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よくある質問(FAQ)

ADコンバ-タの差動入力とは何?

Q:   差動入力を持つADコンバータのデータシート内にある「Common-Mode Input Range」とは、どういったものなのでしょうか? 入力IN+、IN-には、VRef/2までの電圧しか入れられないという事なのでしょうか?

A:   ADコンバータの差動入力(Differential Input)とは、ふたつの入力(IN+とIN-)の電圧の差を、入力信号とするというものです。 例えばIN+=+1.5V、IN-=+0.5Vであれば、これは入力が+1Vと認識されます。逆にIN+=+0.5V、IN-=+1.5Vであれば、これは-1Vと認識されます。たとえばAD7687というADコンバータの入力レンジは、±Vref電圧までですから、Vref=+5で使用すると、入力は±5Vになります。極論するとIN+が+100VでIN-が+95Vでも、差動入力は+5VでOKののはずですが、そこにはやはり入力の耐圧の制限があります。この制限が、データシートのスペックに記されている、Absolute Input VoltageとCommon-mode Input Voltageのふたつです。Abs inputは、このふたつの入力ピンにかけることができる最大の電圧値を、グランドからの電圧値で示したものです。これを見るとAD7687の場合は、-0.1V~Vref+0.1Vとなっているので、Vref=+5Vの時は、IN+、IN-にそれぞれ加えることができる電圧は、-0.1V~+5.1Vということになります。次にふたつの入力信号の動作の中点である同相電圧にも制限があります。同相電圧とは簡単にいうと、ふたつの信号電圧の平均値(中点)電圧です。データシート1頁目の図に書いてある入力信号の絵で、その動作の中心になっている電圧です。これが0V~Vref/2+0.1Vということですから、Vref=5Vの時は、0V~+2.6Vということになります。仮にこの電圧を越えても(例えばIN+=IN-=5Vになると同相電圧は+5Vになる)デバイスが破壊することはありませんが、スペックシートに記載された性能は保証されません。同相電圧はふたつの入力の平均値で、通常の差動信号では中点にあって動かないもの、すなわちIN+とIN-は同相電圧中心に逆方向に同じ振幅の信号と想定されています。これらの二つの規定は、デバイスごとにデータシートに示されているので、設計する際に十分確認してください。