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AN-0971: isoPower デバイスでの EMI 放射制御についての推奨事項 (Rev. B)11/8/2011PDF1201 kB
概要
設計リソース
評価用ボード
型番に"Z"が付いているものは、RoHS対応製品です。 本回路の評価には以下の評価用ボードが必要です。
- EVAL-CFTL-6V-PWRZ ($20.01) Universal Power Supply
- EVAL-CN0233-SDPZ ($100.05) 16-Bit Isolated Industrial Voltage and Current Output DAC with Isolated DC-to-DC Supplies
- EVAL-SDP-CB1Z ($116.52) Eval Control Board
機能と利点
- 産業向け出力DAコンバータ
- 絶縁パワー&信号
- +/- 10V と4-20 mA のコントロール・システム互換
参考資料
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CN0233 Software User Guide10/18/2018WIKI
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MT-101: Decoupling Techniques2/14/2015PDF954 kB
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MT-016: Basic DAC Architectures III: Segmented DACs2/14/2015PDF79 kB
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MT-014: Basic DAC Architectures I: String DACs and Thermometer (Fully Decoded) DACs2/14/2015PDF65 kB
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MT-031: データ・コンバータのグラウンディングと、「AGND」および「DGND」に関する疑問の解消3/20/2009PDF144 kB
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MT-015: Basic DAC Architectures II: Binary DACs (Rev. A)3/20/2009PDF100 kB
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CN-0233: 絶縁型DC/DC電源付き16ビット絶縁型工業向け電圧出力&電流出力DAC4/3/2012PDF0
回路機能とその特長
プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLCs)、分散制御システム(DCS)だけでなく工業用システムや計装システムでは出力を頻繁にコントロールしなければなりませんが、それは電流制御(4 mA ~ 20 mA)と電圧制御(±10 Vまで)の両方になる可能性があります。又一般的にそれらの設計はグラウンド・ループからの保護とさらに外部イベントから強固に守るため、ローカルのシステム・コントローラから絶縁される必要があります。
従来のソリューションは電源とデジタルの絶縁の両方にデスクリートICを使用します。
多チャンネルの絶縁が必要な場合、デスクリート回路にかかる費用や面積が大きな欠点となります。光アイソレータを基本としたソリューションは一般的に合理的な出力レギュレーションですが、追加の外付け部品が必要となるので、基板面積が増えます。電源モジュールはほとんどの場合大きくなり、出力レギュレーションが不十分になる可能性があります。図1の回路はアイソレータADuM347x ファミリー(ADuM3470、 ADuM3471、ADuM3472、 ADuM3473、ADuM3474))をベースにしており、デジタル・アイソレータと共にPWM制御の電源レギュレーション回路と付随の絶縁帰還回路を内蔵しています。 .絶縁障壁を跨いで電源を転送するために外部トランスを使用します。16ビット DAC AD5422には電流出力と電圧出力があります。

回路説明
AD5422は全機能内蔵、フル・プログラマブル16ビット電圧出力&電流出力DACで、4 mA ~ 20 mA、 0 mA ~ 20 mA, 0 V ~ 5 V, 0 V ~ 10 V, ±5 V, ±10 Vの範囲をプログラムできます。電圧出力のヘッドルームは1Vtypですが、電流出力は約2.5Vのヘッドルームが必要です。
これは電源15 Vで電流出力20 mAが負荷約600Ωを駆動できる事を意味します。
デバイスADuM347xはPWMコントローラと低インピーダンス・トランス・ドライバ(X1 and X2)を内蔵する4チャンネル・デジタル・アイソレータです。絶縁型DC/DCコンバータに唯一必要な追加部品はトランスと簡単な全波整流ダイオードです。デバイスは、5.0 V または3.3 Vの電源入力で、レギュレーションされ、絶縁された最大2 Wの電力を供給します。このデバイスを使用する事により別の絶縁型DC/DCコンバータが不要になります。
iCouplerチップ・スケール・トランス技術を使ってロジック信号を絶縁しています。そして内蔵トランス・ドライバと絶縁した 2次側制御回路により、絶縁型 DC/DC コンバータは高効率になっています。内部発振周波数は200 kHz ~ 1 MHzの範囲で調整可能で、ROCの値で決まります。ROC = 100 kΩの場合、スイッチング周波数は500 kHzです。
ADuM3471は正の15 V電源をレギュレーションします。抵抗分割回路 (R1, R2, R3)によりレギュレーションの帰還が行われます。出力電圧が15 Vの時、帰還電圧が1.25 Vになるように抵抗を選びます。帰還電圧はADuM3471の内部帰還設定電圧1.25 Vと比較されます。 レギュレーションは外部トランスを駆動するPWM信号のデューティ・サイクルを変える事により実行されます。
負電源は軽くレギュレーションされ、軽い負荷の場合−23 Vくらいの高さになります。 これは最大動作値の−26.3 V以内です。公称負荷が1 kΩ以上の場合、より大きな非レギュレーション負電源電圧により追加になる消費電力は問題ではありません。高いコンプライアンス電圧を要求するアプリケーション又は超低消費電力が要求されるアプリケーションの場合は異なる電源設計を検討する必要があります。
この回路は5 V、高精度、低ドリフト(Bグレードで3 ppm/°C max)の外部リファレンスADR445を使ってテストされました。これにより総合システム誤差は工業温度範囲(−40°C ~ +85°C)全体で0.1%以下を達成できます。
AD5422はドリフトが10ppm/℃(max)の高精度内部リファレンスを内蔵しています。外部リファレンスを使用しないで内部リファレンスを使用した場合、誤差は工業温度範囲全体でわずか0.065%増えるだけです。
リニア電源と絶縁型DC/DCスイッチング電源の両方を使ってAD5422の積分非直線性(INL)をテストし、スイッチング電源によりシステム精度が悪化するかどうか確かめました。図2にリニア電源のINLを示し、図3にスイッチング電源のINLを示します。スイッチング電源を使用した場合、リニア電源と比べて特に顕著な性能悪化はありません。


図4に示すようにリニア電源とスイッチング電源を使用した場合について平均出力ノイズの時間変化をテストして比較しました。出力ノイズの時間変化の実測値にわずかなオフセットがある事に注目してください。
このオフセットは2つの測定間のリファレンスのドリフトによる影響だけでなく、リニア負電源対非レギュレーション・スイッチング電源の差によるDC PSRRとの組み合わせが原因と考えられます。

バリエーション回路
この回路は、表示されている部品で優れた安定性と精度をもって問題なく動作する事が証明されています。4 mA ~ 20 mAの電流出力のみ必要なアプリケーションでは、単電源回路を使用する事ができます。この場合、正AVCC電源を26.4 Vに高くする事ができます。従って出力コンプライアンスは26.4 V – 2.5 V = 23.9 Vです。20mAの出力電流で、負荷抵抗の大きさは1 kΩ程度まで可能です。
16ビット分解能を必要としないアプリケーションには12ビットの AD5412があります。
アイソレータADuM347x(ADuM3470, ADuM3471, ADuM3472, ADuM3473, ADuM3474)は4つの独立したアイソレーション・チャンネルをいろいろな入力/出力チャンネル構成で提供します。又これらのデバイスの最大データレートは1 Mbps (A グレード)又は25 Mbps(C グレード)です。
回路の評価とテスト
この回路は図5に示すように回路基板EVAL-AD5422EBZ とEVAL-ADuM3471EBZを共に接続して使いテストされました。絶縁経路を完璧にテストするために、グラウンド、電源、コントローラとAD5422デバイス間のデータ・トラックを遮断し、信号はADuM3471評価用ボードを通して配線しました。

テスト・データの収集に使用する装置
- USB ポート付きWindows® XP、Windows Vista®(32 ビット) 又は Windows 7 (32 ビット)対応のPC
- EVAL-AD5422EBZ (修正済み)
- EVAL-ADuM3471EBZ (修正済み)
- AD5422 基板の評価ソフトウェア
- 電源電圧:+5 V
- 電源電圧:±15 V、アジレントE3630A又は同等品
- アジレント 3458A、 8.5 デジット・デジタル・マルチメータ 又は同等品
- ナショナル・インスツルメントGPIB to USB-B インターフェ ースとケーブル
セット・アップとテスト
図5に示すように評価用ボードADuM3471と評価用ボードAD5422を接続して回路をテストし検証しました。
トランスを巻数比1:5のトランス(Coilcraft KA4976-AL)に変更し、ADuM3471評価用ボード上の正と負の電源として2電源構成に設定しました。その他の変更として、R24、R22~R23、R21から0 Ω抵抗を取り外しました。R24の代わりにR23を短絡すると、J6の+7.5 V/6 Vピンが−15 V電源になります。R22の代わりにR21を短絡すると、トランスのセンタ・タップはL3、C20、C27が接続されていたノードの代わりにグラウンド・プレーンに接続されます。
UG-197の図16に、2電源構成あるいは正/負電源構成にするためにどの抵抗を短絡/オープンする必要があるかを示します。注:これらのハードウェアの変更の詳細情報についてはユーザ・ガイドUG-197 をご覧ください。
デジタル・コントロール信号がADuM3471評価用ボードを通過するようにAD5422評価用ボードを修正しました。これによりAD5422へのデータ絶縁経路全体を完全にテストする事ができます。
INLとノイズのデータはDACデータをPCからAD5422評価用ボードへ入力し、GPIB/USBインターフェースを使用してマルチメ―タ3485Aから結果を読み出す事により取得しました。DACへ入力するデータを生成するためにAD5422評価用ボードのソフトウェアを使用しました。
ディスカッション
製品サンプル
評価用ボード
表示されている価格は、1個あたりの価格です。
analog.comサイトから購入できるボードは、最大で2枚までとなります。3枚以上の購入をご希望の場合は、正規販売代理店からご購入ください。
価格は1個当たりの米ドルで、米国内における販売価格(FOB)で表示されておりますので、予算のためにのみご使用いただけます。 また、その価格は変更されることがあります。米国以外のお客様への価格は、輸送費、各国の税金、手数料、為替レートにより決定されます。価格・納期等の詳細情報については、弊社正規販売代理店または担当営業にお問い合わせください。なお、 評価用ボードおよび評価用キットの表示価格は1個構成としての価格です。