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CreamWare Audio 採用事例


CreamWare logoCreamWareがSHARC®を使ってビンテージ・サウンドを再現 浮動小数点精度で伝説の楽器を完全にモデリング —

CreamWare Audio GmbH は、アナログ・デバイセズの SHARC® プロセッサでアルゴリズムを実行する革新的な高品質オーディオ製品を提供していることで、長年高い評判を得ています。ドイツを拠点とするCreamWareは、モジュール式のデジタル・オーディオ・ソリューションを開発し、スタジオ品質の録音に適したPCベースのアドイン・カードや新しいスタンドアロン・シンセサイザなどを含む一連の製品を提供しています。また、CreamWareはソフトウェア・ソリューションのOEM(相手先ブランド製造)提供もしており、供給を受ける企業は、そのオーディオ技術を自社製品に組み込むことができます。

CreamWare Authentic Sound Box


同社はこのほど、人気の高いビンテージ・キーボードの音と感覚を完全に再現するサウンド・モジュール、ASB(Authentic Sound Box)ファミリーを開発しました。クラシックなアナログ・オーディオ回路のデジタル・モデリングを行っており、このファミリーで最も人気の高い製品の1つがMinimax ASBシステムです。このシステムでは伝説的なシンセサイザMinimoog(ミニモーグ)を再現できます。また、B4000 ASBでは、有名なHammond B3*トーンホイール・オルガンの音色(プロコル・ハルムのWhiter Shade of Pale(邦題:青い影)で有名)を驚くほどの美しさで再現します。CreamWareによれば、サウンドのプロの多くが、ほとんどオリジナルとの区別をつけられないということです。

CreamWareのCTOであるFrank Hund氏によると、こうしたシステムのアナログ回路の完璧なモデリングに寄与しているのが、アナログ・デバイセズのSHARC 2126x/2136xプロセッサです。SHARC 2126x/2136xプロセッサは、高性能オーディオ・アプリケーション用に最適化された32/40ビット浮動小数点処理を提供するSIMD(単一命令複数データ処理)SHARCファミリーの製品です。「当社では1997年以降、SHARCプロセッサを使用してきました」とHund氏は述べています。「これらのプロセッサは当社の求める精度条件や性能条件を満たしており、市場に見合った価格でより高性能な製品を提供できます。SHARC 2126x/2136xプロセッサは、ハイエンド・オーディオに対する課題や条件に適合しており、これは競合する他の信号プロセッサにはまねのできないものです。」

 

ビンテージ・サウンドを再現

CreamWareがリマスターしたB4000 ASBは、木製パネルを用いたHammond B3オルガンをほぼ複製したものとなっており、アナログ式オルガンとそっくりの画期的なサウンドを生成します。オリジナルのHammond B3の重さは200kgですが、CreamWare B4000 ASBはそれより198kgほど軽いため、ミュージシャンはどこにでも持ち運べます。B4000 ASBは、ベーススピーカーやトレブルスピーカーを備えたレスリー・スピーカー・キャビネットのシミュレーションをしており、さまざまな回転速度や加速度を個別に設定できます。各スピーカーには専用のピックアップ・マイクが付いており、スピーカーのドプラー効果にも対応しています。

 

SHARCで優れたサウンドを実現


CreamWareは、新製品ラインのASBシンセサイザ、特に第3世代のシンセサイザ用にも当然ながらSHARCプロセッサを採用しました。Hund氏は「新製品のSHARC 2126x/2136xプロセッサは価格と性能の両面で画期的です」と述べています。アナログ・デバイセズのスーパー・ハーバード・アーキテクチャをベースにしたSHARCプロセッサは、固定/浮動小数点処理を行う高性能コアとともに、高度のメモリおよびI/O処理サブシステムを備えています。コード互換のファミリー製品は入門レベルの製品から、400-MHz/2400-MFLOPSの信号処理性能を提供するハイエンド製品まで揃っています。「SHARCの浮動小数点精度での信号処理によって、オーディオ・アルゴリズムで優れたサウンドが得られます」とHund氏は言います。

第3世代のSHARC製品は、性能を強化したSIMDアーキテクチャを採用しています。また、さまざまなROMメモリ構成やオーディオ向けのペリフェラルを集積し、製品の市場投入までの期間の短縮や総BOM(部品)コストの低減を図っています。こういった性能レベルの向上やペリフェラルの集積化によって、第3世代のSHARCプロセッサは多様なオーディオ市場に対応したシングルチップ・ソリューションと考えられています。「今日の市場で最も重要なのは価格です。これは、DSPだけではなくICチップ・インフラのコストもあわせた集積コスト全体を含むものです」とHund氏は言っています。「SHARCプロセッサは非常にバランスのとれた製品です。」

SHARCオーディオ・プロセッサは、オーディオ専用のペリフェラルを集積し、ハードウェア設計の簡素化、設計リスクの最小化、製品の市場投入までの期間の短縮を図っています。DAI(デジタル・オーディオ・インターフェース)と呼ばれるこれらのペリフェラルは、ソフトウェア・プログラマブルな信号ルーティング・ユニット(SRU)を使用して、相互接続や外部ピンへの接続を行うことができます。SRUは、DAIペリフェラル間の完全かつフレキシブルなルーティングを実現する革新的なアーキテクチャ機能を備えています。Hund氏は「通常、私たちは、利用できるI/O機能やメモリ機能はすべて使用します」と言っています。

Hund氏によれば、CreamWareは、アナログ・デバイセズのエミュレータやVisualDSP++統合開発デバッグ環境(IDDE)を含むフルセットのCROSSCOREソフトウェア/ハードウェア開発ツール、すなわち「標準のツール」を利用しています。プログラマは、VisualDSP++ IDDEでアプリケーションの開発とデバッグを行うことができます。この環境は、代数構文法に基づく使い易いアセンブラ、アーカイバ(ライブライアン/ライブラリ・ビルダ)、ローダ、サイクル精度の命令レベル・シミュレータ、C/C++コンパイラ、それにDSP関数と数学関数を含むC/C++ランタイム・ライブラリを提供します。

Hund氏によると、CreamWareの将来のロードマップにはアナログ・デバイセズが考慮されています。伝説的な楽器をモデリングする場合の同社の選択肢は、伝説的に有名なアナログ・デバイセズのSHARC以外にはあり得ないからです。

 

CreamWareの詳細については、 CreamWareをご覧ください。

*B3およびHammondは、Hammond Suzukiの登録商標です。

 

「SHARC:妥協する必要はまったくありません」

前述のように、CreamWareは1997年からアナログ・デバイセズのSHARC DSPを利用しており、同社製品ラインSCOPEのほとんどにこのプロセッサを採用しています。「当社はSHARC技術に惚れ込んでおり、SHARCの名を世に広めたいと考えています」とHund氏は言います。CreamWareのSCOPEは、録音、ミキシング、マスタリングなどのそれぞれの要求に従って設定、改変、使用できる柔軟性の高いスタジオ・システムです。本製品は、レイテンシのないリアルタイムDSPプラグインなど、さまざまな特質機能を持つフレキシブルでパワフルなデジタル・ミキサです。このミキサは、SHARC DSPボード、ソフトウェア・パッケージ、ミキサや効果発生器などの録音ツール、それにシンセサイザやサンプラなど専用のサウンド・マシンを搭載しています。SCOPEは完全拡張可能な製品です。モジュラー構造を採用しているため、DSPパワー、I/O、ソフトウェアはすべてアップデートできます。42個ものSHARC DSPと100個以上のI/Oを実装することも可能です。

氏は次のように言っています。「プラットフォーム自体がきわめて大きなDSPパワーを備えているため、(逆に)複雑で高度なアルゴリズムのみを実装しています……私たちは常に品質に注力してきました。例えば、我々のプラットフォーム上のシンセサイザが豊かなポリフォニーを生むことはほとんどありませんが、そのサウンドは真正面から吹き付けてきます。技術的な動機はもう1つあります。採用したSHARC DSPは、特に高分解能のオーディオ処理を行うように設計されています。常に32ビットの分解能でオーディオを処理し、アルゴリズムやパラメータは40ビットもの浮動小数点分解能で計算されるのです。」

「このように高性能な構造を利用できなければ、プログラマは性能のために分解能(精度)の面で何度も妥協を迫られるでしょう。サウンドは、処理チェーンの最も弱い部分によって決まってしまうことがよくあります。しかしSHARCを使用すれば、妥協する必要は一切ありません。全プロセスを通して、性能を損なうことなく最高の分解能が維持されます……これは、聞いていただければ分かるはずです。」