高温
超高温の限界に挑む用途では、それが地下 1 マイルの深さでのオイル・ドリル操作であろうと、ジェット・エンジンの高精度測定であろうと、性能と信頼性を確保するために、高温エレクトロニクスに特化したソリューションが必要とされます。アナログ・デバイセズでは、これらの用途やその他の厳しい環境での用途に向けた、超高温対応仕様の製品を提供しており、175°C と 210°C の温度条件を満たしたポートフォリオを用意しています。
アナログ・デバイセズは、高温用途の需要に応えるため、当社ならではの技術力の向上に努めてきました。以下にその例をご紹介します:
- 高度な設計技術
- 堅実なシリコン処理
- 革新的パッケージング
- 包括的な評価とテスト
これらの技術により、極めて厳しい高温環境用途で、高性能、高信頼性、省スペース、低消費電力を兼ね備えた製品の開発が可能になりました。

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通常、標準的な集積回路は最大使用温度 125°C で仕様が定められ、設計されています。これを超える温度では、高温への曝露に伴い、数多くの要素が性能と信頼性を低下させるおそれがあります。例えば、温度の上昇とともに基板の洩れ電流が急増してデバイスのパラメータが変化し、性能が大幅に低下することがあります。エレクトロマイグレーションなどのシリコン・レベルの問題やワイヤ・ボンドの断線といったパッケージ・レベルの問題が発生して、信頼性も低下するかもしれません。こうした課題を克服するために、当社の高温環境用ポートフォリオ製品は、革新的なシリコン・プロセス、パッケージング、テスト技術を適用し、特に高温環境下での動作用に設計され、品質評価が行われています。
高温時のパッケージの信頼性を維持するもう 1 つの技術が、アナログ・デバイセズの HT プラスチック・パッケージ用特殊ワイヤ・ボンド・プロセスです。通常の金/アルミニウム・ワイヤ・ボンドでは、温度の上昇とともに不安定な金属間化合物が生成されてボイドが生じ、ボンディングの強度を低下させます。このような欠陥は、わずか数百時間で発生することもあります。当社の HT プラスチック・パッケージには、金のボンド・パッド面を形成するために、NiPdAu を使用するメタライゼーション・ステップが 1 つ追加されています(タイル部分)。このボンド・パッド面で、金のワイヤとともに単一金属のボンディングを実現し、金属間化合物を形成しません。下の写真は、この技術により得られる信頼性の向上を示しています。タイル面の標準的な Au/Al ボンディングには、500 時間でボイドと金属間化合物が形成されるのがはっきり分かりますが、NiPdAu メタライゼーション・プロセスを使用した右側のボンディングでは、高温環境への曝露が 6000 時間を超えても正常な状態が保たれています。

195°C で 500 時間経過した
Au/Al ワイヤ・ボンド

195°C で 6000 時間経過した
NiPdAu バリア付きの Au/Au ワイヤ・ボンド


アナログ・デバイセズの HT 製品用プロセス・フローには、高温環境アプリケーションのニーズに合わせた信頼性確認プログラムが含まれています。すべての HT 製品は、JEDEC JESD22‐A108 仕様に基づく高温動作寿命試験(HTOL)によって品質評価を行います。製品ごとに少なくとも 3 つのアセンブリ・ロットを対象に、最大温度で少なくとも 1000 時間の試験を実施し、データシートの仕様に適合していることを確認します。このような品質評価試験のほかに、ラッチアップ耐性、MIL-STD-883 グループ D の機械的試験、ESD などの堅牢性試験も実施します。高温ポートフォリオ製品の信頼性試験レポートをご希望の方は、アナログ・デバイセズへお問い合わせください。
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