AN-2046: IEC 61000-4-x および CISPR 11 により試験を行った、AD5758 および ADP1031 使用の工業用プロセス制御アプリケーション向けアナログ出力設計

はじめに

AD5758 はシングルチャンネル 16 ビットの電圧および電流出力D/A コンバータ(DAC)で、ダイナミック消費電力制御(DPC)機能と HART®接続機能を内蔵しています。AD5758 は、工業用プロセス制御アプリケーションのプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)モジュールおよび分散制御システム(DCS)モジュールで機能するよう設計されています。

ADP1031 は高性能の絶縁型マイクロパワー管理ユニット(マイクロ PMU)で、3 種類の絶縁型電源レールを使用できます。更に、ADP1031 には、低消費電力と小さいソリューション・サイズが求められるチャンネル間アプリケーション用に、4 つの高速シリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)絶縁チャンネルと 3 つの汎用アイソレータが含まれています。

このアプリケーション・ノートでは、アナログ出力設計の電磁両立性(EMC)試験済みソリューションについて説明します。このソリューションは、ADP1031ACPZ-1-R7(以下、単にADP1031 と呼びます)と、AD5758 のダイナミック消費電力管理機能を備えた工業用プロセス制御向けの出力電圧(VOUT)と出力電流(IOUT)を使用します。IEC 61000-4-x シリーズの規格には、電気および電子機器のシステム・レベルの耐性評価方法が規定されています。

AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの特性評価によって、この回路の性能が放射 RF 妨害波や伝導 RF 妨害波の影響を受けることがなく、静電放電(ESD)、電気的高速トランジェント(EFT)、およびサージに対して十分な耐性を有していることを確認できます。この EMC 試験用ボードに対しては CISPR 11規格による試験も行われており、ADP1031 の改善された電磁干渉(EMI)性能によって、ボードの EMI 放射はクラス B の制限値より十分に低いことが確認されています。ADP1031 は、その高い集積度と最適化された設計により、9dB 以上の余裕を残して CISPR 11 のクラス B の制限値を満たしています。AD5758 およびADP1031 EMC試験用ボード設計は、AD5758とADP1031を使用したマルチチャンネル・アナログ出力アプリケーションがIEC 61000-4-x および CISPR 11 の認証に不合格となるリスクを大幅に減らします。

アプリケーション・ノート AN-1599、「IEC 61000-4-x and CISPR 11 Tested Analog Output Design with the AD5758 for Industrial Process Control Applications」は AD5758 EMC 試験用ボードについて説明したもので、本ボードと同じブランク PCB を使用していますが、その部品表(BOM)の構成が一部異なります。この AD5758EMC 試験用ボードは、ディスクリート IC を使用して ADP1031の電源絶縁とデジタル・アイソレーションを実装しています。AD5758 EMC 試験用ボードも本ボードと同等の EMI 耐性を備えていますが、満たしているのは CISPR 11 クラス A の制限値だけです。詳細についてはアプリケーション・ノート AN-1599 を参照してください。

図 1. AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの写真
図 1. AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの写真

システム設計

AD5758 DAC の説明


AD5758 はシングルチャンネルの電圧および電流出力 DAC で、AVSS および AVDD1レール間の電圧で動作し、その最大値は 60Vです。内蔵 DPC はパッケージの消費電力を最小限に抑えますが、これは、降圧 DC/DC コンバータを使って、VIOUT 出力ドライバ回路への電源電圧(VDPC+)を5V~27Vに調整することによって実現されます。また、CHARTピンによってHART信号を電流出力にカップリングすることができます。

このデバイスは、多機能の 4 線式シリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)を採用しています。このインターフェースは最大 50MHz のクロック・レートで動作し、標準 SPI、QSPI、MICROWIRE、DSP、およびマイクロコントローラ・インターフェース標準と互換性があります。また、インターフェースは、オプションの SPI 巡回冗長性チェック(CRC)とウォッチドッグ・タイマー(WDT)を備えています。AD5758 は、出力電流監視や内蔵 12 ビット診断 A/D コンバータ(ADC)などの診断機能を備えています。更に、VIOUT、+VSENSE、および−VSENSEピンに故障保護スイッチを含めることで、堅牢性が強化されています。

詳細については AD5758 のデータシートを参照してください。


ADP1031 マイクロパワー管理ユニットの説明


ADP1031 は、絶縁型フライバック DC/DC レギュレータ、反転DC/DCレギュレータ、および降圧 DC/DCレギュレータを組み合わせた高性能の絶縁型 microPMUで、3 つの絶縁型電源レールを提供します。


回路の説明


この回路は、シングルチャンネル、絶縁型の工業用電圧および電流出力モジュールで、厳しい EMI/EMC環境向けに設計されており、AD5758 DAC と ADP1031 microPMU、および 7 個のデジタル・アイソレータを備えています。この設計は、PLC およびDCS アプリケーションを対象としています。AD5758 およびADP1031 EMC試験用ボードは、IEC 61000-6-2共通規格に定める過酷な工業環境下で使用することを目的とした、IEC 6100-4-xおよび CISPR 11 規格の要求を満たすことができるように設計されています。AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードは、AN1599 に記述されている AD5758 EMC 試験用ボードのバリエーションです(BOM が一部異なる)。これら 2 つのボードは、同じブランク PCB を使って組み立てられています。本アプリケーション・ノートに示すバリエーションの唯一の違いは、LT8300ADP2360ADuM141DADuM142D、および ADM6339 で構成される電源およびデジタル・アイソレーションのディスクリート実装が、ADP1031 に置き換えられている点です。


設計の促進

AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの電源は、2 つの異なる電源から供給されます。1 つめの 24V 入力は ADP1031 用で、このデバイスは絶縁型電源の設計を大幅に簡素化します。このEMC 試験用ボード上で、ADP1031は、絶縁された 20Vの電源を生成して AD5758 の AVDD1 ピンに供給するために使われています。また、ADP1031 の 5.15V VOUT2は AD5758 の AVDD2ピンに電圧を供給し、同じく−15V VOUT3は AD5758 の AVSSピンに電圧を供給します。もう 1 つの 24V 電源は、マイクロプロセッサとデジタル・アイソレータを含め、システム側領域の回路に電力を供給します。ADP7142 は 24V 電源を 5V まで降圧して、5V ロジックや 5V電源を必要とする回路にそれを供給します。低ドロップアウト(LDO)レギュレータの ADP124は、ADuCM3029を含む低消費電力部品用として、この 5V 電源を更に 3V にレギュレーションします。AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードは1 つの 24V 電源で動作しますが、システム電源とフィールド電源が分かれていることを明確にするために、2 つの 24V 電源を互いに絶縁する必要があります。これら 2 つの 24V 電源は、システム内でシステム電源とフィールド電源が別々に供給されるような、代表的な使用事例を想定したものです。


絶縁に関する考慮事項

多くの場合、EMC 耐性を改善するために最初に講じられる方法が、絶縁バリアを適切に配置することです。ADP1031 は、フィールド側の AD5758 とシステム側のマイクロコントローラ・ユニット(MCU)の間に電気的な絶縁を提供します。最大限のEMC 性能と EMI 性能を実現するためには、事前に考慮すべき事項がいくつかあります。できるだけ良好な EMI 放射性能を得るには、インダクタとコンデンサからなるフィルタ(LC フィルタ)を、MVDD ピン、SVDD1 ピン、および SVDD2 ピンに接続することを推奨します。このフィルタは、フェライトビーズと100nF および 10nF のコンデンサを互いに並列に接続して構成します。絶縁バリア越しに 0.001µF のセラミック・コンデンサを配置しても、EMI 放射を減らすことができます。詳細については、アプリケーション・ノートAN-1109、「iCoupler デバイスでの放射制御に対する推奨事項」を参照してください。

ADP1031 の絶縁型フライバック・コンバータは、フライバック・トランスを駆動します。1 次側と 2 次側をまたぐ 1nF、3kVのコンデンサは、イメージ電流のリターン・パスを提供します。

ADuCM3029 超低消費電力 ARM® Cortex®-M3 MCU は、AD5758および ADP1031 EMC 試験用ボードのローカル制御とデータ通信を行います。ADuCM3029 の EMI 放射プロファイルは許容できるものであり、IEC 61000-4-x 試験用として十分な耐性を備えています。

図 2. AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの回路図
図 2. AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの回路図

プリント回路基板

AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードは、4 層プリント回路基板(PCB)である FR4 上に実装されています。この PCB の1 次側と 2 次側には 0.5oz の銅箔が、内部のレイヤには 1oz の銅箔が使われています。PCB の層構成を図 3 に示します。

図 3. PCB の層構成
図 3. PCB の層構成

部品配置とレイアウト時の考慮事項


このセクションでは、最小限の必要部品で AD5758 の最大限のEMC 性能と EMI 性能を実現するための設計上の考慮事項(部品の配置とコネクタからの距離に関する一般的な推奨事項)について説明します。

AD5758 のデジタル・インターフェース側は、アイソレータの近くに配置してください。デジタル・ラインのダンピング抵抗(数十 Ω から数百 Ω 程度)は、CMOS のスイッチ・オンとスイッチ・オフに起因する電気的なトランジェントを減衰するので、EMIを抑制する助けとなります。AD5758のVIOUT側は、AD5758および ADP1031 EMC 試験用ボードのエッジにある 4ピン出力端子ブロックに近付ける必要があります。


他の部品の考慮事項

AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードは、0.1µF、50V、X7R、精度 10%、低等価直列抵抗(ESR)、C0603フットプリントのセラミック・コンデンサをデカップリング・コンデンサに使用していますが、これは性能、ディレーティング、コスト、および省スペースを考慮したトレードオフによるものです。より緊密なデカップリングが必要な場合には、1nF、25V、C0402フットプリントの X7R コンデンサを使用します。


電圧源保護

EMC および EMI の評価と実証の対象は、AD5758 およびその関連周辺部品に限定されます。AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボード上の 2 つの 24V 電源回路は、ボードの機能に必要な電圧を提供します。これらの電源回路は、ユーザのオートメーション制御システムの電源モジュールやバックプレーン電源の堅牢性に見合うものとなるように設計されたものではありません。したがって、これらの電源回路に実装されているのは基本的な保護機能だけです。システム側の 24V 電源では保護接地への電力入力端子の各ピンの隣に 1nF のコンデンサが配置されており、3.3nF/3kV のコンデンサを通じて過渡エネルギーをアース・グラウンドに放電させることができます。4.7MΩ の抵抗は、保護接地に蓄積される可能性のあるエネルギーをアースに放出します。電源入力への誤配線を防ぐために、過渡電圧抑制(TVS)ダイオードが挿入されています。この TVS ダイオードは過渡電圧をクランプして、33V(公称値)以上にならないようにします。下流回路から漏出する EMI は、コモンモード・インダクタによって減衰されます。インダクタの後段に挿入された 2 つめのTVS ダイオードは、トランジェントを更にクランプします。フィールド側の 24V 電源も同様の保護方式を採用しています。


ESD 保護

AD5758 および ADP1031 EMC試験用ボードには、適切な ESD保護回路が必要です。保護回路は、電流制限抵抗、過渡電圧クランプ、過渡エネルギーを分流するコンデンサによって構成されます。

AD5758 の EMC および EMI 性能を改善するために最小限必要な部品は、3 つあります。AD5758 の VIOUT ピンと端子ブロック間のパターン上に置かれた 10Ω 抵抗は、このデバイスとの間に流れる過渡電流を制限します。TVS ダイオードは、EMC 事象発生時に基板上の電気的なトランジェントをクランプするのに不可欠です。TVSダイオードは、AD5758と出力端子ブロックの間に挿入します。TVS ダイオードのピンは、短くて太いパターンを使って VIOUT と RETURN スクリュー(P4 端子上)へ直接配線します。TVS ダイオードと並列に置かれた 10nF、50V の X7R コンデンサは、小さい高周波トランジェントを RETURN スクリューへそらします。また、AVDD1 レールと AVSS レールに接続したオプションのクランプ・ダイオードをVIOUTラインに追加すれば、堅牢性を更に向上させることができます。ただし、AD5758 およびADP1031 EMC試験用ボードにこれらのダイオードは不要で、なくても EMC および EMI 性能に関する目標は満たされています。

図 4. AD5758 と ADP1031 のバイパスおよび周辺回路
図 4. AD5758 と ADP1031 のバイパスおよび周辺回路
図 5. EMC 試験の一般的なセットアップ
図 5. EMC 試験の一般的なセットアップ

回路の評価とテスト


AD5758 リファレンス設計は、PC に接続して動作させるか、スタンドアロン・モードで動作させます。PC のグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)は、DAC 出力範囲、出力コード、ADC シーケンシングなどの実行パラメータを設定します。GUI は故障フラグ・マップを表示し、AD5758 の内蔵診断 ADCノードの指示値をプロットします。

内蔵フラッシュ・メモリ内に動作パラメータを設定した後は、ソフトウェアの動作中にボードと PCまたはコントローラ・ボードとの接続を外すことができます。ボードを動作させるには、AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの電源を入れて、RUN ボタンまたは STOP ボタンを押します。

AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの一般的な EMC 試験用セットアップを図 5 に示します。破損を招く可能性のあるEMC 試験を行う場合は、各試験の前後に、高精度のベンチトップ型デジタル・マルチメータ(DMM)によって、AD5758 から負荷抵抗への出力を 300 回測定します。性能の基準を満たすには、2 セットの DMM 測定値の差が、予め設定された範囲内になければなりません。最大許容差はフル・スケールの 0.1%で、これは工業用オートメーション・アプリケーションの一般的な条件に一致するものです。

破損のおそれのない EMC 試験の際には、ベンチトップ型 DMMによって負荷抵抗への AD5758 出力を継続的に測定します。性能基準を判定するために、EMC イベント発生時と発生後の測定値が、EMC イベント発生前の DMM 測定値の平均と比較されます。

EMI 試験において、AD5758 は、1kHz でリフレッシュされるフル・スケールの電圧または電流を出力するように設定され、AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードはスタンドアロン・モードで使われます。このセットアップで使用する補助デバイスは、AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードに電源を供給する 2 つの 24V バッテリ・パックだけです。これらのバッテリ・パックは、EMI には関与しないものとします。


必要なソフトウェア


AD5758 の EMC 試験を実施するには、次のソフトウェアが必要です。

  • AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードのファームウェア(レビジョン 57-58-E0-01)
  • AD5758 システム EMC GUI ソフトウェア(レビジョン1.0.0.1)
  • Keysight Technologies Bench Vueソフトウェア(バージョン 2.6)

必要な装置


AD5758 の EMC 試験を実施するには、次の装置が必要です。

  • 光 USB トランシーバー基板
  • 工業用光ファイバ・ケーブル
  • Windows® 7、64 ビット・バージョン、イメージモデル V3.0.2011.10.14 を実行する PC
  • DC 電源:Agilent 3630A、および Agilent 3631A
  • デジタル・マルチメータ:Keysight 33470A
  • 2m(1 ツイスト・ペア)の多芯ケーブル:Belden 8761
  • ライン・フィルタ:Schaffner FN353Z-30-33

負荷抵抗は、2m のケーブル(Belden 8761、シールドされたツイスト・ペア)で AD5758 に接続します。電流出力モードの負荷抵抗は、ラジアル・リード、500Ω、±0.005%、±0.8ppm/ºC、600mW、300Vの薄膜抵抗です。電圧出力モードの負荷は、ラジアル・リード、1kΩ、±0.01%、±0.8ppm/ºC、600mW、300V の薄膜抵抗です。

後段にローパス・フィルタが接続された 1 対のツイスト・ペア線が、負荷抵抗にかかる電圧を検出します。このフィルタ出力を、1 対のツイスト・ペア線で Keysight 33470A DMM に接続します。DMM の積分時間は、0.02 電源ライン・サイクル(400µs)に設定します。DMM と PC は USB ケーブルで接続します。AD5758 GUI ソフトウェアは、電気的に絶縁されたデータ・リンクを介して、AD5758のステータス・レジスタを1msごとにモニタします。

AD5758 システム EMC GUI ソフトウェアは、ローカル・マイクロプロセッサにパラメータを送って、AD5758へ書込みを行います。AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードは、それぞれのEMC および EMI 試験項目ごとに、電圧出力モードと電流出力モードで試験を行います。

それぞれの出力モードで 2 つの出力条件が確認されます。1 つめの条件は、AD5758 に対して 2 秒ごとに行われる 0xFFFF と0x8000 の交互書込みです。これは、EMC 試験時に、入力コードに従って AD5758 出力が能動的に更新されていることを確認するために行われます。2 つめの条件は、AD5758 に対して 1ms ごとに行われる 0xFFFF の固定書込みです。これは、EMC イベント発生時と発生後に、AD5758 の出力変動を簡易計算するために行われます。

図 6. AD5758 システム EMC ソフトウェアの GUI、トグル出力
図 6. AD5758 システム EMC ソフトウェアの GUI、トグル出力
図 7. AD5758 システム EMC ソフトウェアの GUI、安定出力
図 7. AD5758 システム EMC ソフトウェアの GUI、安定出力

AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードは、表 1 と表 2 に示す CISPR 11 および IEC 61000-4-x 規格に従って試験が行われ、これらの規格に適合していることが確認されています。表 2 の性能の基準を表 3 に示します。


規格と性能基準


AD5758およびADP1031 EMC試験用ボードは、EMCおよび EMI試験の項目と制限値、および性能基準を満たすように設計されています。この EMC 試験用ボードの制限値と性能基準は、IEC61000-6-2 規格と IEC 61131-2 規格に従って定められています。これらの規格に従い、該当する次の 6 種類の試験を選択しました。

  • IEC 61000-4-2
  • IEC 61000-4-3
  • IEC 61000-4-4
  • IEC 61000-4-5
  • IEC 61000-4-6
  • CISPR 11

表 1. EMI 性能の概要
Test Basic Standard Frequency Range (MHz) Limits Measured Minimum Margin (dBμV/m) Result
Radiated Emissions CISPR 11, Class B 30 to 1000 See Table 11 and Table 12 9.07 Pass
表 2. 耐性性能の概要
Test Basic Standard Test Levels Performance Criterion Measured
Minimum
Margin
Result
Conducted Immunity IEC 61000-4-6 20 V/m A See Table 4 Pass
Radiated Immunity IEC 61000-4-3 20 V/m A See Table 10 Pass
ESD IEC 61000-4-2
IEC 61000-4-2
IEC 61000-4-2
±6 kV contact
±12 kV air
±30 kV coupling
B
B
B
See Table 5
See Table 6
See Table 7
Pass
Pass
Pass
EFT IEC 61000-4-4 ±4 kV B See Table 8 Pass
Surge IEC 61000-4-5 ±4 kV B See Table 9 Pass
表 3. 性能基準
性能基準 説明
A メーカーが仕様規定する誤差範囲内での正常動作。
B 一時的な機能喪失または性能低下。これは障害が除去されると消失する。試験対象の装置(EUT)は、オペレータが介入することなく正常動作に回復する。
C 一時的な機能の喪失または性能の低下。性能の回復には、手動での再起動、電源オフ、電源オンなどのオペレータの介入が必要。
D 回復不能な機能喪失または性能低下。ハードウェアやソフトウェアに恒久的な損傷が発生したり、データが喪失したりする。

AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードのEMC および EMI 測定結果

伝導耐性


IEC 61000-4-6 に従い、EUTはグラウンド基準面から0.1mの高さにある絶縁支持体の上に置きます。EUT から出る配線は、すべてグラウンド基準面から少なくとも 30mm の高さで保持します。カップリング/デカップリング・ネットワーク(CDN)801A を使用して干渉を加えます。ケーブルは減衰クランプ KEMZ801Aでデカップリングします。周波数の掃引範囲は、150kHz~80MHz(20V/m)で、1kHz のサイン波で 80%の振幅変調の妨害信号を使用します。ステップの大きさは、初めは開始周波数の1%で、その後はその直前の周波数の 1%ずつインクリメントしながら掃引します。振幅変調された搬送波の保持時間は各周波数で0.5秒です。DMMはこの時間内に 30回以上の測定を完了することができますが、これは誤差の偏差を計算するのに十分な回数です。

表 4. IEC 61000-4-6 の試験レベルと結果
Output Mode Average Before Zap During Zap Average After Zap Deviation of Full Scale (ppm) Pass or Fail
Minimum Maximum
VOUT = 10 V 9.999341 V 9.997904 V 10.000008 V 9.999395 V −0.009%, 0.004% Pass, Criterion A
IOUT = 20 mA 19.960074 mA 19.959014 mA 19.962312 mA 19.960025 mA −0.007%, 0.014% Pass, Criterion A
図 8. IEC 61000-4-6 試験用セットアップの接続図
図 8. IEC 61000-4-6 試験用セットアップの接続図
図 9. IEC 61000-4-6 試験用セットアップの写真
図 9. IEC 61000-4-6 試験用セットアップの写真
図 10. 電圧出力と周波数の関係(20V/m 未満)
図 10. 電圧出力と周波数の関係(20V/m 未満)
図 11. 電流出力と周波数の関係(20V/m 未満)
図 11. 電流出力と周波数の関係(20V/m 未満)
図 12. 電圧出力と測定回数の関係(20V/m 伝導感受性(CS)試験の前後)
図 12. 電圧出力と測定回数の関係(20V/m 伝導感受性(CS)試験の前後)
図 13. 電流出力と測定回数の関係(20V/mCS 試験の前後)
図 13. 電流出力と測定回数の関係(20V/mCS 試験の前後)

ESD 耐性


試験スタンドには、グラウンド基準面に置いた高さ 0.8m の非導電性テーブルを使用します。テーブル上には 1.6m × 0.8m の水平結合板(HCP)を置き、EUT とケーブルは厚さ 0.5mm の絶縁マットで結合板から絶縁します。

AD5758 の出力端子ブロック(P4)の VIOUT および RETURN端子ネジに対して、接触放電を行います。EUT には各定格で少なくとも 20 回の放電を行い(正負それぞれの極性で各 10 回)、放電は 1 秒に 1 回の割合とします。

次に、AD5758の出力端子ブロックに対して気中放電を行います。EUT には各定格で少なくとも 20 回の放電を行い(正負それぞれの極性で各 10 回)、放電は 1 秒に 1 回の割合とします。

更に、HCP と垂直結合板(VCP)に対して結合放電を行います。EUT には各定格で少なくとも 20 回の放電を行い(正負それぞれの極性で各 10 回)、放電は 1 秒に 1 回の割合とします。結合板とアース・グラウンドの間には 470kΩ のブリーダ抵抗を 2 個接続します。

表 5. IEC 61000-4-2 の試験レベルと結果(±6kV の接触 ESD)
Test Level Output Mode Zap Point on P4 Before Zap After Zap Deviation of Full Scale (ppm) Pass or Fail
6 kV Contact Discharge VOUT = 10 V VIOUT terminal screw 9.999939 V 9.999964 V 3 Pass, Criterion B
VOUT = 10 V RETURN terminal screw 9.999946 V 9.999965 V 2 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA VIOUT terminal screw 19.961543 mA 19.961512 mA −2 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA RETURN terminal screw 19.961495 mA 19.961551 mA 3 Pass, Criterion B
−6 kV Contact Discharge VOUT = 10 V VIOUT terminal screw 9.998116 V 9.998157 V 4 Pass, Criterion B
VOUT = 10 V RETURN terminal screw 9.999761 V 9.999805 V 5 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA VIOUT terminal screw 19.961541 mA 19.961490 mA −3 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA RETURN terminal screw 19.961426 mA 19.961442 mA 1 Pass, Criterion B
表 6. IEC 61000-4-2 の試験レベルと結果(±12kV の気中 ESD)
Test Level Output Mode Zap Point on P4 Before Zap After Zap Deviation of Full Scale (ppm) Pass or Fail
12 kV Air Discharge VOUT = 10 V VIOUT terminal block 9.999615 V 9.999612 V −1 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA VIOUT terminal block 19.960970 mA 19.960972 mA 1 Pass, Criterion B
−12 kV Air Discharge VOUT = 10 V VIOUT terminal block 9.999562 V 9.999572 V 1 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA VIOUT terminal block 19.960957 mA 19.961000 mA 2 Pass, Criterion B
表 7. IEC 61000-4-2 の試験レベルと結果(±30kV の結合 ESD)
Test Level Output Mode Zap Point Before Zap After Zap Deviation of Full Scale (ppm) Pass or Fail
30 kV Coupling Discharge VOUT = 10 V Horizontal plane 10.000360 V 10.000379 V 2 Pass, Criterion B
VOUT = 10 V Vertical plane 10.000385 V 10.000371 V −2 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA Horizontal plane 19.961024 mA 19.960967 mA −3 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA Vertical plane 19.961045 mA 19.960978 mA −4 Pass, Criterion B
−30 kV Coupling Discharge VOUT = 10 V Horizontal plane 10.000398 V 10.000384 V -2 Pass, Criterion B
VOUT = 10 V Vertical plane 10.000387 V 10.000378 V −1 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA Horizontal plane 19.961049 mA 19.961004 mA −3 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA Vertical plane 19.961010 mA 19.960995 mA −1 Pass, Criterion B
図 14. IEC 61000-4-2 試験用セットアップの接続図(接触放電または気中放電)
図 14. IEC 61000-4-2 試験用セットアップの接続図(接触放電または気中放電)
図 15. IEC 61000-4-2 試験用セットアップの接続図(結合放電)
図 15. IEC 61000-4-2 試験用セットアップの接続図(結合放電)
図 16. IEC 61000-4-2 試験用セットアップの写真
図 16. IEC 61000-4-2 試験用セットアップの写真
図 17. 電圧出力と測定回数の関係(VIOUT 端子ネジへの 6kV ESD)
図 17. 電圧出力と測定回数の関係(VIOUT 端子ネジへの 6kV ESD)
図 18. 電圧出力と測定回数の関係(VIOUT 端子ネジへの−6kV ESD)
図 18. 電圧出力と測定回数の関係(VIOUT 端子ネジへの−6kV ESD)
図 19. 電圧出力と測定回数の関係(RETURN 端子ネジへの 6kV ESD)
図 19. 電圧出力と測定回数の関係(RETURN 端子ネジへの 6kV ESD)
図 20. 電圧出力と測定回数の関係(RETURN 端子ネジへの−6kV ESD)
図 20. 電圧出力と測定回数の関係(RETURN 端子ネジへの−6kV ESD)
図 21. 電流出力と測定回数の関係(VIOUT 端子ネジへの 6kV ESD)
図 21. 電流出力と測定回数の関係(VIOUT 端子ネジへの 6kV ESD)
図 22. 電流出力と測定回数の関係(VIOUT 端子ネジへの−6kV ESD)
図 22. 電流出力と測定回数の関係(VIOUT 端子ネジへの−6kV ESD)
図 23. 電流出力と測定回数の関係(RETURN 端子ネジへの 6kV ESD)
図 23. 電流出力と測定回数の関係(RETURN 端子ネジへの 6kV ESD)
図 24. 電流出力と測定回数の関係(RETURN 端子ネジへの−6kV ESD)
図 24. 電流出力と測定回数の関係(RETURN 端子ネジへの−6kV ESD)
図 25. 電圧出力と測定回数の関係(12kV 気中 ESD)
図 25. 電圧出力と測定回数の関係(12kV 気中 ESD)
図 26. 電圧出力と測定回数の関係(−12kV 気中 ESD)
図 26. 電圧出力と測定回数の関係(−12kV 気中 ESD)
図 27. 電流出力と測定回数の関係(12kV 気中 ESD)
図 27. 電流出力と測定回数の関係(12kV 気中 ESD)
図 28. 電流出力と測定回数の関係(−12kV 気中 ESD)
図 28. 電流出力と測定回数の関係(−12kV 気中 ESD)
図 29. 電圧出力と測定回数の関係(30kV HCP ESD)
図 29. 電圧出力と測定回数の関係(30kV HCP ESD)
図 30. 電圧出力と測定回数の関係(−30kV HCP ESD)
図 30. 電圧出力と測定回数の関係(−30kV HCP ESD)
図 31. 電圧出力と測定回数の関係(30kV VCP ESD)
図 31. 電圧出力と測定回数の関係(30kV VCP ESD)
図 32. 電圧出力と測定回数の関係(−30kV VCP ESD)
図 32. 電圧出力と測定回数の関係(−30kV VCP ESD)
図 33. 電流出力と測定回数の関係(30kV HCP ESD)
図 33. 電流出力と測定回数の関係(30kV HCP ESD)
図 34. 電流出力と測定回数の関係(−30kV HCP ESD)
図 34. 電流出力と測定回数の関係(−30kV HCP ESD)
図 35. 電流出力と測定回数の関係(30kV VCP ESD)
図 35. 電流出力と測定回数の関係(30kV VCP ESD)
図 36. 電流出力と測定回数の関係(−30kV VCP ESD)
図 36. 電流出力と測定回数の関係(−30kV VCP ESD)

電気的高速トランジェントに対する耐性


IEC 61000-4-4 に従い、EUT の試験は、アナログ入力ケーブルに4000V の放電を加えることによって行います。正負両極性の放電を印加します。EFT 発生器の同軸出力から EUT の端子までの活線の長さは、1m を超えないようにします。各試験シーケンスの持続時間は 1 分です。トランジェント波形とバースト波形は、IEC 61000-4-4 に従い立上がり時間 5ns、パルス幅 50ns とします。

試験時は、厚さ 0.25 ㎜以上の銅で覆った高さ 0.8mの木製テーブルを、保護接地システムに接続した状態で使用します。EUT は0.1m の厚さの絶縁支持体の上に置き、EUT と試験室の壁との間に最低 0.5m の距離を保ちます。

表 8. IEC 61000-4-4 の試験レベルと結果(±4kV EFT)
Test Level Output Mode Before Zap After Zap Deviation of
Full Scale (ppm)
Pass or Fail
4 kV EFT VOUT = 10 V 10.000216 V 10.000277 V 4 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA 19.960184 mA 19.960118 mA −5 Pass, Criterion B
−4 kV EFT VOUT = 10 V 10.000269 V 10.000254 V −1 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA 19.960140 mA 19.960190 mA 4 Pass, Criterion B
図 37. IEC 61000-4-4 試験用セットアップの接続図
図 37. IEC 61000-4-4 試験用セットアップの接続図
図 38. IEC 610004-4 試験用セットアップの写真
図 38. IEC 610004-4 試験用セットアップの写真
図 39. 電圧出力と測定回数の関係(4kV EFT)
図 39. 電圧出力と測定回数の関係(4kV EFT)
図 40. 電圧出力と測定回数の関係(−4kV EFT)
図 40. 電圧出力と測定回数の関係(−4kV EFT)
図 41. 電流出力と測定回数の関係(4kV EFT)
図 41. 電流出力と測定回数の関係(4kV EFT)
図 42. 電流出力と測定回数の関係(−4kV EFT)
図 42. 電流出力と測定回数の関係(−4kV EFT)

サージ耐性


工業環境について定めた IEC 61000-4-5 規格によれば、サージは、立上がり時間 1.2µs、パルス幅 50µs のオープン・サーキット電圧と、立上がり時間 8µs、パルス幅 20µs の短絡電流のコンビネーション波形です。EUT は各定格で 5 回の正のサージと 5 回の負のサージを受けます。各サージの間隔は 1 分で、サージはAD5758の出力ケーブルに印加します。このケーブルは、EUTへのシールドされていない非対称相互接続線として取り扱われます。サージは CDN174 を通じ、容量性カップリングを介してラインに印加されます。

CDN が、EUT の仕様規定された機能条件に影響を与えることはありません。EUT と CDN 間の相互接続線の長さは 2m 以下とします。

表 9. IEC 61000-4-5 の試験レベルと結果
Test Level Output Mode Before Zap After Zap Deviation of
Full Scale (ppm)
Pass or Fail
4 kV Surge VOUT = 10 V 9.999588 V 9.999406 V −12 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA 19.960027 mA 19.960030 mA 1 Pass, Criterion B
−4 kV Surge VOUT = 10 V 9.999328 V 9.999389 V 4 Pass, Criterion B
IOUT = 20 mA 19.959943 mA 19.959980 mA 3 Pass, Criterion B
図 43. IEC 61000-4-5 試験用セットアップの接続図
図 43. IEC 61000-4-5 試験用セットアップの接続図
図 44. IEC 61000-4-5 試験用セットアップの写真
図 44. IEC 61000-4-5 試験用セットアップの写真
図 45. 電圧出力と測定回数の関係(4kV 未満のサージ)
図 45. 電圧出力と測定回数の関係(4kV 未満のサージ)
図 46. 電圧出力と測定回数の関係(−4kV 未満のサージ)
図 46. 電圧出力と測定回数の関係(−4kV 未満のサージ)
図 47. 電流出力と測定回数の関係(4kV 未満のサージ)
図 47. 電流出力と測定回数の関係(4kV 未満のサージ)
図 48. 電流出力と測定回数の関係(−4kV 未満のサージ)
図 48. 電流出力と測定回数の関係(−4kV 未満のサージ)

放射耐性


工業環境について定めた IEC 61000-4-3 規格に従い、試験は完全電波暗室で行います。EUTは高さ 0.8m の非導電性テーブルの上に置きます。補助装置として使用する DMM はテーブル下のシールドされたボックス内に置き、負荷抵抗の位置で AD5758 の出力を測定します。DMM の測定データは、イーサネット・ケーブルを介して室外の PC へ送られます。送信アンテナは EUTから 3m の位置に配置します。周波数の掃引範囲は 80MHz~1000MHz および 1000MHz~6000MHz とし、1kHz のサイン波を使用して 80%の信号振幅変調を行います。この周波数範囲を、直前の周波数の 1%のステップ量でインクリメントしながら掃引します。各周波数の保持時間は 1 秒で、EUT の応答に必要な時間を下回ることはありません。この間に DMM は 20 回の測定を完了することができますが、これは誤差の偏差を計算するのに十分な回数です。電界強度は 80MHz~1000MHz の範囲で 20V/m、1000MHz~6000MHz の範囲で 10V/m です。試験は、垂直方向と水平方向の電界内に EUT を置いて行います。

表 10. IEC 61000-4-3 の試験レベルと結果
Frequency Range Test Level Antenna Polarization Output Mode Average During Zap (Maximum) During Zap (Minimum) Deviation 0f Full Scale (%) Pass or Fail
80 MHz to 1000 MHz 20 V/m Horizontal VOUT = 10 V 9.999848 10.000866 9.998624 −0.013, 0.010 Pass, Criterion A
20 V/m Vertical VOUT = 10 V 9.999883 10.001688 9.998599 −0.012, 0.019 Pass, Criterion A
20 V/m Horizontal IOUT = 20 mA 19.996675 19.998610 19.994331 −0.012, 0.009 Pass, Criterion A
20 V/m Vertical IOUT = 20 mA 19.996793 20.000425 19.994738 −0.011, 0.018 Pass, Criterion A
1000 MHz to 6000 MHz 10 V/m Horizontal VOUT = 10 V 9.999852 10.000866 9.998709 −0.011, 0.010 Pass, Criterion A
10 V/m Vertical VOUT = 10 V 9.999827 10.000857 9.998649 −0.012, 0.010 Pass, Criterion A
10 V/m Horizontal IOUT = 20 mA 19.996832 19.998542 19.994976 −0.010 0.008 Pass, Criterion A
10 V/m Vertical IOUT = 20 mA 19.996822 19.998695 19.994976 −0.009, 0.010 Pass, Criterion A
図 49. IEC 61000-4-3 試験用セットアップの構成図
図 49. IEC 61000-4-3 試験用セットアップの構成図
図 50. IEC 61000-4-3 試験用セットアップの写真
図 50. IEC 61000-4-3 試験用セットアップの写真
図 51. 電圧出力と周波数の関係(20V/m 未満、水平アンテナ)
図 51. 電圧出力と周波数の関係(20V/m 未満、水平アンテナ)
図 52. 電圧出力と周波数の関係(10V/m 未満、水平アンテナ)
図 52. 電圧出力と周波数の関係(10V/m 未満、水平アンテナ)
図 53. 電圧出力と周波数の関係(20V/m 未満、垂直アンテナ)
図 53. 電圧出力と周波数の関係(20V/m 未満、垂直アンテナ)
図 54. 電圧出力と周波数の関係(10V/m 未満、垂直アンテナ)
図 54. 電圧出力と周波数の関係(10V/m 未満、垂直アンテナ)
図 55. 電流出力と周波数の関係(20V/m 未満、水平アンテナ)
図 55. 電流出力と周波数の関係(20V/m 未満、水平アンテナ)
図 56. 電流出力と周波数の関係(10V/m 未満、水平アンテナ)
図 56. 電流出力と周波数の関係(10V/m 未満、水平アンテナ)
図 57. 電流出力と周波数の関係(20V/m 未満、垂直アンテナ)
図 57. 電流出力と周波数の関係(20V/m 未満、垂直アンテナ)
図 58. 電流出力と周波数の関係(10V/m 未満、垂直アンテナ)
図 58. 電流出力と周波数の関係(10V/m 未満、垂直アンテナ)

EMI 放射


CISPR 11 規格に従い、EUT は、半電波暗室に置かれ、アンテナから 10m 離れたグラウンド上 0.8m の位置にある回転テーブル上に配置します。テーブルは 360º 回転し、放射が最大となる位置を特定します。EUT は、水平偏波または垂直偏波の位置に設定可能な干渉受信アンテナから 10m の距離を置いて配置します。アンテナは高さを変更できるアンテナ用シャフトに取り付けられています。アンテナの高さはグラウンドの上 1m~4m の範囲で変更可能で、電界強度の最大値を特定できます。EUT は一般的に最も厳しいケースに構成されており、アンテナは高さ 1m~4m で調整され、またテーブルは 0º~360º の範囲で回転されて、測定値が最大となる点を検出します。EUT にとって一般的に最も厳しいケースとは、AD5758 が、そのフル・スケールの電圧または電流出力時に 1kHz でリフレッシュされることを意味します。試験のレシーバー・システムは準尖頭値検出モードに設定します。EUT への給電は、24V DC のバッテリ・パック 2 個で行います。補助電源からの EMI 放射はすべて除外できます。

AN-1599 は、AD5758 EMC 試験用ボードについてのアプリケーション・ノートです。このボードは、AD5758 および ADP1031EMC 試験用ボードと同じブランク PCB を使用していますが、組み立てに使用している部品が一部異なっており、ディスクリート IC を使用して電源およびデジタル・アイソレーション部分を実装しています。AD5758 EMC 試験用ボードの EMI ピークは205MHz 付近ですが、CISPR 11 クラス B に対して 6dB のマージンを満たしていません。これに対し、AD5758 および ADP1031EMC 試験用ボードでは、この周波数付近で EMI が 10dB 以上低いだけでなく、CISPR 11 クラス B の制限値がより厳しい 30MHz~230MHz の範囲でも、非常に低い EMI プロファイルを示します。これは主に、ADP1031 の集積度が高く、EMI に関する設計が最適化されていることによります。

表 11. 主要周波数における CISPR11 の EMI 放射(VOUT = 10V)
Frequency (MHz) Result (dBμV) Limit (dBμV) Margin (dB) Height (cm) Degree (°) Antenna Polarity Remark
31.9400 21.68 30 −8.32 203 361 Vertical Peak detection
143.4900 17.49 30 −12.51 100 237 Vertical Peak detection
359.8000 22.33 37 −14.67 100 157 Vertical Peak detection
597.4500 26.28 37 −10.72 399 357 Vertical Peak detection
776.9000 28.95 37 −8.05 199 0 Vertical Peak detection
823.4600 29.54 37 −7.46 300 33 Vertical Peak detection
30.0000 21.85 30 −8.15 200 320 Horizontal Peak detection
330.7000 20.11 37 −16.89 101 213 Horizontal Peak detection
551.1200 24.43 37 −12.57 400 327 Horizontal Peak detection
680.8700 32.86 37 −4.14 101 287 Horizontal Peak detection
680.9500 27.16 37 −9.84 101 275 Horizontal Quasi peak
790.4800 29.98 37 −7.02 101 2 Horizontal Peak detection
914.6400 29.97 37 −7.03 300 362 Horizontal Peak detection
表 12. 主要周波数における CISPR11 の EMI 放射(IOUT = 20mA)
Frequency (MHz) Result (dBμV) Limit (dBμV) Margin (dB) Height (cm) Degree (°) Antenna Polarity Remark
30.0000 22.93 30 −7.07 100 309 Vertical Peak detection
348.1600 22.97 37 −14.03 100 135 Vertical Peak detection
467.4700 23.96 37 −13.04 300 259 Vertical Peak detection
649.8300 27.43 37 −9.57 200 84 Vertical Peak detection
777.8700 29.40 37 −7.60 399 262 Vertical Peak detection
923.3700 29.20 37 −7.80 100 251 Vertical Peak detection
30.9700 21.34 30 −8.66 300 360 Horizontal Peak detection
356.8900 21.49 37 −15.51 300 241 Horizontal Peak detection
599.3900 26.73 37 −10.27 300 360 Horizontal Peak detection
681.5000 27.93 37 −9.07 101 183 Horizontal Quasi peak
683.7800 32.35 37 −4.65 101 243 Horizontal Peak detection
821.5200 28.78 37 −8.22 101 191 Horizontal Peak detection
889.4200 28.38 37 −8.62 400 221 Horizontal Peak detection
図 59. CISPR 11 試験用セットアップの構成図
図 59. CISPR 11 試験用セットアップの構成図
図 60. CISPR 11 EMI 放射試験用セットアップの写真
図 60. CISPR 11 EMI 放射試験用セットアップの写真
図 61. EMI 放射レベルと周波数の関係(水平偏波アンテナ、VOUT = 10V)
図 61. EMI 放射レベルと周波数の関係(水平偏波アンテナ、VOUT = 10V) 
図 62. EMI 放射レベルと周波数の関係(垂直偏波アンテナ、VOUT = 10V)
図 62. EMI 放射レベルと周波数の関係(垂直偏波アンテナ、VOUT = 10V)
図 63. EMI 放射レベルと周波数の関係(水平偏波アンテナ、IOUT = 20mA)
図 63. EMI 放射レベルと周波数の関係(水平偏波アンテナ、IOUT = 20mA)
図 64. EMI 放射レベルと周波数の関係(垂直偏波アンテナ、IOUT = 20mA)
図 64. EMI 放射レベルと周波数の関係(垂直偏波アンテナ、IOUT = 20mA)

EMC 基板の回路図とアートワーク

図 65. AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの回路図(システム電源と USB 通信ポート)
図 65. AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの回路図(システム電源と USB 通信ポート)
図 66. AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの回路図(MCU と周辺回路)
図 66. AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの回路図(MCU と周辺回路)
図 67. AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの回路図(フィールド電源とデジタル・アイソレーション)
図 67. AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの回路図(フィールド電源とデジタル・アイソレーション)
図 68. AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの回路図(AD5758 周辺回路)
図 68. AD5758 および ADP1031 EMC 試験用ボードの回路図(AD5758 周辺回路)
図 69. レイヤ 1(上面)
図 69. レイヤ 1(上面)
図 70. レイヤ 2(内部グランド・プレーン)
図 70. レイヤ 2(内部グランド・プレーン)
図 71. レイヤ 3(内部電源プレーン)
図 71. レイヤ 3(内部電源プレーン)
図 72. レイヤ 4(底面)
図 72. レイヤ 4(底面)
図 73. シルクスクリーン上面
図 73. シルクスクリーン上面
図 74. シルクスクリーン裏面
図 74. シルクスクリーン裏面

オーダー情報

部品表


表 13.
Reference Designator Part Description Part Number Manufacturer
C1, C2, C13, C17 Capacitor, ceramic, C0G (NP0), general-purpose, 20 pF GRM1885C1H200JA01D Murata
C3 to C7, C10, C14 to C16, C21, C23, C27 to C29, C32, C33, C35, C46, C52, C55, C64, C68, C80, C81, C117, C119 to C121, C128, C141 Capacitor, ceramic, X7R, 0603, 0.1 μF 06035C104KAT2A AVX
C175,C176,C177 Capacitor, ceramic, X7R, general-purpose, 0.01 μF GRM155R71E103KA01D Murata
C178 Capacitor, ceramic, NP0, general-purpose, 22 pF CC0402JRNPO9BN220 YAGEO
C122 Multilayer ceramic capacitor (MLCC) for high voltage, X7R, 3300 pF HV1812Y332KXHATHV Vishay
C9,C11 Capacitor, ceramic, X5R, general-purpose, 10 μF GRM31CR61H106KA12L Murata
C22, C24, C25, C30,C31, C45, C82, C118 MLCC, X5R, 4.7 μF C2012X5R1H475K125AB TDK
C8, C12 Capacitor, ceramic, 8.2 pF 06035A8R2CAT2A AVX
C39, C125 Capacitor, ceramic, X7R, high voltage, 0.001 μF C1812C102KHRACTU Kemet
C130 Capacitor, ceramic, X7R, soft termination, 0.01 μF C1608X7R1H103K080AE TDK
C53, C131, C133, C138, C142 to C144 Capacitor, ceramic, X7R, 0.01 μF GCM155R71H103KA55D Murata
C18, C19 Capacitor, ceramic, X7R, 0.47 μF C1608X7R1H474MT TDK
C26 MLCC, X5R, 10 μF C2012X5R1V106K085AC TDK
C34 Capacitor, ceramic, X7R, 2.2 μF UMK212BB7225KG-T Taiyo Yuden
C37, C44, C47 to C49, C54 Capacitor, ceramic, X7R, general-purpose, 2.2 μF GRM31CR71H225KA88L Murata
C38 Capacitor, ceramic, NP0, 220 pF CC0603JRNPO9BN221 Yageo
C40, C41, C95, C96 Capacitor, ceramic, NP0, 0.001 μF 12065A102JAT2A AVX
C50 Capacitor, ceramic, C0G (NP0), general-purpose, 0.002 μF GRM2165C1H202JA01D Murata
C56, C57 Capacitor, ceramic, X7R, general-purpose, 0.01 μF GCG188R71H103KA01D Murata
C62 Capacitor, ceramic, X5R, general-purpose, 4.7 μF GRM21BR61E475KA12L Murata
C63 Capacitor, ceramic, X7R, 1 μF 0603YC105KAT2A AVX
D4, D10 Diode, general-purpose, rectifier S2M ON Semiconductor
D5, D6, D11, D12 Diode, TVS, bidirectional SMCJ33CA-TR ST Microelectronics
D16 Diode, TVS, bidirectional SMAJ33CA-TR ST Microelectronics
D2 Diode, Schottky Rectifier BAT46W-7-F Diodes Incorporated
DS1, DS2, DS5, DS6 LED, SMD, 0603,green SML-LX0603GW-TR Lumex
DS3, DS4, DS7 LED, SMD, 0603, red TLMS1100-GS08 Vishay
E1, E2, E3, E4 Inductor, ferrite bead, 1 .5kΩ, 100 MHz BLM18HE152SN1D Murata
E5, R68, R166, R167 Resistor, thick film, chip, 1210, 0 Ω CRCW12100000Z0EAHP Vishay
FL1 Filter, EMI, common-mode, 30 dB, 0.1 A, 8 Ω EMI2121MTTAG ON Semiconductor
JP25, JP26 Connector, PCB, header jumper, 1 × M000385 22-03-2031 Molex
L1, L6, L8 Ferrite bead ,SMD, 120 Ω, 120 nH LI0805H750R-10 Laird
L2, L3 Inductor, power choke, 100 μH LPS5030-104MRB Coilcrft
L5 Inductor, shielded power, 47 μH LPS4018-473MRB Coilcraft
P1 Connector, PCB, header, low profile 5103308-5 TE Connectivity LTD
P2, P14 Connector, PCB, terminal block, two position, green 1727010 Phoenix Contact
P3 Connector, PCB, receptor, mini USB 2.0 UX60SC-MB-5S8 Hirose
P4 Connector, PCB, four position terminal block, single-row, straight, 2.54 mm pitch, 3.5 mm tail length 1725672 Phoenix Contact
P8, R1, R2, R14, R16 to R18, R60, R164, R170, R173 Resistor, thick film, chip, 0603, 0 Ω MC0603WG00000T5E-TC Multicomp
R9, R10, R36, R37, R143, R152, R154 R155 Resistor, thick film, chip, 0603, 10 kΩ MC0100W0603110K Multicomp
R19 to R21, R23, R24, R27 to R32, R47 to R54, R62 to R65 Resistor, thick film, chip, 0603, 100 Ω MC0.063W06031100R Multicomp
R3, R4, R11, R33, R61, R76, R77 Resistor, thick film, chip, 0603, 499 Ω ERJ-3EKF4990V Panasonic
R5 to R8, R12, R22, R25, R26, R34, R35, R38, R40 to R42, R66, R67, R74, R75, R141, R151, R163, R168, R171, R182 Resistor, thick film, chip, 0603, 100 kΩ ERJ-3EKF1003V Panasonic
R138 Resistor, thick film, chip, 0603, 1 MΩ ERJ-3EKF1004V Panasonic
R139 Resistor, thick film, chip, 0603, 210 kΩ ERJ-3EKF2103V Panasonic
R89 Resistor, thick film, chip, 0402, 0 Ω MC00625W040210R Multicomp
R13, R15, R92 to R94, R140, R142, R148 Resistor, thick film, chip, 0603, 33 Ω MC0.063W0603133R Multicomp
R43 Resistor, thick film chip, 0603, 31.6 kΩ ERJ-3EKF3162V Panasonic
R44, R46 Resistor, thick film, chip, 0603, 560 kΩ MC 0.063W 0603 1% 560K Multicomp
R45 Resistor, thick film, chip, 0603, 23.2 kΩ ERJ-3EKF2322V Panasonic
R56, R145 Resistor, thick film, chip, 0603, 1 kΩ MC0063W060311K Multicomp
R176, R177 Resistor, thin film, chip, 0805, 0 Ω MC0.1W08050R Multicomp
R180, R181 Resistor, thick film, chip, 0603, 2 kΩ MC0.063W060312K Multicomp
R55 Resistor, precision, thin film, 0603, 13.7 kΩ RN73C1J13K7BTG TE Connectivity
R57 Resistor, thick film, chip, 0805, 10 Ω ERJ-6ENF10R0V Panasonic
R58 Resistor, thick film, high voltage, chip, 4.7 MΩ CHV2010-JW-475ELF Bourns
S1 to S4 Switch, surface mount, SMT B3S1000 Omron
T1, T3 Common-mode choke, DLW5BS series, 190 Ω, 5 A DLW5BSN191SQ2L Murata
T2 Flyback transformer, 1:1 ratio, 280 μH, 250 mA 750316743 Würth Elektronik
U1 IC, ultra low power, Arm Cortex-M3, MCU ADuCM3029BCPZ Analog Devices
U11 IC, micropower, precision, series mode, voltage reference AD1582ARTZ Analog Devices
U13 IC, TTL, single, two input positive and gate SN74LVC1G08DBVT Texas Instruments
U2 IC, 3 V, 128 Mb, serial flash memory with dual/quad SPI and quick path interconnect (QPI) W25Q128FVSIG Winbond
U26 IC, TTL, single, two-input, positive and gate SN74AHCT1G08DCKR Texas Instruments
U3 IC, isolated micro power management unit and digital isolator, adjustable VOUT1, 5.15 V VOUT2, adjustable VOUT3 ADP1031ACPZ-1-R7 Analog Devices
U4 IC, single-channel, 16-bit, current/voltage output DAC, dynamic power control, HART connectivity AD5758BCPZ-REEL Analog Devices
U6 IC, low noise, CMOS, LDO regulator, 5 V voltage output ADP7142ARDZ-5.0 Analog Devices
U7 IC, USB, serial universal asynchronous receiver/transmitter (UART) FT232RQ FTDI
U8 IC, low quiescent current, CMOS linear regulator, 3.0 V voltage output ADP124ARHZ-3.0-R7 Analog Devices
U9 IC, micropower voltage reference, 2.5 V voltage output ADR3425ARJZ-R7 Analog Devices
Y1 IC, crystal, SMD, 12.5 pF, 32.7680 kHz MC-306-32.7680K- A0:ROHS Seiko
Y2 IC, crystal, ultraminiature ceramic sealed, 10 pF, 26.000 MHz ABM8G-26.000MHZ- B4Y-T Abracon

Ke Li

Li Ke

Li Keは、中国上海にある高精度コンバータ製品ラインのアプリケーション・エンジニアとして2007年にアナログ・デバイセズに入社しました。それ以前は、Agilent Technologies 化学分析グループのR&Dエンジニアとして4年間勤務していました。Liは、西安交通大学で1999年に電気工学の学士号、2003年に生体工学の修士号を取得しています。2005年に中国電気学会の専門家会員になりました。