AD595のアプリケーションノート、AN369 の7ページにサーモカップの多重化の回路があります。この場合のリファレンスのサーモカップルの意味と実温度の測定に関する出力電圧はどうなりますか?使用サーモカップルはKタイプです。測定温度は常温から400度ぐらいまでで合計4チャンネルを考えています。

A:   AN-369のFig11の回路はリファレンスジャンクション用のTCでAD595の温度を測定しています。 温度測定用のサーモカップル(TC)にリファレンスジャンクション用のTCはAD595から離れた端子台で逆極性に接続されるため、端子台で発生する熱起電力は互いに打ち消しあいAD595に入力される信号は温度測定用のTCの熱起電力からリファレンスジャンクション用のTCの熱起電力を差し引いた値となります。
AD595とリファレンスジャンクション用のTCの温度は等しいため、AD595の零接点補償回路で差し引かれたリファレンスジャンクション用のTCの熱起電力が保証されて、測定用のTCの熱起電力だけがAD595に増幅されて出力されます。

リニアライズはどうすればよいか?

Q:    AD595に、K型熱電対を接続してVoutから電圧が出力されるところまでは確認できたのですが、このICの出力はリニアライズされていないことを購入後に気付きました。リニアライズする為の回路を教えていただけないでしょうか?AD595の出力をPICマイコンでA/D(Vref:5V 分解能10bit)変換し温度測定します。温度測定範囲は0℃~130℃です。

A:    AD595は、K型熱電対向けに補正されております。 0℃~130℃でAD入力のダイナミックレンジを最大になるように設定したい、ということであれば、出力を増幅させる必要があります。電源電圧やマイコン側の入力範囲等で変わってくるかと思われますが、例えばAD8628等の5VCMOS単電源の高精度アンプで非反転で3倍程度にすると良いのではないでしょうか。
いずれの場合も、必要とする信号レベル等をご確認の上、マージンを十分見て設計してください。

熱電対アンプの入力をグランド接続するのはなぜ?

Q:    AD595に熱電対を-IN、+INに接続して使用するようになっておりますが、アプリケーションには、+IN側を抵抗によりGNDに落としバイアスをかけて使用する例と、直接これをGNDに落として使用した例が記載されています。 +IN側をGNDに落とさず使う方法1と抵抗を使用してGNDに落とす方法2と直接GNDへ落とす方法3がありますがどのように使い分ける必要があるのか教えてください。 また、方法2で抵抗を使ってGNDに接続する場合にはこの抵抗値はどのようにして決定すれば良いのか、合わせて教えてください。

A:   AD595の入力は、入力バイアス電流が流れるためのリターンパスが必ず必要になります。接地型の熱電対を使用した場合には熱電対側でGNDに接続されておりますので、AD595側で入力をGNDに落とす必要はありません。しかし同相電圧が入力範囲を超えないように、熱電対のGNDとAD595のGNDを配線で接続する必要があります。非接地型の熱電対を使用する場合には、AD595の+INをGNDに接続します。+INをGNDに接続した場合、ノイズにより熱電対に電流が流れると誤差が発生します。このような場合には、直接GNDに接続しないで抵抗経由でGNDに接続して熱電対に流れる電流を制限します。抵抗を使用した場合、入力バイアス電流により同相電圧が発生しますので、入力電圧範囲以内に収まる抵抗値とする必要があります。

AD594/595の調整を熱電対を使わないで行なう方法はありますか?

Q:    (熱電対を使わない調整方法) AD595/595を使用して温度測定を行っています。 当該部品の製品出荷検査等の場合、熱電対を正確な温度にしての動作の検査は非常に難しい事です。 そこでAD595/595の入力に電圧を入力して動作検査を行えればもっとも良いのですが、この様に熱電対を使用しなくても動作検査を行う方法で最良な方法はありますでしょうか? 

A:    AD59/595の動作確認を熱電対を使用しないで、基準電圧発生器を使用して行うことが出来ます。 この場合、基準電圧で測定する各温度に相当する熱起電力から、周囲温度に相当する熱起電力を差し引いた電圧を、AD595/595に入力する必要があります。
基準電圧発生器の出力電圧=測定する温度の熱起電力-周囲温度の熱起電力 

AD594/595 入力ショート時の値がばらつく

Q:   (入力ショート時の出力がばらつく) いくつかのデバイスの入力をショートして室温を表示させたところ8℃以上出力がばらつき、推奨調整回路で調整しましたが調整しきれませんでした。原因が解りません、IC個々のばらつきが大きいのでしょうか? 

A:    AD594AD595)の入力を、GNDに接続されておりますか?入力をGNDに接続せずに入力同士をショートした場合には、入力電流のリターンパスが無いために入力段のアンプが正常な動作をいたしません。熱電対を接続した場合にもどちらかの入力がGNDとつながっている必要があります。 

*抵抗経由でも可 

AD595で-100℃∼1200℃の温度を計測したい

Q:   熱電対K型用の増幅IC AD595で、-100℃∼1200℃の温度を計測したいのですが、0-5Vの電源で実現する回路はありますでしょうか。
1V程度の負電源を作るとしても、1200℃を計測するには、+12V程度の電源は必要でしょうか。 

A:   AD595はK型熱電対専用なので、内部でゲインなどが決まっています。よってこの場合には電源電圧は最低でも-3.376V、+14.078Vが必要になります。 

Pwr Dissとは?

Q:   ± 仕様欄に表記されている"Pwr Diss(Max) 20mW"(一例)に関して用語の意味を教えてください。

A:   Pwr Diss(Max) 20mW ですが、Power Dissipationの略表示となっており、パラメータとしては消費電力となります。

外形寸法図のBSCとは?

Q:   ± データシーとの外形図に記されている「BSC」とは、どのような意味でしょうか。

A:    BaSiCの略です。公称値という意味です。

ICの寿命や製品保証の資料は?

Q:  ± ICの寿命・製品保証に関する資料はありますか。故障率でも結構です。

A:   弊社で供給しております半導体製品の一般的な信頼性データは、弊社Webサイトから検索することが出来ます。また品質保証に関する資料等もこのサイトから検索することが出来ます。品質&信頼性のサイトから信頼性データや信頼性ハンドブック、FITレート、技術資料などをご覧ください。

位相補償コンデンサの適切値は

Q:  ピン番号8, 9を短絡にて使用しています。この場合クローズドループゲインが247.3倍となりますが、この状態でAD595日本語データシート5ページの「注意事項」の低ゲイン周波数補償用のコンデンサを入れた場合、動作的に不安定になることがありますか(75倍以下の場合必要となっているので、それ以上の場合は必要ないもしくはつけてはいけないのか)。
セラミックコンデンサ330pFをつけておりますが、容量及びコンデンサの種類等で注意すべき所はありますか。
330pFのコンデンサの漏れによる直流抵抗が100MΩ以下になると、異常状態になります。(コンデンサを外し直接、高抵抗を接続して確認)どの部分に影響を与えてこのようになっていると考えられますか。またCOMP端子の機能も教えてください。

A:  AD595Aの300pFのコンデンサは10,11ピン間に接続する0.01µFと対で使用する必要があります。300pF単体で使用した場合AD595の安定性が損なわれます。 位相補償端子は、差動入力回路の出力ノードに接続されているため、コンデンサのリーク電流は差動出力の電流にオフセット誤差を発生させます。AD595のCOMP機能は、一般的な位相補償端子を持つオペアンプと同様です。AD595だけでなく、一般的なオペアンプの位相補償回路にはNPO(またはCOG)タイプをご使用ください。 温度で容量値が大きく変わるものやリーク電流が増加するようなコンデンサは使用できません。300pFと0.01µFのコンデンサはゲインを75まで下げたときにAD595が安定動作するような周波数帯域となるように設定されています。

熱電対のプラスとマイナスを、入力に逆接続すると動作しますか?

Q:  K型熱電対では、通常クロメルが+INにアルメルが–INに接続となりますが、熱電対側のコネクタで逆接続となった場合にアルメルが+INにクロメルが-INに接続となります。 この場合、実際の温度は上昇しても熱電対での読み値は下がることになりますが、この状態を検知できるでしょうか。 このような接続状態において以下の出力はどうなりますでしょうか。

  1. ALMピン 非導通でローレベルとなりますがこのような接続の場合は、導通状態でもローレベルになってしまうことはありますでしょうか。
  2. VOピン –200℃までの出力電圧

A:  AD595のK型熱電対を逆の入力に接続した場合、温度に対する出力の変化は逆の極性となります。熱電対を逆に接続することで内部のアンプが飽和するような入力レベルにならない限り、ALMは出力されません。アンプの出力電圧は、電源電圧にのみ制限され熱電対が-200度以下となった場合でも入力された熱起電力をゲイン倍して出力します。出力電圧は両電源の場合 -Vs+2.5Vから+Vs-2Vの範囲となります。

デシケータ管理条件

Q:  パッケージ開封後のデシケータ管理の条件について教えてください。管理状況によってベーキングが必要となるかと思います。その条件についても併せて教えてください。

A:  アナログ・デバイセズ製品に関しましては、湿度等の条件はJEDECのSTD–20Dを適用しております。(もともとご質問の製品は)その規定によりMSL(Moisuture Level)1と規定された製品です。MSL1のデバイスに対する取り扱いにつきましては、このJEDE STD–20Dをご参照ください。なおMSL1はもっとも管理が緩い製品レベルです。

使用温度の規定の見方は?

Q:  使用温度の考え方について。 JunctionTemp.とOperatingTemp. パッケージ表面温度はどちらの規定に従えばよいのでしょう? 周囲温度55度、パッケージ表面温度90度の場合、仕様は満たされると考えてよいのでしょうか?

A:  半導体デバイスの温度設計上、最も重要な規格は、ジャンクション温度です。消費電力の多いデバイスでは、その電力とパッケージの温度抵抗よりジャンクション温度を求めその温度が規定の範囲を越えているかどうかで、判断します。しかしながら消費電力の低いデバイスでは、パッケージ温度や周囲温度とジャンクション温度の差が大きくないのでこの様なデバイスの場合、動作保証温度=周囲温度という記述でデータシートに規定されています。たとえば、仮に消費電力が10mWのデバイスの場合、θjaが200℃/Wであったとしても、周囲温度とジャンクションの温度差は、2℃しかありません。このようなデバイスでは動作温度範囲=周囲温度とされています。
AD8253の場合θja=112℃/Wで、自己消費電力が負荷無しのワーストケースで6mA×30V=180mWですから、その温度差は、0.18×112=20.16℃になります。
周囲温度が55℃の場合、ジャンクションはおよそ70℃になるはずです。表面温度が90℃ということは、他に負荷電流等を取っていることが考えられますが、この条件のように実測90℃以上になっているのであれば、間違いなくジャンクションが動作範囲の85℃を越えていますので、性能は保証されません。 動作自身は、ジャンクション温度140℃が絶対最大定格となっていますので、この条件で即破壊することはありませんが、ジャンクション温度は100℃を超えるような動作をしているので、デバイス自身の信頼性に大きなリスクがあります。 
現実にパッケージ表面が90℃以上になるような動作であるならば、ヒートシンクやヒートメタルレイヤー、出力外部バッファ、電源電圧の低減、負荷の軽減などの何らかの処置することを強くお勧めします。

負荷が重い場合の消費電力計算方法に付きましては、日本語データシートの6ページをご参照ください。

注意:上記は「ADIS16XXX」シリーズには該当しません。

接地型熱電対の接続方法

Q:接地型熱電対とアンプの接続方法は、どのようにするのでしょうか。

A:熱電対アンプは、入力が差動アンプとなっていて接地型熱電対の同相電圧を除去することができます。使い方は一般の差動アンプ、計装アンプと同じです。CN0206,CN0287の資料に回路動作の解説があります。

位相補償コンデンサの周囲温度が変わると誤動作する

Q:  AD595Aを使用しています。常温を測定しているときに正常であれば約0.2Vくらいが出力されるところ、 異常時1~2Vくらいが出力されることがあります。調査したところ ピン9, 10間に330pFのコンデンサをつけており、このコンデンサを 温めたり冷やしたりすることによりこのような状態になっているように思われました。 このコンデンサが変化することにより(容量・漏れ電流など)このような症状に なることはあるのでしょうか。

A:  AD595の10ピンは入力差動回路の出力ノードにつながりますので、9,10ピン間に接続する位相補償コンデンサが短絡したりリーク電流が増加すると、アンプの動作に悪影響を与えます。9,10ピン間の300pFと10,11ピン間の0.01µFの位相補償コンデンサは、AD595の周波数帯帯域をおよそ1kHzほどに低下させ、更にAD595の位相マージンが十分得られる組み合わせとして選定されております。位相補償コンデンサは温度特性が良いグレードのものをご使用ください。容量が極端に変化してしまいますとAD595の動作が不安定になる場合があります。

熱電対アンプの精度の測定方法

Q:   熱電対アンプを購入し、データシートの単電源動作を行うと、0°Cでの出力が30mVと誤差がでます。考えられる原因とそのチェック方法は?

A:   次のことを確認いただけるでしょうか。 

  1. 実際に熱電対をつけているのしたら、マイナス側入力がアンプのグランドにつながっていることを確認してください。熱電対がフローティングでは動作しません。
  2. アンプの熱電対入力には、熱電対の端子か補償導線が、すぐ近くで接続されていることをご確認ください。 離れているとアンプの冷接点補償の精度に影響が出ます。
  3. 0°Cでの誤差が大きいとのことですが、これは実際に熱電対の測定端を零度のオーブンに入れて測定しているのでしょうか?もし熱電対ではなく、DC電圧信号発生器の場合、その温度補正用のセンサーがアンプの入力端子台の温度を正確に測定してるかどうか、チェックしてみてください。
  4. もし温度補償型でないDC信号源の場合は、アンプと熱電対の接続点の温度を測定し、その時の熱起電圧分だけ差し引いた電圧を入力してください。このアンプは、入力0Vで出力は0Vになりません。
  5. アンプの0°C出力は、ほぼ0Vに調整されていますが、25°Cの時は正常に出力されているでしょうか。片電源の0V出力は、アンプ出力の下端にあたり、リニアリティが悪くなるところです。(もちろんマイナス出力は出ません)

スペック値以上の入力差動電圧

Q:   AD595のデ-タシ-トにてDifferential Input Rangeが-10mV~50mVとありますが、これは+INと-INの電圧差がこの値を超えると壊れるのでしょうか。

A:   ご指摘の差動入力範囲とは、アンプがリニアに動作する入力電圧範囲のことで、この電圧を少しでも超えるとアンプにダメージが加わるという電圧範囲ではありません。絶対最大定格では、両入力電圧が電源電圧の範囲内であれば破壊ということはありませんが、この範囲に長い時間あるい常時とどめておくとデバイスの信頼性に影響を与えます。