AD8232は、ECGや他の生体電位計測アプリケーション向けのアナログ信号処理ブロックを集積しています。この製品は、動いている生体あるいはリモート電極配置のような、ノイズが多い状態が存在する中で発生する小さな生体起電力信号の抽出、増幅およびフィルタリングするように設計されています。この設計によって、超低電力のA/Dコンバータまたは組み込みマイクロコントラーラを使い、出力信号を容易に収集することが可能となっています。
AD8232は、動作による影響と電極のハーフ・セル電位を除去するための2極ハイパス・フィルタを構成することができます。このフィルタは、計装アンプのアーキテクチャと緊密に組み合されていますので、大きなゲインとハイパス・フィルタの両機能を一段で構成して、スペースとコストを削減することができます。
A8232は、内蔵の多用途オペアンプを使って3極ローパス・フィルタを作り、更にノイズを除去することも可能です。ユーザーは、いろいろなタイプのアプリケーションに合わせて、あらゆるフィルタのカットオフ周波数を選択することができます。
システム内のライン周波数と他の望ましくない干渉に対する同相モード除去比を改善するために、AD8232は、右脚ドライブ(RLD)のようなリード駆動アプリケーション用アンプを内蔵しています。
A8232は、高速の回復機能を備えており、ハイパス・フィルタの長いセトリング・テール時間を削減します。アンプの入力が電源に張り付くような急激な変化(例えばリード線の切断状態など)が起きた時、AD8232は自動的にフィルタのカットオフを上げるように調節します。この機能によって、AD8232は急速に回復するので、電極を対象に接続すると直ちに有効な計測値を取得できます。
AD8232は4mm×4mmの20ピンLFCSPパッケージおよびLFCSP_SSパッケージを採用しています。Aグレード・モデルの性能は0℃~70℃で仕様規定され、−40℃~+85℃で動作可能です。Wグレード・モデルの性能は−40℃~+105℃の車載用温度範囲で仕様規定されています。
アプリケーション
- フィットネス、運動での心拍数モニタリング
- ポータブルECG
- リモート・ヘルス・モニター
- ゲーム機の周辺装置
- 生体電位信号収集