電動パワートレインシステム

電動パワートレイン・システムの最適化は、自動車輸送と半導体技術の将来に影響を与える現在の2つの大きな破壊的創造(ディスラプション)の1つです。自動車業界は、電力を使ってクリーンに自動車を走らせるための新しい画期的な手段の採用を進める一方、電動パワートレイン・チェーン全体にわたり最大の効率を実現するために、電気自動車(EV)用サブシステムを支える半導体材料のリエンジニアリングも同時に行っています。

電動パワートレイン・システムは、主として、トラクション・インバータ(eドライブ)、オンボード充電システム(OBC)、DC/DCコンバータ(LDCは高電圧を低電圧に変換する機能を指します)の3つのエネルギー変換システムで構成されています。これらのシステムを図1に青色で示します。

このような状況と平行して半導体の大変革が生じ、これによってシリコン・カーバイド(SiC)MOSFETパワー・スイッチなどの新たなワイド・バンドギャップ・デバイスが登場しました。これらのデバイスは、EVの走行距離に対する消費者の期待とOEMの能力との差を縮め、競争力の高いコスト構造でその期待を満たす助けとなります。

詳細—トラクション・インバータでのSiC使用によるEVの走行距離延長

Electric Powertrain Systems - Image 1
図1

インバータおよび電気モータによるシステム・ソリューション

インバータ・システムでは絶縁型ゲート・ドライバが主要要素の1つとなります。スイッチの機能は比較的単純で、単なる三端子デバイスですが、システムとのインターフェースをとる場合は慎重に行う必要があります。ゲート・ドライバを使用することで、サブブロック・ドライバおよびスイッチが挿入された、クリーンで正確なシステム・インターフェースが確実に実現できます。

アナログ・デバイセズは、高性能ゲート・ドライバからプログラマブル・ゲート・ドライバにいたるまで、スケーラブルなソリューションを取り揃えているため、設計者は、SWaP-Cの各考慮事項の中で最適なバランスを見いだすことができます。アナログ・デバイセズのゲート・ドライバは、コモンモード過渡耐圧(CMTI)、駆動能力(強度およびスルー・レート制御)、超高速短絡保護の3つの重要領域において最高レベルの性能を備えたSiCスイッチの性能を、フルに活用しています。

電気モータの効率と滑らかな制御性は、モータ位置センシングにも大きく依存します。アナログ・デバイセズのAMR磁気式エンドオブシャフト位置センサーは、これらの目標を達成するために必要な高精度、高速応答、堅牢性といった性能を備えています。また、アナログ・デバイセズのレゾルバ/デジタル・コンバータ(RDC)ソリューションは、最高レベルの安全性と性能を実現する実証済みの手法です。

詳細 —バッテリ管理システムとトラクション・インバータ・システムの設計、コストと性能のスイート・スポットを見いだす

オンボード充電(OBC)システム

オンボード充電器(OBC)は、電気自動車(EV)やプラグイン・ハイブリッド自動車(PHEV)に使用され、トラクション・バッテリの充電を行います。このオンボード充電器システムは、シグナル・チェーンにおいて記述される場合、グリッドからのAC入力をDC出力に変換し、このDCでバッテリを充電します。最近では、双方向で機能するよう設計されたOBCが増えています。このモードでは、EVがソース(DC)となり、負荷に給電することや、エネルギーをグリッドに送り返すことができます。

DC/DC変換

DC/DCコンバータは、高電圧バッテリ・パック(またはマイルド・ハイブリッド電気自動車の48V)からの電力を変換して、12Vの車両ネットワークに給電します。アナログ・デバイセズは、高電圧および48VのDC/DC変換トポロジ向けに、以下に示すような広範なソリューションを用意しています。

  • 消費電力、遅延、EMI、CMTI、寿命信頼性に関する最高レベルの能力を備えた高電圧データ・アイソレータおよび絶縁型ゲート・ドライバ
  • 降圧、昇圧、フライバック、および絶縁型トポロジのスイッチング・レギュレータを含むパワー・マネージメント・ソリューション
  • 過酷なオートモーティブ環境において最高のシステム効率を実現するために必要な、信頼性、堅牢性、同相ステップ応答、オフセット電圧、温度ドリフト、帯域幅仕様などを備えた、高性能かつ市場をリードする電流センシング・ソリューション