工場のワイヤレス化を支援する

今日、多くの企業では、より柔軟な製造体制を構築するための取り組みを進めています。トップ・メーカーは、お客様の需要の変化、カスタマイゼーション、短い製品サイクルに迅速に対応したいと考えています。そのために、摩損、メンテナンス・コスト、ダウンタイムを最小限に抑えつつ、迅速かつ容易に再構成/改良/交換が行える装置と、入れ替えが可能なプロセスを導入することを目指しています。しかし、製造現場のほとんどの装置は、従来の物理的なコネクタ(有線接続)を多用しています。そのため、工場の生産能力は摩損の影響を強く受ける状態にあります。

そのような理由から、工場の設備を製造する多くのメーカーは、次世代のワイヤレス技術への置き替えを進めることでコネクタを排除したいと考えています。しかし、工場の多くのアプリケーションには、これまでRF技術は適用されてきませんでした。そのため、多くのメーカーは、適切な技術を選択してRFシステムを設計できるだけの十分な専門知識を有していません。そこで、アナログ・デバイセズは、そうしたメーカーとの連携を強力に推し進めています。具体的には、完全なワイヤレス・ソリューションを実現する上で不可欠なRFに関する最先端の専門技術と産業用アプリケーションに関する知識を提供しています。

 

概要

事業内容:

工場の設備の製造

アプリケーション:

産業用オートメーション・システムにおけるコネクティビティ

問題点:

コネクタは短時間で摩損するため、コストのかかるメンテナンス、ダウンタイム、データの信頼性に関する問題が発生する。

課題:

RFに関する完全なターンキー・ソリューションを構築するためにはアプリケーションとRFの両方について深く理解している技術者が必要になる。しかし、そうした技術者が社内に存在しない。

求めているもの:

アプリケーションとRFの両方について深く理解しており、完全なターンキー・ソリューションを構築するための支援を行ってくれるパートナー

開発目標:

リアルタイム・オペレーション、アップタイムの最大化、メンテナンス負荷の軽減、最大限の効率を保証するために欠かせない信頼性の高いワイヤレス通信

 

性能と効率に優れるコネクタ

現在、最も過酷な工業環境においては、大量のデータが生成されるようになっています。増え続けるデータを処理するためには、より高速で信頼性の高いワイヤレス・ソリューションが必要になります。そうしたソリューションに対するニーズは、かつてないほど高まっています。

多くのメーカーは、従来の物理コネクタの制約に縛られています。すなわち、ワイヤやケーブルを介して、コマンドやセットアップ命令を低速で送受信しています。ここで問題になるのは、それらのワイヤは高価であり、1フィート(約30cm)当たり10米ドル~1000米ドル(約1090円~10万9000円)の設置コストがかかることです。しかも、ワイヤでは摩損の問題を避けることはできません。摩損が生じれば、交換が必要になります。また、一部のメーカーは、現在でも機械的接点という異なる種類のコネクタを使用しています。その種のコネクタでも摩損が発生します。

データ(コマンド類)の伝送速度が遅いことと、摩損に伴うメンテナンス・コストは確かに問題です。しかし、メーカーはそれだけの理由でワイヤレス技術に投資しているわけではありません。その他にも、迅速かつ柔軟に構成が行えるようにすること、労働時間やセットアップにかかる時間を削減することなども投資の動機となっています。


80%

メンテナンスにかかる時間のうち8割は、
壊れた部品や装置に対処するために使われています。

 

大きな前進

あるメーカーは、RF技術を活用して回転継手(ロータリ・ジョイント、スリップ・リングとも呼ばれます)の物理的な接点を排除しようとしています。回転継手は、産業用オートメーション装置の可動部分に存在する回転式接続を介してデータや電力を伝送するための部品です。

回転工具は、ワイヤが使えないような状態で回転します。また、一部のアプリケーションでは、静止しているものと回転しているものの間に接続部を作る必要があります。そのようなケースではワイヤは実用的なものではありません。そこで、そうしたアプリケーションでは、ブラシとフィラメントで作られた電子機械的な接点が使われます。この接点は機械的な性質を持つため、以下のような問題に直面します。

  • 摩損
  • データ伝送信号を減衰させる可能性がある電気的干渉
  • 幅帯域幅の制約

このメーカーは、これらすべてを念頭に置いて従来の接点から別の手段への置き換えを進めることにしました。別の手段とは、コマンドを素早く低コストで送信でき、高い信頼性が得られる60GHz対応のワイヤレス・データ・インターフェースのことです。しかし、このメーカーは、そのようなRFソリューションを独自に開発するために必要な専門知識や技術を有していませんでした。また、ソリューションをゼロから構築するための時間も確保することはできませんでした。独自の研究開発、プロトタイプの開発、テストには多くのコストがかかります。したがって、そのメーカー単独で完全なソリューションを構築するのは極めて困難でした。そこで、このメーカーは、信頼できる長年のパートナーであるアナログ・デバイセズに協力を求めることにしました。


アナログ・デバイセズのソリューション

アナログ・デバイセズは、RF分野の技術やアプリケーション、システムに関する専門知識を活用し、60GHz対応のチップ・セットや、完全なRFシグナル・チェーン、アンテナを含む完全なソリューションを開発しています。その完全なRFリンクは、通信リンクの両端に対応するボード・レベルのプラグ&プレイ・モジュールとして実現されています。このレベルのソリューションであれば、顧客のアプリケーションが抱える問題を解決することができます。より重要なのは、必要なRF機能を独自に構築した場合と比べて極めて短い時間で製品を市場に投入できることです。


経験、専門知識、多様な知識の価値

アナログ・デバイセズのシニア・フィールド・アプリケーション・エンジニアであるAnton Patyuchenkoは「当社は、チップ・レベルの課題だけでなく、システム全体の設計に関する課題を解決します。そのためには、お客様が、必要としているものを正確に伝えてくれることを期待するのではなく、早い段階から設計プロセスにかかわる必要があります。真の価値を生み出し、問題の解決と探究に共同で携わるためには、お客様のアプリケーションについて徹底的に理解することが重要です。これは、どのICメーカーでもできることではありません」と述べています。

アナログ・デバイセズは、全周波数帯域に対応可能なRFのエキスパート/リーダーとして、お客様の課題の解決に全力で取り組みます。アプリケーションに関するシステム・レベルの広範な知識を持つことから、アナログ・デバイセズはお客様と即座に高度な会話を交わし、根本的な問題を明らかにするとともに、「不可欠な機能」と「あるとよい機能」を切り分けることができます。

 

想像を超える可能性を

Patyuchenkoは「お客様がRF通信に関する課題をどのようにして解決すればよいかわからず悩んでいたとします。当社はその分野について深く理解しているので、お客様から必要なことを聞き出し、課題を解決するための方法を提示することができます。当社は、お客様にまったく新たなレベルの柔軟性をもたらすことで、拡張可能な機能を備え、将来も使い続けられる製品を確実に実現できるよう努めています」と述べています。



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