アナログ・デバイセズの3D Time of Flight(ToF):
3D Time of Flight(ToF)とは、スキャナーレス探知装置(光による検出および測距)の一種です。これは、ナノ秒単位で高出力の光パルスを使用して、対象となる場面から(通常短い距離で)デプス情報を捉えます。
アナログ・デバイセズは、ToFシステムとカメラ向けに、高分解能CMOSイメージング・チップ(1メガピクセル)、デプス演算およびプロセッシング、レーザー・ドライバ、およびパワー・マネージメントなどの最先端の性能を実現し、更に強化できる業界トップクラスの製品やソリューションを提供します。また、開発ツールやソフトウェア/ファームウェアも提供し、ToFソリューションの迅速な導入を助けます。それに加え、アナログ・デバイセズならToFモジュール、カメラ、設計サービスの開発でグローバルなパートナー・ネットワークを活用し、より短期間で収益を上げることができます。
ToFカメラは、レーザーなどの変調光源で物体を能動的に照らし、レーザーの波長を検知するセンサーで反射光をとらえることで、距離を測定します。センサーは、光を発してからカメラで反射光を受けるまでの時間遅延∆を測定します。時間遅延はカメラと物体間の距離の2倍(往復)に比例するため、距離はデプス = cΔ/2(cは光速)と推定できます。
∆Tを測定する方法はいくつか存在しますが、連続波(CW)法とパルス方式の2つが最も一般的です。理解しておくべき点としては、導入が進み、現在の市場に流通しているCW ToFシステムの大多数ではCMOSセンサーが使用されています。一方、パルス型のToFシステムでは非CMOSセンサー(特にCCD)が使用されています。
Time of Flight測定の簡略図
人の分類やレンジ検出にTime of Flight測定を利用している画像例
アナログ・デバイセズはMicrosoftとのパートナーシップを通じて、CCDパルス型システム向けの既存製品を補完する、CMOS CW型製品に焦点を置いた新しいポートフォリオを構築しています。アナログ・デバイセズは、自社の専門知識と活用しながら、MicrosoftのAzure Kinect技術を基に、最小限の消費電力で可能な限り高度なデプス精度、広い動作範囲、様々な環境での確実な動作を提供する最先端のToFソリューションを実現しています。
キー・アプリケーション分野で価値を提供
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コンスーマ
AR(拡張現実)/VR(仮想現実)ヘッドセットから高度な写真およびセキュリティ機能を搭載したスマートフォンまで、ToFテクノロジーは次世代のコンスーマ・エレクトロニクスにおいて重要な役割を果たすと見られています。
AR/VRヘッドセットでは、ToFシステムから取得したデプス情報により、文字どおり現実に新たな次元が追加されます。スマートフォンの場合、このテクノロジーによりカメラで撮った写真がデジタル一眼レフ(DSLR)品質に、AR/VR機能はよりリアルになるほか、不要な外部アクセスからの保護が強化されます。
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インダストリ4.0
スマート・センサー、特にデプス・センサーの使用は、輸送および物流同様、製造においても更に使用されるようになってきています。
品質検査用の産業機械のバージョンから、資産管理用の容量分析検知、自動製造向けナビゲーションまで、製造産業はこれらのセンシング・テクノロジーを採用し、過酷な産業環境向けに設計された高分解能システムに移行しています。
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オートモーティブ
次世代の自動車は、車内の ToFシステムでドライバーや同乗者の位置や状態を監視し、ドライバーが運転できなくなった場合には車の制御を引き受けて安全な場所まで操縦できます。
ToFテクノロジーを使用して可能になるジェスチャ・コントロール・システムは、自動車向けの次世代ユーザー・インターフェースになると言われています。手や指の簡単なジェスチャにより、ドライバーがかかってきた電話に応えたり、オーディオを調整したり、車内のエアコンを調節することができるようになります。
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ヘルスケア
最近のパンデミックを受けて、距離やデプスをリモート測定できるTime of Flightテクノロジーはヘルスケア分野で重要性がより高まっています。制御装置のジェスチャによる非接触操作、幼児の呼吸のリモート監視、様々な環境でのソーシャル・ディスタンス確保の監視は、アナログ・デバイセズのTime of Flightテクノロジーの用途のほんの数例です。
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セキュリティおよび情報収集
アナログ・デバイセズの高分解能デプス・センシング・テクノロジーは、従来の2Dイメージ・センシング・テクニック以上の多大なメリットを実現しています。高分解能デプスにより、非常に高い確率で人と対象物の両方を区別することが容易になります。これは、商業施設/小売り施設の出入口(セキュリティおよび情報収集目的)から倒れた人や怪我をした人の検知(医療アプリケーション目的)まで、多くの用途に利用できます。
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ロボット
高分解能ToFシステムは、自律マシンやロボットが環境を認識し、確実かつ安全で最適な進行経路を計画してタスクを遂行するにあたって欠かせないものとなります。また、3Dイメージングによって、人間と協働ロボットが一緒に作業する用途において安全機能を実現できます。
CMOS 3D - As easy as 1-2-3
For years ADI has been delivering components for 3D time-of-flight (ToF) imaging with proven solution in mass-production across consumer, automotive, and industrial applications. ADI is expanding that reach and delivering on a comprehensive roadmap of CMOS imagers, laser drivers, software- & hardware-based depth compute, and full solutions. Discover how ADI is taking on some of the deepest challenges in ToF to take the complicated work off our customers’ plates and letting them focus on enriching their applications.

3D Time of Flight開発プラットフォーム
X、Y、Z軸の対象物の測定を有効にする、業界標準96ボード・プラットフォームに搭載された、モジュラーToFソリューション。

3D Time of Flight Platform Makes Machine Perception a Reality
Analog Devices prototyping 3D ToF platform can be used for software and algorithm development. As a start for the hardware design, the platform can be used for more rapid evaluation and implementation in Industrial, Automotive, and more.

AD-FXTOF1-EBZ - 3D ToF Development Kit
The AD-FXTOF1-EBZ is a depth sensing solution, ideal for developing 3D computer vision systems. It uses a VGA CCD that enables the capture of a 640×480 depth map of a scene at 30 frames per second, providing up to 4× higher resolution than many other TOF systems on the market. This enables the detection and measurement of distances to smaller and thinner objects that would otherwise be invisible to other ToF systems.

AD-3DSMARTCAM1-PRZ
The AD-3DSMARTCAM1-PRZ is a 2D & 3D machine vision solution with AI edge processing capabilities. It can be used for implementing advanced machine vision applications for different industry segments including logistics, robotics, agriculture and people activity monitoring.

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