BGM(血糖測定器)ソリューション
血糖測定器(BGM)は、糖尿病患者が自分で血糖レベルを測定し、これらのレベルのバランスを維持するためにインスリンを投与する必要があるかどうかを判定するために使用できる、ハンドヘルド・デバイスです。BGMソリューションは、単独で使用することも、持続血糖測定機(CGM)と連携して使用することもできます。
BGMを使用するには、患者はわずかな血液サンプルを採取し(通常は指先を針で刺して採取)、それを電気化学テスト・ストリップ上に置き、そのストリップを読み取り機に挿入します。すると小型の画面上に結果が表示されます。テスト・ストリップには電極があり、BGMは正確なバイアス電圧を印加してサンプル中の血糖レベルを分析します。アナログ・デバイセズのBGMソリューションは、DAC、ADC、トランスインピーダンス・アンプ、およびこれらのバッテリ駆動デバイス用PMICなど、各種測定アプリケーション製品でこのプロセスを容易なものにします。これらのBGMソリューションは、低消費電力、低ノイズ、マルチチャンネル機能が実現できるよう最適化されています。
おすすめ製品
ADUCM355

ADuCM355は、電気化学およびバイオセンサーを制御および測定するために設計されたオンチップ・システムです。ADuCM355は、ARM®Cortex™-M3プロセッサに基づいた、超低電力ミックスド・シグナルマイクロコントローラーです。電流、電圧、およびインピーダンスを測定できるように設計されています。
ADuCM355には、入力バッファ、内蔵アンチエイリアス・フィルタ、およびプログラマブル・ゲイン・アンプ(PGA)を備えた 16 ビット 400 kSPS マルチチャンネル逐次近似レジスタ(SAR)A/D コンバータ(ADC)が使用されています。電流入力には、さまざまなタイプのセンサーを測定するためのプログラマブルなゲイン抵抗と負荷抵抗を備えた 3つのトランスインピーダンスアンプ(TIA)が含まれています。アナログ・フロントエンド(AFE)には、もう2つ、一定のバイアス電圧を外部電気化学センサーに保持するポテンショスタット能力を備えた低消費電力アンプが含まれています。これら2つのアンプの非反転入力はオンチップ・デュアル出力D/Aコンバータ(DAC)によって制御されます。アナログ出力は高速DAC及びAC信号を生成するために設計された出力アンプを含みます。
ADCは、±0.9 Vの入力範囲で最大400 kSPSまでの変換率で動作可能です。ACDの前の入力多重通信回路によって、お客様は、測定のための入力チャンネルを選択できます。これらの入力チャンネルには、3つの外部電流入力、多重外部電圧入力、および内部電圧チャンネルなどがあります。内部チャンネルでは、内部の電源電圧、ダイ温度、およびリファレンス電圧を測定して診断することができます。
3つの電圧DACのうち2つはデュアル出力、12ビットストリングDACです。各DAC の一方の出力で定電位アンプの非反転入力を制御し、他方の出力でTIAの非反転入力を制御します。
3つ目のDAC(高速DACとも呼ばれます)はインピーダンス測定用の高電力TIAのために設計されています。プログラマブルな出力周波数範囲は最大200 kHzまでです。
高精度の 1.82 V および 2.5 V 内蔵リファレンス・ソースが提供されています。内部 ADC および VDAC 回路は、この内蔵リファレンス・ソースを使用して、それらのすべての周辺機器に対して低ドリフト性能を実現します。
ADuCM355は、26 MHzのARM Cortex-M3プロセッサを内蔵しています。このプロセッサは32ビットの縮小命令セットコンピュータ(RISC)で、ピーク性能は最大32.5 DMIPSです。ARM Cortex-M3 プロセッサにも柔軟なマルチチャネル・ダイレクト・メモリ・コントローラ(DMA)が搭載されており、シリアル・ペリフェラル・インタフェース(2つの個別SPIポート)、汎用非同期送受信回路(UART)、および通信周辺機器をサポートします。また、ADuCM355は、128 kBの不揮発性フラッシュ/EEメモリとオンチップ内蔵の64 kBのSRAMも保持しています。
デジタル・プロセッサ・サブシステムは、26 MHzのオンチップ発振器からクロックされています。これは、主要なデジタル・ダイ・システム・クロックのソースとなります。任意で、26 MHz PLLをデジタル・システム・クロックとして使用することも可能です。このクロックは、プロセッサをより低い周波数で動作させ、節電するため、内部で細分周が可能です。ロー・パワー内部32 kHz発振器が利用可能でタイマーを測定できます。ADuCM355には3つの汎用タイマー、起動タイマー(汎用タイマーとしても使用可)、そしてシステム・ウォッチドッグ・タイマーが含まれます。
アナログ・サブシステムには、個別の16 MHz発振器があり、これはADC、DACそしてアナログ・ダイ上のその他デジタル・ロジックを測定するためのものです。アナログ・ダイにも個別に32 kHz 低消費電力発振器があり、これは、定電圧ダイ上のウォッチドッグ・タイマーを測定するためのものです。32 kHz 発振器とこのウォッチドッグ・タイマーの両方は、デジタル・ダイ発振器とシステムウォッチドッグ・タイマーとは別のものになります。
特定のアプリケーションで必要に応じて、通信周辺機能の範囲を設定できます。それらの周辺機能は、UART、 I2C、2xSPIそして GPIOポートなどが挙げられます。GPIOは、汎用タイマーと組み合わせ、パルス幅変調(PWM)タイプの出力を生成するために組み合わせることができます。
オンチップのファクトリ・ファームウェアにより、UARTを経由したインサーキット実行されたユーザーフラッシュの消去をサポートすると同時に、非侵入型エミュレーションとプログラムのダウンロードもシリアル・ワイヤ・デバッグ・ポート(SW-DP)インターフェース経由でサポートしています。
ADuCM355は、2.8 Vから3.6 V給電で起動し、仕様温度範囲は −40°Cから +85°Cです。チップは、72ピン 6 mm × 5 mm ランド・グリッド・アレイ(LGA)パッケージにまとめられています。
アプリケーション
- ガス検出
- 食品品質
- 環境検出(空気、水、土)
- 血糖メーター
- ライフ・サイエンスおよびバイオセンシング分析
- 生体インピーダンス測定
- 一般的なアンペロメトリ(電流滴定)、ボルタンメトリおよびインピーダンス分光学機能
Applications
インテリジェント・ビル
- 環境モニタリング・ソリューション
AD5940

AD5940 およびAD5941は、電流滴定、ボルタンメトリ、またはインピーダンス測定などの電気化学ベースの高精度の測定技術を必要とするポータブル・アプリケーション向けに設計された高精度および低消費電力のアナログ・フロント・エンド(AFE)です。AD5940/AD5941 は、皮膚インピーダンスや体インピーダンスの測定用に設計されており、完成された生体電気/生体電位測定システムの AD8233 AFE と連動するように設計されています。AD5940/AD5941は、電気化学式有毒ガス検知用に設計されています。
AD5940/AD5941 は、2 つの高精度励起ループと 1 つの共通の測定チャンネルで構成されており、テスト対象のセンサーを幅広く測定できます。1 つ目の励起ループは、超低消費電力デュアル出力ストリング D/A コンバータ(DAC)と低消費電力および低ノイズの定電位アンプで構成されています。DAC の一方の出力で定電位アンプの非反転入力を制御し、他方の出力でトランスインピーダンス・アンプ(TIA)の非反転入力を制御します。この低消費電力励起ループは、DC ~ 200 Hz の信号を生成することができます。
2 つ目の励起ループは、高速 DAC と呼ばれる 12 ビット DAC で構成されています。この DAC は、最大 200 kHz の高周波数励起信号を生成することができます。
AD5940/AD5941 測定チャンネルには、入力バッファ、内蔵アンチエイリアス・フィルタ(AAF)、およびプログラマブル・ゲイン・アンプ(PGA)を備えた 16 ビット 800 kSPS マルチチャンネル逐次比較レジスタ(SAR)A/D コンバータ(ADC)が使用されています。ADC には、±1.35 V の入力電圧範囲があります。ADC 前の入力マルチプレクサにより、ユーザーは測定する入力チャンネルを選択できます。これらの入力チャンネルには、複数の外部電流入力、複数の外部電圧入力、および内部電圧チャンネルなどがあります。内部チャンネルでは、内部の電源電圧、ダイ温度、およびリファレンス電圧を測定して診断することができます。
電流入力には、さまざまなタイプのセンサーを測定するためのプログラマブルなゲイン抵抗と負荷抵抗を備えた 2 つの TIA が含まれています。1 つ目の TIA は、LPTIA と呼ばれ、低帯域幅の信号を測定できるように設計されています。2 つ目の TIA は、高速 TIA と呼ばれ、最大 200 kHz の高帯域幅の信号を測定できるように設計されています。
センサーは、超低リークおよび低 RON のプログラマブル・スイッチ・マトリックスにより、内部アナログ励起ブロックと測定ブロックに接続されています。このマトリックスは外付けのトランスインピーダンス・アンプ抵抗(RTIAs)およびキャリブレーション抵抗を接続するためのインターフェースとして機能します。このマトリックスを使用して、複数の電子測定デバイスを同じ測定電極にマルチプレクスすることもできます。
高精度の 1.82 V および 2.5 V 内蔵リファレンス・ソースが提供されています。内部 ADC および DAC 回路は、この内蔵リファレンス・ソースを使用して、それらの周辺機器に対して低ドリフト性能を実現します。
AD5940/AD5941 測定ブロックは、SPI(シリアル・ペリフェラル・インターフェース)インターフェースから直接レジスタに書き込むか、または AFE チップの自律的な制御を可能にするプログラマブル・シーケンサを使用して制御することができます。6 kB のスタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)は、ディープ・データ FIFO(先入れ先出し)とコマンド・メモリ用に分割されています。
測定コマンドはコマンド・メモリに保存され、測定結果はデータ FIFO に保存されます。FIFO 満杯、FIFO オーバーフローなどの FIFO の状態を示すために、FIFO に関連した多くの割込みが用意されています。
多数の汎用入出力(GPIO)が使用可能で、AFEシーケンサを用いて制御できます。AFEシーケンサは複数の外部センサー・デバイスをサイクル精度で制御できます。AD5940/AD5941 は、2.8 V ~ 3.6 V の電源で駆動し、−40 °C ~ +85 °C の温度範囲向けに仕様規定されています。AD5940 は、56 ピン 3.6 mm × 4.2 mm WLCSP パッケージを採用しています。AD5941 は、48ピンLFCSP パッケージを採用しています。
アプリケーション
- 電気化学測定
- 電気化学ガス・センサー
- 定電位/電流滴定/ボルタンメトリ/サイクリック
- ボルタンメトリ
- 生体インピーダンス・アプリケーション
- 皮膚インピーダンス
- 体インピーダンス
- 連続的な血糖値モニタリング
- バッテリ・インピーダンス
Applications
インテリジェント・ビル
- 環境モニタリング・ソリューション
- 建物の安全性およびセキュリティ・ソリューション
Evaluation Boards
EVAL-AD5940ELCZ

対象となる製品
AD5940
高精度なインピーダンスおよび電気化学フロント・エンド